【 第9章 2023年度生用 教育課程(学部別)】
経済学部 経済学科

1. 経済学科教育理念

(1)教育研究上の目的

経済学部経済学科は、論理的・批判的思考能力やコミュニケーション能力などの普遍的な能力を基礎に、経済学における専門的知識と、AI 時代において求められるデータサイエンス等の新たな技能を身につけ、幅広い視野で経済社会が直面する課題に取り組み貢献できる人材を養成する。

(2)ディプロマポリシー(学位授与方針)

経済学部経済学科は、教学理念および学部・学科の教育研究上の目的に則り、経済の分野におけるミクロ・マクロのメカニズムやその歴史的展開に関する理解の上に、それぞれの地域や産業が直面する課題を経済学の多様なアプローチから分析することで、企画や政策の立案を行うことのできる人材の養成をめざしている。そのために経済学科では、この教育目標に基づき、次のような知識、能力を身につけ、所定の単位を修得した者に学士(経済学)の学位を授与する。

1. 知識・理解
① グローバルなレベルから地域に密着したレベルまでの経済・社会・自然・文化に関する幅広い知識を身につけている。
② 専門性の高い各領域を学ぶうえで不可欠となる経済学の基礎的な知識を身につけている。
③ 経済学の特定の領域における専門的な知識を身につけている。
2. 思考・技能
④ 多様な情報ソースから情報を選択的に収集しつつ、自らの意見を論理的に展開し、分かりやすく説明することができる能力を身につけている。
⑤ AI時代において必須となるさまざまなデジタルツールを活用する能力を身につけている。
⑥ 周囲の人々と協力しつつ目的を達成するための、コミュニケーション能力やリーダーシップ、マネジメント力を身につけている。
⑦ 経済や社会に関する課題を分析し、その解決のための適切な方策を設計し提案することができる能力を身につけている。
3. 関心・意欲・態度
⑧ 経済や社会について関心を持ち、日常的に新しい知識や技能を身につけようとする意欲と態度を身につけている。
⑨ 多角的な視点から経済社会を分析し、多様な価値に配慮しながら解決策を導き出そうとする意欲と態度を身につけている。
(3)カリキュラムポリシー(教育課程の編成・実施方針)

学位授与に必要とされる能力(ディプロマポリシー)を修得するために、経済学部 経済学科では、以下の方針で教育課程を編成する。

  • ① 学科の学修を円滑に進め、また自立した社会人としての基礎的な素養を養成するため、教養教育科目にコア科目群、教養教育科目群を配置する。思考力などの汎用的技能や主体的に学びを続ける態度を涵養する科目並びに、幅広い教養を教授する科目を配置する。
  • ② 学びと社会のつながりや自らの将来を深く考えさせ、キャリア実現に向けた積極的な行動を促すため、教養教育科目にキャリア教育科目群を配置する。1年次前期からキャリア関連科目を開講するとともに、インターンシップなどの実践型の科目を配置し、実践・経験と連動した、体系的なキャリア教育を展開する。
  • ③ 自立した社会人として仕事に従事するうえで不可欠となる、論理的・批判的思考力や実践力、コミュニケーション能力、リーダーシップの養成および専門的知識・技能の深化のため、専門教育科目に演習科目群を配置する。1年次から4年次までの学びの段階に応じた必修の演習科目で実践的な学びを展開する。
  • ④ 経済学を学ぶ学生が、共通して身につけるべき知識や技能を養成するため、専門教育科目に基礎科目群および基幹科目群を配置する。
  • ⑤ 経済学を体系的に学び、専門的な知識や技能を深めるため、専門教育科目に展開科目群を配置し、「金融・産業」「地域・国際」「公共経済・政策」「医療・社会保障」「観光・文化」の5つの分野を設定する。
  • ⑥ 学部を越えた文理融合の学びを促すため、専門教育科目にクロスオーバー科目群を配置し、他領域の科目を厳選して配置する。

2. 教育課程

(1)ディプロマポリシー達成のための各回生の到達目標
(A)知識・理解

経済学科のディプロマポリシー

A1)グローバルなレベルから地域に密着したレベルまでの経済・社会・自然・文化に関する幅広い知識を身につけている。

1回生基礎 ー知り、試行するー 自身の専門知識だけでない、幅広い知識を知っている。
2回生応用 ー理解し、実践するー 上記の知識を理解している。
3回生発展 ー実践し、発揮するー 上記の知識を理解し、自分の考えを述べることができる。
4回生展望 ー総合し、展望するー 上記の知識を、自らの人生や組織・社会を豊かにすることに結び付けられる。

経済学科のディプロマポリシー

A2)専門性の高い各領域を学ぶうえで不可欠となる経済学の基礎的な知識を身につけている。

1回生基礎 ー知り、試行するー 経済学の基礎的な知識を知っている。
2回生応用 ー理解し、実践するー 上記の知識を理解している。
3回生発展 ー実践し、発揮するー 上記の知識を用いて、自分の考えを述べることができる。
4回生展望 ー総合し、展望するー 上記の知識を用いて、自らや社会の過去・現在・未来について論じられる。

経済学科のディプロマポリシー

A3)経済学の特定の領域における専門的な知識を身につけている。

1回生基礎 ー知り、試行するー 経済学の特定の領域における専門的な知識を知っている。
2回生応用 ー理解し、実践するー 上記の知識を理解している。
3回生発展 ー実践し、発揮するー 上記の知識を用いて、自分の考えを述べられる。
4回生展望 ー総合し、展望するー 上記の知識を用いて、自らや社会の過去・現在・未来について論じられる。
(B)思考・技能

経済学科のディプロマポリシー

B1)多様な情報ソースから情報を選択的に収集しつつ、自らの意見を論理的に展開し、分かりやすく説明することができる能力を身につけている。

1回生基礎 ー知り、試行するー 図書館活用法および論文・雑誌・新聞記事検索法など信頼できる情報の入手方法や、わかりやすく伝える方法を知り、試用している。
2回生応用 ー理解し、実践するー 上記の方法を実践し、信頼できる情報を集められる。集めた情報を論理的にまとめ、わかりやすく伝えられる。
3回生発展 ー実践し、発揮するー 信頼できる既存の情報を収集するだけでなく、自ら一次情報を獲得、分析し、論理的にわかりやすく伝えられる。
4回生展望 ー総合し、展望するー 信頼できる多様な情報を収集、分析し、過去、現在、未来の自分自身や社会の在り方について、論理的にわかりやすく伝えられる。

経済学科のディプロマポリシー

B2)AI時代において必須となるさまざまなデジタルツールを活用する能力を身につけている。

1回生基礎 ー知り、試行するー 文章作成、表計算、発表資料作成ソフトの活用法、データサイエンスに関する基礎知識を知り、試用している。
2回生応用 ー理解し、実践するー 上記ソフトを活用でき、上記知識を理解している。
3回生発展 ー実践し、発揮するー 上記ソフトだけでなく、様々なデジタルツールを活用できる。
4回生展望 ー総合し、展望するー 様々なデジタルツールを活用できるとともに、技術の進歩に応じて自らに必要なICTスキルを獲得できる。

経済学科のディプロマポリシー

B3)周囲の人々と協力しつつ目的を達成するための、コミュニケーション能力やリーダーシップ、マネジメント力を身につけている。

1回生基礎 ー知り、試行するー 学内の多様な学生や教職員と相談し合える関係を構築している。上記スキルの基礎知識を知り、試用している。
2回生応用 ー理解し、実践するー 学外の社会人と関係を構築することができる。大人とのコミュニケーションの取り方や、上記スキル理解し、実践できる。
3回生発展 ー実践し、発揮するー 学内外の学生や社会人と協力して、目的や目標を達成するために、上記スキルを発揮できる。
4回生展望 ー総合し、展望するー 自身が大学生活で身につけた上記スキルについて総括し、今後の伸ばし方や、社会での活かし方を述べられる。

経済学科のディプロマポリシー

B4)経済や社会に関する課題を分析し、その解決のための適切な方策を設計し提案することができる能力を身につけている。

1回生基礎 ー知り、試行するー 経済や社会に関する課題の分析法や解決策の立案方法を知り、試行している。
2回生応用 ー理解し、実践するー 上記方法を理解し、何らかの提案をすることができる。
3回生発展 ー実践し、発揮するー 上記方法を実践し、適切な提案をすることができる。
4回生展望 ー総合し、展望するー これまでに身につけてきた分析・提案力を言語化し、卒業後のキャリアと結び付けて論じられる。
(C)関心・意欲・態度

経済学科のディプロマポリシー

C1)経済や社会について関心を持ち、日常的に新しい知識や技能を身につけようとする意欲と態度を身につけている。

1回生基礎 ー知り、試行するー 経済や社会、学生生活の過ごし方や生き方に関心を持ち、自律型キャリアを作り上げていこうとしている。
2回生応用 ー理解し、実践するー 卒業後のキャリアにも目を向け、自律型キャリアを作り上げていくために行動している。
3回生発展 ー実践し、発揮するー 自律型キャリアを作り上げる行動を通じて、経済や社会への関心と卒業後のキャリアを結び付けている。
4回生展望 ー総合し、展望するー 学んできた知識と卒業後のキャリアを結び付け、自身の生涯学習をいかに実現していくかを論じられる。

経済学科のディプロマポリシー

C2)多角的な視点から経済社会を分析し、多様な価値に配慮しながら解決策を導き出そうとする意欲と態度を身につけている。

1回生基礎 ー知り、試行するー 多角的な視点で考え、多様な価値に配慮する大切さを知っている。
2回生応用 ー理解し、実践するー 上記視点から経済社会を分析しようとし、多様な価値に配慮して、何らかの解決策を提案しようとする。
3回生発展 ー実践し、発揮するー 上記視点から経済社会を分析し、多様な価値に配慮した、的確な解決策を提案しようとする。
4回生展望 ー総合し、展望するー 大学生活で身につけた多様な視点、経済社会の分析態度、的確な解決法を整理し、卒業後のキャリアと結び付けらて論じられる。
(2)各回生の到達目標達成を支える科目
1回生

1回生は、高校生から大学生への円滑な移行を目指し、各目標項目に対してまずは“知る”ことや“試してみる”ことを目標に学びます。
4年間の学びの基礎をつくる学年ですから、必修科目や履修指定科目が多いのが特徴です。
A1)は、「知へのマインドセット」や各種教養科目で学びます。A2,A3)は、必修科目「経済を読む 」「経済を読む 」「経済学入門 」「経済学入門 」等の基礎科目で学びます。B1)は「アカデミックスキル」「ライティング基礎」、B2)は、「ITリテラシー」「データサイエンス基礎」、B3)は「プロジェクトマネジメント 」、B4)は「クリティカルシンキング」、C1,C2)は「キャリア開発演習 」「キャリア開発演習 」を中心にして身につけることができます。

2回生

2回生は、1回生で学んだ知識に対する“理解”を深め、“実践”することを目標に学びます。
2回生からは必修科目が少なくなり、自分が目指す方向性や興味・関心、自身の成長課題に則して科目を選択していくことになります。1回生の時に学ぶ“自律的キャリア”の考え方に基づき、自分に最も適した履修計画を立ててください。
A1)は、各種教養科目に加えてクロスオーバー科目も履修できるようになり、一層学びの幅を広げることができます。A2)では、「ビジネス英語 Ⅰ・Ⅱ」等の基幹科目が履修できるようになります。そしてA3)では、基幹科目群の応用・発展科目として後期から展開科目群(「金融・産業」「地域・国際」「公共経済・政策」「医療・社会保障」「観光・文化」)を学べるようになります。B1)では、書く力を伸ばしたい学生は「アカデミックライティング」を履修することをお勧めします。B2)は、必修科目「データサイエンス 」の他「データサイエンス 」や「AIリテラシー」を通じてAI時代に通じるデジタルツールの活用力を高められます。B3)では必修科目「プロジェクトマネジメント 」に加え、「インターンシップ 」や「海外インターンシップ」を通じて実践力を高めます。B4,C2)では、他学部学生と連携して実践する「クロスオーバー型課題解決プロジェクト」、C1)では、「キャリア開発演習 」が能力開発の役に立つでしょう。またすべての目標を総合的に高める必修科目として「プロジェクト演習 」が後期から始まります。

3回生

3回生は、2回生以上に実践力を伸ばし、自分らしさを発揮していくことを目標に学びます。
2回生までの学びを振り返り、解決すべき自身の成長課題に合わせて履修計画を立てるようにしましょう。3回生で特に重要になるのが、必修科目「プロジェクト演習 」「プロジェクト演習 」です。ここでは1年間をかけて専門に則したプロジェクトに取り組みます。プロジェクトの成果は“プロジェクト・プレゼンテーション”として発表会を行う他、“プロジェクト・レポート”としてまとめることを予定しています。自分が身につけたい専門性に合わせて、各科目で養ってきた知識、技能、態度を発揮し、さらに伸ばしていきましょう。また「インターンシップ 」や「ワークエクスペリエンス」「キャリア開発演習 」も、自分の将来に直結する形で実践力を高めることに役立つでしょう。

4回生

4回生は、大学生活の集大成として、これまでの学びを総括し、卒業後の人生を展望することを目標に学びます。
必修科目「プロジェクト演習 」「プロジェクト演習 」では、4年間の学習成果をまとめ、これからのキャリアについて論じた“学習成果報告書”を作成します。またクラス、あるいは個人によっては「卒業研究」として、自ら研究テーマを掲げて“卒業論文”を執筆します。必要な単位を修得し、かつ学習成果報告書を通じて自身がディプロマポリシー(学位授与方針)にかなっている人物であると証明されれば、晴れて卒業となります。

3. 取得できる免許・資格

(1)取得可能資格一覧
資格名称 対象学部・学科
教育職員免許状 社会(中1種) 経済学部 経済学科
公民(高1種)
司書課程
学校図書館司書教諭
博物館学芸員資格課程
社会教育主事課程
日本語教員養成
診療情報管理士認定試験受験資格
(2)取得可能な免許・資格
ポータルサイト配信の確認を習慣に

学生のみなさんに対する連絡は、ポータルサイトへの配信によって行います。
配信されたものについては各自確認されたものとして取り扱いますので、毎日の習慣として必ず内容を確認するようにしてください。

【ポータルサイトの利用方法】
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