【 第9章 2024年度生用 教育課程(学部別)】
健康科学部 救急救命学科
科目概要

基礎分野

基礎科目

  • 知へのマインドセット

本科目は、本学の教養教育課程全体の基盤的科目のひとつであり、本科目で学んだ基礎の上に、その後の教養教育課程に設定する多様な科目の学びを重ねることにより、「社会を構成する知的市民としてのマインドセット」の獲得をめざすものである。また、本科目を受講することにより、本学の教学理念を理解したうえでその後の学びを進められるようにするための科目としても位置付ける。そのため、まずは本学の教学理念を学んだうえで、本学に設置する多様な学部から、それぞれの学問領域の基礎を学び、各学問領域を学ぶ意義を理解する。
(オムニバス方式/全14回)

  • 英語 A

基本的な英文の読解・表現の演習を通して、英語理解のための基礎的な知識(基本文型的分析や文法的知識・基本単語・成句など)を整理し、英語の表現方法と日本語の表現方法の違いを考えた上で、実用的に使える英語力を身につけ、英語運用能力のうち、特にリーディングとライティングの技能を発展させていく。

  • 英語 B

平易な英語のリスニング・スピーキング・プレゼンテーションの演習を通して、英語理解のための基礎的な知識(基本文型的分析や文法的知識・基本単語・成句など)を整理し、英語の表現方法と日本語の表現方法の違いを考えた上で、実用的に使える英語力を身につけ、英語運用能力のうち、特にリスニングとスピーキングの技能を発展させていく。

  • 英語 A

スキミング、スキャニング、主題の把握、推論など、効果的に英文を読むために欠かせないリーディングスキルの修得をめざす。また、必要なリーディングスキルを用いて、さまざまなトピックについての読み物を読み、演習問題などを通して、それらトピックに対する自分の意見を表現できるライティング能力を向上させることをめざす。

  • 英語 B

効果的に英語を聞きとるために欠かせないさまざまなリスニングスキルの修得をめざす。それらのリスニングスキルを用いて、さまざまなジャンルのリスニング教材を聴き、演習問題などを通して、それらトピックに対する自分の意見をプレゼンテーションできる能力を向上させることをめざす。

  • 英語 A

TOEICに出題される英文を題材にして、さまざまなトレーニング形式のアクティビティを行い、TOEICの問題を中心とした演習を進めながら英語運用能力を身につける。特に、リーディング面の英語運用能力の向上をめざして、語彙力の強化にも重点を置いた授業を展開する。

  • 英語 B

TOEICに出題される英文を題材にして、通訳・リピーティング・ディクテーションなどのさまざまなトレーニング形式のアクティビティを行い、TOEICの出題形式の演習問題を行いながら英語運用能力を身につける。特に、リスニング面に重点を置いて、さまざまなジャンルの英語の聞き取り能力の向上をめざす。

  • 英語 A

日常的な話題について質問・応答ができる表現力、基本的な文法・語彙を使って文章が書ける作文力の修得のため、TOEICに出題される英文を題材にして、音読・通訳・リピーティング・ディクテーションなどのさまざまなトレーニング形式のアクティビティを行っていく。

  • 英語 B

さまざまなトピックについて英語でプレゼンテーションができる表現力の修得のため、さまざまなトレーニング形式のアクティビティを行っていく。さらに、プレゼンテーションに対して、適切なコメントや質問をする能力も身につくようにしたい。

  • ライティング基礎

大学でのスタディ・スキルとして必要とされる読解力や基本的な文章作成能力の獲得をめざす。演習を通して文章を読む力を養成しながら、添削指導等により、論理的な論説文を書くために必要な文章構成力や推敲の能力を獲得する。

  • 教養ゼミ

スタディ・スキルとして、最低限必要とされる読解力や文章作成能力の修得をめざす。高度な文章を読む力を養成しながら、添削指導により、論理的な論説文を書くための文章構成や推敲の能力を高める。

  • ITリテラシー

現代の情報化社会に必須であるコンピュータやネットワークに関する基礎的知識の理解と、文書作成、表計算、プレゼンテーションのソフトウェアを活用する技能を、演習を通して習得する。具体的には、Officeソフトを通じ、身近な素材を元に文書ソフトではレポート作成、表計算ソフトではグラフ作成や数値分析、プレゼンテーションソフトではスライド作成といった実践力と応用力を養うとともに、情報社会におけるさまざまな危険を防ぐための知識、情報を扱ううえでのマナーを身につける。

  • データサイエンス基礎

社会全般の情報化が進み、道具であるパソコンがより便利に使いやすく進歩していくなかで、使い手である我々には、それらに関する知識だけでなく、情報そのものを使いこなすことが求められている。本科目では、社会で求められている情報活用の基礎力を体系化し、どうやって効果的に情報を活用するかを演習を通して学習する。具体的には、一連の情報プロセス(収集、分析、整理・保管、表現、運用)の意味を理解し、データや情報を適切に処理・活用できる力を身につける。

人間と知の伝達

【 現代の思想 】
  • 哲学概論

市民や社会人として必要とされる倫理観や人間性の養成、異なる考え方や異なる文化を持つ人々を理解する能力の養成を目的とする。哲学は何を問題にしてきたのか、またそれにどのように取り組んできたか、そしてその問いは私たちにとってどんな意味をもつのかについて、さまざまな哲学者の著作を通して考える。

  • 倫理学概論

倫理学とは何か、倫理学にどのような意義があるのかを理解し、倫理学的な考え方を身につけることを目標とする。社会正義を考えるをテーマとして学びを進め、近代以降の倫理学の学説を中心に、倫理学的な考え方の基礎を歴史的背景を含めて理解し、現代社会の諸問題を考えるうえで倫理学的な思考法の意義と重要性を知る。

  • ジェンダーとダイバーシティ

ジェンダーは人種・民族・階級とともに、人間の歴史的経験を作り上げる最も基本的な要素である。この科目では社会・文化・政治・宗教・教育において、ジェンダーがどのように作用してきたかを考察する。また、人間の差異によって作りだされる支配関係を明らかにするジェンダーの視点を用いて今日的な課題を考える。

  • 心理学概論

「こころ」は誰もが毎日働かせているものであり、対人関係や社会生活について考えるうえでも「こころ」を抜きにすることはできない。こうした身近な存在であるがゆえに、関心を持つ人は多いが、誤解されることや表層的な理解にとどまることも多いと考えられる。そこでこの科目では、自然科学の一種としての心理学の全体像を概観する。そのことで、受講者の持っていた興味や関心が正確な知識とつながり、さらに自らで考えることができるようになるための基礎づくりを目標とする。授業では、生理、知覚、認知、社会、教育、発達、人格、臨床といった心理学の諸分野にわたって広く概説し、心理学の基礎的な知識や、その考え方を身につけられるように進めていく。

  • 宗教学概論

宗教とはいったい何なのか、そして人はなぜ宗教を求めるのか、といった問題を考えることを通じて、私たちは宗教とどのように向き合っていくのがもっとも適切なのかについて、自分なりの考えを形成する。具体的には、客観的で科学的な立場から、宗教の歴史を概観し、有神論と無神論、創唱宗教と自然宗教といった分類のしかたなどを考察する。

【 メディアと情報 】
  • 言語コミュニケーション論

日常あらゆる人が行うコミュニケーションにおいて、言語がどのような役割を担っているのかを知る。言語を客観的に捉える姿勢を身につける。言語学の諸分野について講義を行い、そのなかでコミュニケーション上の言語の役割について説明していく。

  • 現代のメディアと表現

今日、日本のメディア・コンテンツは世界的な文化として高く評価されつつある。その理由はいくつかあるが、もっとも重要なのは、単なるサブ・カルチャーの域を出て、現代文明に対する警鐘を鳴らすような、知的水準の高い創作活動を実現していることがあげられる。その意味では、かつての純文学とよく似た役割を、日本の映像メディアは今や担っている。こうした観点に立って、日本の映像文化について考える。

  • 数学演習

将来の仕事で必要とされる数学について基礎を学ぶ。数と計算・図形の初歩から学び、さまざまな応用問題が解けるようにする。ピタゴラスの定理と無理数、1次・連立・2次方程式、因数分解、1次・2次関数とグラフなどを主なテーマとする。

  • 数学演習

数学的思考、数理的思考を身につける。1次関数、2次関数、関数とグラフ、図形と方程式、図形の性質・面積(ヘロンの公式)などをテーマとして、日常生活との接点を探りつつ、基本的な概念、典型的な問題の解法、実生活への応用を教授する。

  • 情報社会論

情報通信技術が現代社会をどのように支えているのか、また、現在どのような課題があり、今後社会をどのように変えていくのかを学ぶ。テキストを中心に、適宜スライドや配布資料、政府や団体の公開資料等を用いる。理解の深化と確認のため、レポート提出や複数回の理解度テストを実施する場合がある。

  • AIリテラシー

実社会において人工知能(AI)が活用される機会は大きくなってきている。日常生活のなかで、あるいは職業生活のなかでAIを活用するにあたり、その仕組みやAIを使ってできることとその限界を学び、AIをツールとして使いこなせる力(AIリテラシー)を獲得する。

人間と文化

【 外国語と文化理解 】
  • 比較文化論

世界は「謎」に満ちている。私たちの想像や理解を超えたことが頻発している。そうした「謎」を、自分には関係ないと簡単に退けず、自分を、そして自分を形作ってきた「文化」というとらえどころのないものを理解する最良の機会と考えられるようになれたら――これがこの科目の最大の目標である。世界で起こっているさまざまな問題の背景にある文化、価値観、思考様式を知り、そうした問題と自分がどう関わるのかを考えることを通して、さまざまな文化について理解するとは、すなわち自分が変わることであることを理解する。

  • 芸術と文化

芸術と文化の関わりなどについて、芸術の歴史や哲学、美術、音楽など総合芸術をテーマとして学ぶ。また、美術や音楽、映像などの芸術を鑑賞し、現在さまざまに試みられている芸術表現などを取り上げ、芸術による文化発展の可能性や問題について考察する。

  • 異文化コミュニケーション論(人文)

本科目は、異文化を実際にどのように理解すればいいのかを考える。そして、諸外国の文化や歴史を理解することの重要性と、それがまた日本を理解する鍵となることを学ぶ。年表や各種の歴史的な史料、新聞記事や写真、画像などを紹介しながら進める。

  • 文化人類学

我々人類は、多様な生活習慣をもち、さまざまな文化を形成している。文化人類学は人間の科学といわれ、個別文化の調査・分析から文化の普遍的な法則を見つけ出し、そこに表れる人間行動の諸相を明らかにすることを目的としている。本科目では、まず、文化人類学がどのような学問なのかを理解することから始め、その研究史、研究視角、調査方法について解説し、さらに具体的な研究事例も取り上げる。

  • 中国語

中国語の発音と文法の基礎を身につけるため、数字、人称代名詞、名詞、動詞の文、疑問文、疑問詞、形容詞の文、助数詞、時間、年月日、時刻、前置詞の表現などの各種の練習をする。

  • 中国語

中国語のさまざまな基本短文を作ることができるように、変化、完了、進行、持続、経験を表す表現、助動詞、補語、比較形、受身と使役などの表現方法を学ぶ。

  • 中国語

中国語の長い文章に慣れることを目的として、文章を読み進める練習と、一字一句の意味をきちんと確認する方法を併用しながら、易しい文章を大量に読むことによって、まず中国語に慣れることをめざす。文章の内容は、日本や中国の観光地、歴史的事件、食べ物、祝日などを題材にする。

  • 中国語

基礎的な文法を踏まえて、聞き取りの練習、自由表現の練習、対話の練習などを繰り返しながら、中国語でのコミュニケーションができることをめざす。毎回の授業で、中国の文化、習慣、生活、最新ニュースを紹介する。

  • 韓国語

初めて韓国語を学ぶ人のために、文字の仕組みから親しんで、発音法則を理解するほか、挨拶や正確な文章の読みなどを徹底的に学習する。なお、韓国文化を理解してもらうために、韓国人の生き方・歴史・社会・文化、特に食文化などにも触れる。

  • 韓国語

韓国の文字と発音をマスターした人が、次に進む段階として、ここでは文法+会話+講読に重点を置き、基礎文法と基礎会話力を固めると同時に、簡単な読み書きができるように学習する。また、韓国の文化に関わるものを講読のテキストとし、韓国の文化に親しむ。

  • 韓国語

会話+講読+聴解力+作文に重点を置く。韓国語で学んだ力を生かして、表現力を増やし、より自然な会話の習得をめざす。聴解力のアップとあわせて、場面ごとに正確な会話ができるように進め、また日常よく使う表現を作文できるように学習する。

  • 韓国語

韓国語だけで授業を行い、自由会話を中心に聴解力をつけ、韓国の中学生以上の会話運用能力をつけるために学習する。この授業では、自由会話+スピーチができることを目的とし、学生たちによるスピーチと韓国映画鑑賞によってその力を身につける。

【 歴史・文化 】
  • 歴史から学ぶ

歴史学の学問としての方法論を知るとともに、多様な視点から事象を理解する姿勢を身につける。世界史と日本史分野の教員が担当し、歴史学を学ぶうえで必要な学問的方法論についての理解を深める。授業においては特に日本と異文化の接触・交流の視点や、文献史学以外の学問研究の視点に留意するとともに、史料を的確に読む重要性について徹底的に講義する。

  • 京都の歴史・文化

京都の複合する遺跡から京都の歴史と文化を探る。考古資料をもとに京都の地下の文化財に触れ、京文化の根源を学び、探り、理解し、考えてみる。そして京都の遺跡からわかる歴史と文化の表現方法の取得に向う。平安京以前からの、京都の遺跡を学習する。適宜、歩き探る京都を紹介する。

人間と社会

【 法律・行政・政治 】
  • 日本国憲法

日常生活のなかで見え隠れするさまざまな社会的な問題を考え、対処をするために必要な、日本国憲法に表された基本的な思考を身につける。また、これを理解するために必要な基本的知識を身につけることを目標とし、基本的な事柄をできる限り分かりやすく解説していく。

  • 法学概論

法学概論では、国家の統治組織や作用、行政権の主体と個人との関係等について学ぶ。主に憲法を中心として進めていき、国民の権利・自由に関する基本的人権論や、権力分立・国家行政組織・地方自治といった統治機構の諸制度を範囲とするが、重要事項の理解を深めるために、関連のある諸法にも触れていく。本講義では、各講において具体的な事例を用いた設問を挙げ、そこで論点となるテーマに関する判例・学説を理解する。また、各制度のあり方について考察し、憲法の基本理念や一般理論を修得する。

  • 法学概論

法学概論では、私法全体の理解を目的としており、主に民法と商法を中心に進めていく。本講義では、契約、住まい、家族生活、事故の遭遇などのさまざまな場面において、私法との有機的な関連を可能な限り明らかにし、各制度の正確な位置づけを図る。各テーマの理解を深めるために、借地借家法、製造物責任法、民事訴訟法といった特別法も、適宜に範囲に含める。また、具体的な事例を提示して、その解決を念頭に置きながら重要な事項について説明することで、初歩的な応用力を身につける。

  • 民法

民法は、私法分野の基本法であり、市民の社会生活そのものを広範に対象とする学問である。本講義では、民法の基本構造を明らかにし、主要な法原則、法制度、法概念を理解するとともに、その基礎的知識を獲得することを目的としている。また、具体的な事例や裁判例を用いながら、民法が日常生活にどのように関連しているのかを明らかにすることで、法的な問題発見能力、問題処理能力を養い、法の生きた理解を可能にする。特に、財産法の分野の解説に重点を置くが、家族法の分野についても一通り概観しておく。

  • 政治学概論

政治学への入口として、政治についての意識形成、政治についての基礎知識、政治学を学問としてとらえる力を身につけることを目的とする。授業では、権力、デモクラシー、政治システムと政治過程、地方自治、国際政治、宗教と政治、官僚制などを概観し、基礎的知識を獲得する。そのため、テキストを活用しつつ現代日本の政治現象を身近に感じられるように、時事問題を政治学的に考察するヒントを提示するとともに、テレビを中心とするマスコミ以外によって、政治に関する情報・言説を知るソーシャルメディア利用法などにも言及する。

  • 政治学概論

具体的な政治家・政治現象の事例(例えば、「大平正芳」など)から、戦後の日本政治を政治過程論として概観し、さまざまな政治家が活躍する舞台を具象的に再現できるようにする。さらに、日本における政府の仕組み、とりわけ政党と官僚との関係を知り、政治家・政治過程の実際について自分で考え、論評できるようになることを目標とする。具体的には、新自由主義と社会民主主義、内政と外交、族議員と派閥、政権交代と派閥抗争、消費税と赤字国債などについて考察するとともに、映画で政治家はいかに描かれてきたかなどメディアと政治の関係にも言及する。

  • 私たちのくらしと行政

国と自治体の行政活動と社会問題の繋がりについて説明できるようになる、行政に関する制度について市民社会との関係のなかで理解し説明できるようになる、公共政策の実際について分析し説明できるようになることを目標とする。行政は変化し続ける社会への対応を迫られており、その果たすべき役割は、社会との関係のなかで問われている。そのため、行政と外部との関係に着目しながら学んでいく。

【 経済・経営・社会 】
  • 経営学概論

「会社(企業)が事業を経営する」という基本命題を分析的に理解できるようになること、言い換えると、会社(企業)・事業・経営の相互作用を立体的・構造的に把握するため、それらをめぐる社会システムを理解できるようになること、これが授業での目標である。具体的には、まず会社(企業)形態、事業の定義、経営形態等について講義する。次に会社の「戦略と組織」について、最後には、サプライ・チェーン・マネジメントやアウト・ソーシング等、最新の経営手法の具体的な事例分析に関する講義を行う。

  • 会計学概論

目標:企業会計の基本的なシステムを学ぶとともに、あらゆる組織への会計の適用可能性を理解する。内容:企業経営のプロセスを、資金の流れとして学ぶ。さらに、付加価値の形成、市場における価値の創造、収益の分配、および、稼得利益の意義を体系的に考察することによって、企業経営の本質を理解する。また、この学習を、複式簿記のシステム(簿記一巡の手続き)の理解と連動して行う。したがって、他人資本(負債)、自己資本(純資産)、資産、費用、収益という5つのグループの経営プロセス上での役割についても、それぞれのグループ内の勘定科目のレベルにまで、一定程度深化させて理解する。簿記システムの基礎的理解をめざし、簿記一巡の手続きについて学ぶ。

  • 社会学概論

社会学概論では、自我、家族、コミュニティ、階級・階層、国民国家、グローバル化、情報化など社会学の基本概念の理解を通じて、現代の日常生活を社会学的に理解する方法の修得をめざす。社会学を学習する上での困難のひとつは、社会が空気のような当たり前の存在に思われがちな点にあるが、この授業では、社会の歴史的な形成を明らかにすると同時に、社会の自明性や秩序を守るために私たちには何が求められているのか、という問題意識を身につけることも目標になる。

  • 社会学概論

社会学概論では、社会学概論での基本概念の理解を踏まえ、近年社会学の研究対象として定着した中・後期親子関係、教育システム、親密性、記憶、情報技術などのテーマについて、それぞれの研究分野の第一人者によるテキストの読解を通じて、社会学的想像力の定着をめざす。

  • 経済学概論

現代日本経済における諸問題を学ぶことによって、経済学への導入を図る。具体的には、まずバブル経済とその崩壊による平成不況の深刻化の課程を「不良債権処理の10年」として概観する。次に、ケーススタディとして、日本長期信用銀行の破綻、山一証券の自主廃業について検討する。そして、女性労働として雇用機会均等法と育児支援を取り上げるとともに、労働問題として過労死・過労自殺、ホームレス、派遣労働、ネットカフェ難民、派遣村などを取り上げる。これらの諸問題を、映像資料を活用して、イメージ豊かに学ぶ。

  • 経済学概論

戦後日本経済の歩みについて講義する。敗戦直後から、高度経済成長を経て、低成長経済に移行し、1980年代後半にバブル経済に突入するまでを、映像資料を活用してイメージ豊かに学ぶ。具体的には、特需景気、もはや戦後ではない、金の卵、エネルギ ー革命、所得倍増計画、公害、列島改造、ドルショックと石油シ ョック、日米経済摩擦、分割民営、バブル経済、プラザ合意、外国人労働者などを取り上げる。

人間と自然

【 健康・こころ・からだ 】
  • 健康に生きる

「健康」「生きる」「健康に生きる」について、政治、経済、文化、社会、教育、保健医療システム等、さまざまな視点から現象をとらえ、自分自身の健康に生きるについて考えることはもちろん、家族、コミュニティ、日本国内、世界の健康に生きるについても考える。

  • スポーツコース

ソフトバレーボールと6人制バレーボールを教材として基礎体力と技術のスキルアップを図り、またスポーツの必要性を学び、自己の健康管理や怪我なく楽しく運動するために最も必要なルールやマナーを身につける。同時にグループ(チーム)を通し、コミュニケーション・スキルの向上を図る。

  • スポーツコース

に引き続き、ソフトバレーボールと6人制バレーボールを教材として、さらに基礎体力と技術のスキルアップを図る。またあわせて、スポーツの必要性を学び、自己の健康管理や怪我なく楽しく運動するために最も必要なルールやマナーを身につける。同時にグループ(チーム)を通し、コミュニケーション・スキルの向上を図る。

【 自然と環境 】
  • 物理学基礎

物理学は、科学技術のベースとなる重要な分野であり、さまざまな自然現象を考えるうえで基礎的な学問となる。本科目では、力学や電磁気学、光の干渉・回折などの基本的な原理について正しい理解を得るとともに、日常的に目にする現象を物理学的に理解し説明する力を身につける。また、物理学が身近なものに応用されていることを理解し、物理学の原理とその意義について見識を深める。例えば、身近な家庭用機器や医療機器(電子レンジ、健康維持器具、AED、MRI等)などに応用されている電磁気現象の原理などを理解する。

  • 化学基礎

生活の中にある物質や現象を、化学的なものの見方や考え方で捉え、理解できるように基礎概念を解説する。原子の構造と結合、分子の形、物質の形態、溶液、化学反応などについて正しい理解を得るとともに、日常的に目にする物質や現象および、化学が身近に応用されていることを理解し説明する力を身につける。例えば、日常生活に関わる化学物質、例えば石油や原子力などのエネルギー源、金属やプラスチックなどの材料、薬品、医療品などについて触れ、応用されている原理とその意義を理解する。

  • 生物学基礎

生物学の中でも主にヒトに焦点を当てた生命科学、および関連する諸問題について概説する。生命現象を理解するために、細胞の構造と役割、細胞を構成する物質、エネルギー、遺伝学、DNA、発生と老化、脳の構造などから、食と健康、がん、感染と免疫などについても解説し、正しい理解を促進する。さらに、生命現象の科学的な解析、解明が急速に進展する現代において、生物学的な諸問題を正しく理解するため、遺伝子組換生物や再生医療、生態系と環境問題までの最新のトピックを交えて解説する。

  • 地球の環境と自然

政策と個々人の取り組みとの両面から、環境問題の解決に向けた取り組みについて考察する。環境問題を発生させ拡大させる社会的な要因について分析し、それらへの対応策について研究する。そして、個々の生活と環境問題の関係性について学び、さらに市民、NPO、行政、企業などの多様な主体が連携して進める持続可能な社会に向けた取り組みの現状と課題について学ぶ。

  • 生命と生態系

地球の誕生から現在に至るまでの地球と生物の歴史を学ぶ。そのなかでも特に、人類が進化・発展してきた第四紀と呼ぶ現代社会と密接に関係する時代を、人類の諸特徴とともに、氷河の消長、海水準変動、植生変遷などの古地理に係る変遷、および生物地理と人類の拡散などの事象を通して理解することを目標にする。これらは地層そのものと地層中に含まれる化石や考古遺物などの証拠に基づくものであるから、層序と地層の対比、地質学・堆積学の諸法則、化石の二面性、堆積と浸食、堆積構造と変形構造などの地層学の基礎事項の理解を図るとともに、現代生活にも係る火山噴火や地震、土石流などの地盤災害の事例と、その原因も合わせて学習する。

医療と心理

  • こころとからだの健康科学

健康科学部は「こころとからだの健康と臨床」を考究することをテーマとしている。いずれの学科も人間をこころとからだを併せ持つ存在としてホリスティックな視点から捉える考え方に立脚している。本科目では、「こころ」と「からだ」について、心理学、理学療法学、救急救命学の視点からそれぞれの教員が自身の学術研究や臨床経験の知をもとに講義する。

  • こころとからだの健康科学

健康科学部は「こころとからだの健康と臨床」を考究することをテーマとしている。いずれの学科も人間をこころとからだを併せ持つ存在としてホリスティックな視点から捉える考え方に立脚している。本科目では、「こころ」と「からだ」について、心理学、理学療法学、救急救命学の視点からそれぞれの教員が自身の学術研究や臨床経験の知をもとに講義する。

  • 医学概論

人類の歴史は「病いとの戦い」の歴史であるともいえる。例えば、伝染病との戦いはペストや天然痘には勝利したものの、エイズやインフルエンザといった新たな敵との戦いが引き起こされている。人類の生存をかけた戦いのなかで医学は生まれ、発展してきた。さらに、ライフスタイルの変化、人口の少子高齢化等の社会情勢の変化は生活習慣病などの新たな「病い」の発生の素地となっている。医学は新たな姿の敵との戦いを迎えている。こうした医学の歴史を振り返りながら、「医学の過去、現在、未来」について講義する。

  • 統計学基礎論

この科目では統計学そのものについて学ぶのではなく、統計法を利用して各分野(保健衛生学や心理学、教育学など)の研究を進める方法を学ぶことを目的とする。授業を通じて統計学の基礎を学び、身近なデータを読み取る力をつけ、また実際に受講生自身が研究を行う上で知識を活用できるよう、実践的な能力を身につけることをめざす。

  • 医療と生命の倫理

生命倫理学の基本原則を正しく理解し、現代の医療における倫理的諸問題を学ぶ。まず、患者の自律の尊重という生命倫学理学の基本原則と、これを達成するために不可欠なインフォームド・コンセントの原理について説明する。その後に、①出生前診断、人工妊娠中絶、生殖補助医療など人間の誕生にまつわる諸問題、②ターミナルケア、安楽死と尊厳死など人間の死にまつわる諸問題、③遺伝子診断と遺伝子治療、再生医療など先端的医療、④医療情報の保護について教授する。

  • 臨床心理学

医療を通じて人と関わるために必要な、臨床心理学の知識や考え方を身につけることを目的とする。いくつかの心理療法の基礎となる理論的枠組みと、さまざまな精神的障害に関する基本的な知識を学ぶ。そうした知識も当然重要であるが、それだけにとどまらず「臨床の知」としての思考力を身につける必要がある。「臨床の知」とは、客観的に眺め分析するのではなく、自分が現場にコミットして、相手との関係のなかで考えることといえる。理論だけではなく、それをバックボーンとして「自分が」どのように相手へ関わる存在になっていくのか、履修者それぞれが、主体的に考えられるようになることをめざしたい。

  • 健康心理学

心身の健康の維持増進や疾病の予防について、心理・社会・身体的な要因がどのような役割を持つのかを心理学的な側面から学ぶ。ストレス、ライフスタイル、生活習慣病、疾病予防、食物・嗜好品の摂取や運動などといった健康関連行動など、現代社会で問題になっている事柄について理解する。

キャリア科目

  • キャリア開発基礎講座

大学生活でも就職採用試験でも、そして社会に出てからも必要となる一般社会常識を学ぶ。獲得目標として、コミュニケーション能力の前提となる一般社会常識を学び、就職筆記試験対策だけでなく社会に順応できる力の養成をめざす。就職活動でよく実施される筆記試験の基礎内容を丁寧な解説で修得することをめざす。

  • 医療事務研究

病院の組織、業務、使命、各種の医療保険制度について解説の上、保険請求事務のしくみについて具体的に治療代を算定しながら学び、病院での医療事務の実際を知る。初診料や再診料、医学管理、在宅医療をはじめ、投薬・注射・処置・手術・輸血・麻酔などの病院の営みと医療事務者の業務との関連性および必要な知識について教授する。

  • 医療事務研究

医療事務研究 にて治療基準による算定方法およびカルテ記載上の治療内容を外来レセプト(診療報酬明細書)に置き換える技能を習得する。医療事務研究 では、現在医療社会で行われる治療行為全域について学習を進め、老人医療・公費負担医療からのレセプト演習、入院カルテからの入院レセプト演習を行う。また、良質な患者サービスの提供を重視する医療界の変化に対応し、患者接遇・院内コミュニケーションに関する知識・技能についても学習を進める。

  • キャリアコミュニケーション

「話す・聞く」技術を磨き、よいコミュニケーションのための話しことばの修得を目的とする。話しことばに欠かせない音声表現の知識と技術、人間関係を円滑にするための敬語表現のスキル、パブリックスピーキングに必要な筋道の立った話し方、正しい日本語の運用についての知識等の修得を、講義とワーク、トレーニングにより身につける。

  • キャリアコミュニケーション

社会人基礎力(コミュニケーション能力)を体得し、社会人としての準備を行う。適切なマナーをもとに、自信を持って自己アピールできるスキル、問題発見解決型人材を念頭においた社会が求めるヒューマンスキルなどの獲得をめざす。講座では、円滑なコミュニケーションからより有益な結果が生み出されることを理解し、効果的な自己アピールの修得や基本的なビジネスマナーのスキルをベースにしたコミュニケーション能力を高めるスキルを修得する。講座形式は、座学で得た知識をもとに実習・ワークショップ・発表を中心とした構成とし、体験を通して考え抜く力、前へ踏み出す力、チームワーク力(コミュニケーション力・自己アピール力)などのヒューマンスキルを身につけることをめざす。

  • 救急救命将来講座

救急救命士の主な就業先である公務員試験の受験を見すえた演習を集中的に行う。それにより文章理解や数的処理などの一般教養、自然科学、人文科学、法律、経済、政治など幅広い知識の修得と定着を図り、3年次以降の学修の基礎とする。学習を通じて、社会人としての教養はもとより、論理的思考力やコミュニケーション能力を身につける。具体的には、人文・社会分野において、政治と経済を中心とした領域の知識を学び、実際の公務員試験に出題される問題を演習する。また、数的処理分野においては、判断推理と数的推理を中心とした領域の論理的思考を学び、実際の公務員試験に出題される問題を演習する。

  • 救急救命将来講座

「救急救命将来講座 」における学習を基礎として、救急救命士の主な就業先である公務員試験の受験を見すえた発展的な演習を集中的に行う。それにより、文章理解や数的処理などの一般教養、自然科学、人文科学、法律、経済、政治など幅広い知識の修得と定着を図り、3年次以降の学修の基礎とする。また、この学習を通じて、社会人としての教養はもとより、論理的思考力やコミュニケーション能力も身につける。具体的には、数的処理分野において数的推理と判断推理を中心とした領域、人文・社会分野において政治、経済、社会を中心とした領域に関して、それぞれ発展的分野を取り扱う。

専門分野

基礎医学領域

  • 人体の構造と機能演習 (形態と構造)

医療分野における技術と専門知識を修得するために最も基礎となる人体を構成する正常な諸臓器の位置や形状、相互関係および内部構造について、演習形式で学習を展開する。人体の構造に関する学問は、観察方法により、肉眼解剖学、光学顕微鏡による組織学、電子顕微鏡による細胞学、および発生学の4つに区分され、それぞれが膨大な内容であるため、この授業では将来の臨床科学を担う実践者として必要な基礎知識に重点をおいて教授する。

  • 人体の構造と機能演習 (生体の諸器官の働き)

生命現象を主に機能的側面から演習形式を取り入れて教授する。授業では、人体の生体システムについて恒常性の維持や体組成、細胞などの視点から概説するとともに、呼吸器系、循環器系、消化器系などの臓器ごと、また血液・免疫系、神経系などについて、人体の正常な生理的機能に関する理解を深める。さらに、異常状態である病態生理についても解説する。

  • 病理学

病理学とは、病気がどうして起こり、その結果人の体組織がどう変化しているのかを、追究する学問である。本講義では、疾病の原因、経過、結果などについて概説し、正常状態との比較において病的状態について理解を深める。総論で全体的な視野から疾患の概念や仕組みを理解し、各論ではそれが各臓器・組織でどのような形態学的変化として現れるのかを教授する。

  • 公衆衛生

保健衛生の現況の把握と諸課題を理解する。本講義では、多くの要因から成る健康の成り立ちを生活レベルから理解し、人々の健康生活の保持や増進、疾病の予防、医療・福祉のために考え、行動できる基礎を養う。公衆衛生学は極めて包括的、学際的かつ集学的な学問体系であるため、関連した諸科学の学習が重要である。また、公衆衛生学には医学・医療の社会的適用という側面があるため、日常的に総合性、社会性、現実性、即時性を養うよう指導を行う。

  • 生化学・微生物学

生命現象を分子から解明する生化学分野では、健康を分子レベルで捉え、その維持と増進を図り栄養の役割を理解する上で必須の知識を講義する。タンパク質、糖質、脂質などの生体構成成分の構造と機能を説明し、生体内で起こる化学変化とエネルギー変換である代謝について理解を深める。また、微生物学分野では、通常肉眼では見えない微少かつ単純な生物である微生物の性質や機能を概説した後、感染症の発生機構とその予防、治療に関する基本的な知識を教授する。

  • 救急処置各論 (薬物と検査)

救急救命士が傷病者へ投与可能な薬剤に関して必要な知識について理解を深める。薬剤投与に必要な基礎知識および薬物の作用、吸収・代謝・排泄、薬剤の投与経路と方法などについて教授する。また、臨床検査に関わる多様な検査の種類について、その目的と方法について概説するとともに、胃機能検査、生理検査、感染症検査、および胸痛や中毒に係る臨床検査などの具体的検査について講義する。さらに、放射線とその障害についても解説する。

救急医学領域

  • 救急救命学総論 (救急救命士の使命)

救急救命士の業務遂行には、その社会的使命の理解や救急医療制度の理解、そして救急医学を中心とした医学全般の知識が必要となる。本講義では、救急救命の歴史や現代の救急医療について概観し、救急救命士の業務を担保する科学的思考の基礎知識や人間の体、心、くらしへの理解を深める。さらに、救急救命士の行う応急処置と種類、代表的な処置としての心肺蘇生法までを教授し、一連の講義を通して、職業としての救急救命士の具体的なイメージを持てるようにする。

  • 救急救命関係法規

まず、法の基礎知識をしっかりと学ぶ。具体的には、法の定義、法と道徳の関係、法源論、法の解釈、法の分類、法の効力、裁判所の組織などを学ぶ。その後、個別の法領域に入り、救急救命士法、医師法、保健師助産師看護師法、医療法、その他の法令の理解を深める。また、将来、救急救命士の資格を活かすためには、消防に入り消防吏員などになる必要があるので、消防法、地方公務員法、国家賠償法などについても学習する。

  • 救急救命見学実習

救急救命士としての視野を広げ、実践力を養うため、救急救命機関としての消防機関や医療機関などで見学を中心とした実習を行う。救急救命に関わる各機関の組織や機能などさまざまな観点から理解を深め、救急救命活動を学ぶことで、より高度な実践力を身につける意識や態度を醸成する。

  • 救急救命実習

一次救命処置の理論と基本的実技、および傷病者観察用資器材を用いた救急救命処置等の理論・技術について具体的な実習を通じて習得する。実習では、聴診器、血圧計・パルスオキシメータ、心電図モニター、呼吸管理用資器材などの取り扱い要領や測定法を教授する。また、近隣地域の介護保険施設の協力のもと、医療人としての自覚や対人対応力、コミュニケーション能力を涵養するためにコミュニケーション実習を実施する。

  • 救急疾病 (循環系、呼吸系等)

循環器系、呼吸器系などの救急疾病について主な疾患を取り上げて、その特徴と応急処置などを学ぶ。循環器系は、心不全、虚血性疾患、不整脈、先天性心疾患、心筋疾患などを取り上げ、その特徴と応急処置を解説する。また、呼吸器系は、呼吸不全、呼吸器感染症、気管支喘息、肺炎、肺血管疾患、その他の疾患の病態、診断、処置などを教授する。さらに、内分泌系・代謝系の病因・病態生理、症状、悪化防止、生命の危険回避をするために必要な救急処置の知識・技能、観察の方法と意義(重傷度、全身・局所の観察、各種病状の観察)、検査なども教授する。

  • 救急疾病 (神経系、消化系等)

中枢神経の感染症や疾患、末梢神経に関する疾患などを教授する。また、消化器系の疾患に係る症候、すなわち腹痛、吐下血、血尿、嘔吐・下痢、歯痛などの観察と判断および処置の知識を教授する。さらに病因・病態生理、症状、悪化防止、生命の危険回避をするために必要な救急処置の知識・技能、観察の方法と意義(重傷度、全身・局所の観察、各種病状の観察)、検査などについて教授する。加えて、造血器、末梢血の解剖生理と血液疾患についても理解を深めるほか、感染症についても説明する。

  • 救急病態生理学 (循環系、呼吸系等)

病態生理学とは、人体の器官などが異常や不全を起こすことによって起こる生体機能の変化に着目する医学領域である。本講義では、循環器系および呼吸器系の疾患を中心に、その構造と機能、観察と診断法、疾患に応じた症状の特徴、さらに応急処置と搬送法について教授する。また関連して、呼吸困難、喀血、発熱、胸痛、動悸・不整脈などの症候や、高齢者に特有の疾患についても、その原因と病態、観察・判断応急処置と搬送までを講義する。

  • 救急病態生理学 (神経系、各種ショック等)

「救急病態生理学 」に引き続き、生体機能の変化に着目して各種疾患等について教授する。本講義では、前半に神経系の重症病態、後半に各種ショックについて取り上げる。重症病態および各種ショックでは、関連臓器の構造と機能、観察と診断法、症状の特徴、応急処置および搬送法について教授する。

  • 救急外傷医学 (外傷総論、頭部・体幹外傷)

救急医療のうち、特に外傷救急医学について教授する。外傷とは機械的外力により身体が形態的、機能的に障害を被ることを言うが、損傷の種類や緊急度の評価により適切な処置を施す必要がある。そのために本講義では、外傷を引き起こす原因・メカニズム(受傷機転)を教授するととももに、複数以上の部位に一定以上の重症度を有する外傷(多発外傷)の特徴や病態・症状およびその観察や応急処置などについて理解を深める。

  • 救急外傷医学 (運動器外傷、熱傷等)

「救急外傷学 」に引き続き、救急医療のうち、特に外傷救急医学について教授する。本講義では、骨盤、四肢、軟部組織の外傷について、病態生理と観察と判断法を教授する。また、外傷の形態や外傷に対する反応において成人と異なる小児・高齢者・妊婦の外傷の特徴にも言及する。熱傷、化学損傷、電撃傷、縊頚、刺咬症など特殊な損傷の発生機序と病態、さらにそれぞれの外傷の特徴について理解を深める。

  • 救急救命学総論 (病院前医療)

救急医療においては、医療機関での受診を待たず、少しでも発症時にさかのぼって医療が開始されなければならない。また、救急現場での観察・応急処置と病院内での診断治療が、一貫して傷病者に提供される救急医療体制をつくることが必要である。このようなプレホスピタルケアの中心的な担い手である消防隊員としての救急救命士の役割と責務について教授する。さらに、病院前救護の質を管理する事後検証についても概説する。加えて、通常の救急医療体制での対応が困難となる災害発生時の、組織的な救命救急医療について理解を深める。

  • 救急処置各論 (傷病者観察)

救急救命士として必要な傷病者観察について、観察の方法などを習得し、観察所見から考える病態、病状を理解することにより、救急現場での傷病判断の基礎を身につける。具体的には、外見や呼吸、循環、神経などの全身状態の観察、皮膚や頭部・顔面・頸部、胸部、腹部、四肢など局所の観察の方法に加え、パルスオキシメータや聴診器、血圧計などの資器材による観察の方法についても教授する。

  • 救急救命実習

救急救命士として職務遂行にあたり、1年次に習得した基本行動要領を基礎とした救急救命行為を用いた救急隊活動を行うために必要な基本処置および技術を理解し習得する。具体的には、CPA対応活動や基本外傷処置についてさらに理解を深めた上で、想定シナリオに基づいた実習を行う。また、救急救命士の業務拡大に伴う静脈路確保や気管挿管に関して、基本手技を身につける。さらに、4年生との合同実習により、身につけるべき技術水準を確認するとともに、「救急救命実習 」に引き続き、介護老人保健施設でのコミュニケーション実習を実施する。

  • 臨床病態学

これまでに学んだ救急医学に関する知識をもとに、さらに発展的な救急疾患・外傷などにおける病態の理解を促進する。この講義では、学会などから発出されている関連した最新の診療ガイドラインや指針、論文類を取り上げ、教科書にない新たな救急に関する内容について学習する。さらに、新たに出された消防庁や厚生労働省からの通達などについても学習を深める。

  • 救急症候学 (胸部疾患、腹部疾患等)

プレホスピタルの主体は観察・判断・処置で構成されているが、本講義では、胸部疾患に関して、様々な症候に関して教授する。特に傷病者観察、鑑別診断学の領域について教授し、この分野の実践能力向上のために、判断・処置の知識の整理を行い、理解を深める。胸部の疾患について、胸痛・動悸・不整脈などに係る症候と心肺停止との関係、その観察と判断および処置の知識を教授する。腹部疾患においては、腹痛、吐血・下血、腰痛・背部痛、体温上昇などの観察と判断および処置の知識を教授する。あわせて一般的な体温上昇の観察と判断や、在宅療法中の傷病者の処置に関する知識も教授する。

  • 救急症候学 (神経疾患、呼吸器疾患等)

「救急症候学 」に引き続き、本講義では神経疾患・呼吸器疾患における様々な症候に関して教授する。特に傷病者観察、鑑別診断学の領域について教授し、この分野の実践能力向上のために、判断・処置の知識の整理を行い、理解を深める。神経疾患においては、意識障害・頭痛・痙攣・運動麻痺・めまいなどの症候を取り上げる。また、呼吸器疾患においては呼吸困難・喀血を取り上げる。

  • 救急疾病 (筋・骨格系、泌尿・生殖系等)

「救急疾病 Ⅰ・ Ⅱ」に引き続いて、筋・骨格系、泌尿・生殖系に加え、感覚器系、皮膚系等について教授する。これらの各系の主な救急疾患を取り上げて、その特徴と症候、応急処置などを学ぶ。具体的に、筋・骨格系では急性腰痛症、椎間板ヘルニア、横紋筋融解症などを、泌尿・生殖系では急性・慢性腎不全、尿路結石症、子宮筋腫、精索捻転症などを、感覚器系では急性緑内障発作、メニエール病、急性副鼻腔炎などを、皮膚系では壊死性筋膜炎、重症薬疹などを取り上げる。それらに加えて、高齢者に特有な疾患についても教授する。

  • 急性中毒学・環境障害

急性中毒、および温度異常、圧力などによる損傷など環境により人体に影響を与える救急の病態について理解を深める。また、放射線についての基礎知識を概説するとともに、放射線事故による放射線被爆と障害について説明し、その対応について教授する。

  • 小児科学

小児は成人を単に小型化したものではない。その生理は成人と大きく異なっている。小児とは人の一生のなかで成長と発達を続けている時期にあるものを言う。小児は出生前期、新生児期、乳児期、幼児期、学童期、思春期に分類されているので、それぞれの疾病について概説する。

  • 精神医学

近年精神科医療と福祉は、新規抗精神病薬の開発、入院中心から地域生活への転換等により大きな転換点を迎えている。精神障害がメディアで報じられることも多く、障害に対するタブー視も減じているが、一方で差別・偏見が根強く社会に残されているのも現状である。本講義では、基本的な精神疾患の病理、診断、治療、リハビリテーションについて概説するとともに、専門職をめざす者として精神障害者を全人的に理解することに主眼をおく。特に精神科救急、災害現場で遭遇する疾患、病態について理解を深める。

  • 産婦人科学

救急救命士に必要な臨床産科学および婦人科学を教授する。具体的には、妊娠期・分娩期・産褥期の女性と胎児・新生児の正常な状態と病態を学ぶ。また、救急搬送時に必要となる病歴の聴取方法、観察項目・方法、対処方法について理解を深める。その上で、医療機関の選定や搬送時に注意すべき事項などについても教授する。

  • 救急救命災害演習

頻発する日本や外国の自然災害や局地的災害を事例として、発災直後からの行動と避難所での活動を効果的・効率的に実践可能にするために災害対応における知識と共通の言語・概念の組織的な対応を演習や実習を取り入れて学ぶ。CSCA-TTTを理解し、説明・実践できるようにする。また、被災者の生命と健康の維持、災害発生直後からの被災地内での災害対応能力向上を体得させる。

  • 救急救命同乗実習

近隣地域の消防署の協力の下、消防機関の救急活動に参加、救急自動車に同乗し、実習を行う。具体的には出動、現揚活動、搬送、医療機関引き継ぎまでの総合的な実習を行う。また、救急自動車内で各種救急事故における対応(活動)要領についての技術を体得させる。

  • 救急救命病院実習

救急救命士としての実践力を高めるためには、医療の現場を正しく理解し、実際の患者に接しながら、病状、病態等について医師やコ・メディカルスタッフから具体的指導を受け、観察・判断能力を高めることが必要である。このため、近隣地域の病院の協力を得て、病院での実習を行う。

  • 救急救命実習

「救急救命実習 Ⅰ・ Ⅱ」で学修した一次救命処置・搬送法、救急資器財の取り扱いなどの実践と理論を統合し、各種プロトコールに則った救急救命処置要領、救急現場活動の活動要領、各部位別病態別症例での観察・処置等の対応を段階的シミュレーションにより実施し、総合的な実践力を身につける。前期は静脈路確保、薬剤投与、気道確保、気管挿管、CPA、病院内でのCPAなどへの対応、後期は胸部痛、腰背部痛、呼吸困難、神経感覚系、頭蓋内病変、意識消失などの病態別対応について、実習を通して理解していく。

  • 救急救命実習

これまでの各実習を通して学修した救急救命活動実践を総括し、救急救命士としての自覚を確かなものとする。また、各種高度シミュレーターを用いて、さまざまな現場を想定した実践的な実習により、救急救命士としての総合的な観察・処置技術を習得するとともに、一連の救急救命活動を自律的に遂行できる総合的な実践力を養う。具体的には、心肺停止、神経系、呼吸器系、循環器系、消化器系、泌尿・生殖系、外傷、精神障害・中毒、環境障害、分娩・産婦人科系、内分泌・代謝系、意識消失といった症例対応のシミュレーション実習を実施し、さらに終盤には総合シミュレーションを実施する。

専門関連科目

  • 救急救命海外実習

救急救命士としての視野を広げ、実践力を養うため、海外の消防(救急)の実際を視察するとともに、現地のパラメディックスクールでの講義履修などにより技術の習得を行う。日本の救急救命機関での事前学習を行い、海外の救急救命事情について日本との比較の観点から理解を深め、先進地の救急救命活動にを学ぶことで、より高度な実践力を身につける。

  • 危機管理論

頻発する日本や外国の自然災害を事例として、予想外の様々な要因による危機への組織的な対応を学ぶ。危機管理のプロセスと体制を、災害対策基本法を例に学習し、自然災害への対応を基礎としながら、どのような要因による危機にも対応できる危機管理体制とは何かについて考える。

  • 公安職研究

消防官・警察官・海上保安官・自衛官などの公安系の公務員に求められる専門知識の獲得と自らの職業観の育成・開発のために、各職種の仕事内容について講義や講演を通して学ぶ。公務員の一形態としての公安職の特徴と、公安職に求められる知識や能力について講義を通じて学ぶとともに、消防官・警察官・海上保安官・自衛官など具体的な職種の業務について、現役者等の講演などを通じて深く理解する。

  • 救急医学英語

わが国を訪れる外国人が増加している。また、災害対応などにより海外へ派遣される機会も想定される。この授業では、災害・救急医療などで必要な英語の習得を目標にしつつ、まずは人体の構造・機能や疾患に関する平易な英語の文章を理解できるようにする。また、後半は英語による医学文献の読解力を養う。これにより、救急・災害現場で活用できる英語、および大学院進学をめざすための英語の基礎的力を養成する。

  • 医療政策経済論

医療経済学の基本的な考え方を学習する。まず、社会における医療経済思想の展開に関して、健康の価値試算および公衆衛生と保健投資論、社会保障の制度設計から、福祉国家の成立と展開までを学習する。さらに医療経済学の基礎として、医療費とその増加要因や医療需要の分析、SID仮説、市場の失敗、マネジドケア、医療制度などを学習する。医療の経済評価の論点にも言及し、便益と効用の測定、経済効果と公平、健康格差の問題の学習および医療関連産業の経済分析を行う。

  • 公共政策論

公共政策とは、一個人や一企業を越えた多くの人に関わる公共的問題の解決策のことを言う。本講義では、公共政策のなかでも、消防などに関する公共政策として、自然災害からの復興と政策形成はもちろん、公共政策と統計(証拠に基づく政策をめぐって)、社会保障と税の一体改革、少子高齢化対策、地方消滅と地方創生などについても学んでいく。

総合演習

  • アカデミックスキルズ

大学で学修するための基本的な態度(主体的な学習姿勢やマナーなど)と学習能力(読み方、書き方、文献の探し方、意見のまとめ方及び発表の仕方など)を身につける。それとともに、救急救命士として働くために必要となる社会に関する基礎的な知識、即ち、日本国憲法や戦後の政治の変遷など、現代社会に関する知識を演習形式で修得し、あわせて法律、政治、行政、国際関係などの重要な問題や時事問題について文献を読解したうえでレポートを作成する。これにより、論理的思考力を涵養する。

  • アカデミックスキルズ

救急救命士として活躍するために必要となる幅広い知識と深い教養を修得しながら、より高度なテーマについても論理的に考える能力、文章等で表現する力を修得するとともにプレゼンテーション能力も発展させる。この授業では、人権、経済、財政、社会、福祉、環境などに関する知識を修得するとともに、学習した内容から関心のあるテーマを選び、情報を収集し、意見をまとめて発表を行う。また、学習内容をレポートとしてまとめる。これにより、課題発見や課題研究に向けた準備の一環とする。

  • 課題発見演習

「アカデミックスキルズ Ⅰ・ Ⅱ」で学んだ論理的思考力、文章作成能力、プレゼンテーション能力などをさらに発展させ、問題発見能力、課題解決能力を養成する。この演習は、グループ学習を中心に演習形式で進行する。各グループは、政治・行政、経済、社会、国際関係などの現代社会の問題について、情報を収集し、グループ討議を行い、まとめた内容についてプレゼンテーションを行う。また、学生一人ひとりは、グループで取り上げた課題のうち1つについて、自らの考えや課題意識をまとめたレポートを作成する。

  • 救急救命研究法

研究指導教員による少人数の演習形式により、救急救命学に関する研究能力を身につける。研究方法やデータ処理法などとともに、実際の論文の作成までのプロセスと方法について学習する。学生各々の興味や課題意識をもとに4年次の卒業研究に向けて、その足がかりとなる実施計画案を策定する。研究の目的と意義づけ、先行研究のレビュー、その課題を明らかにする方法(対象、手順、倫理的配慮)等、研究を進めるため研究計画を立案する。

  • 課題研究

4年間の集大成として、学生自ら設定した課題についてレポートを作成するとともに、4年間の学修記録をまとめ提出する。前半は、救急医療や災害救助など学科の学びに即した内容で、グループ学習を進め、情報収集、グループ討議、プレゼンテーションを行う。後半は、担当教員の指導を受けつつ、学生一人ひとりが設定した救急救命や災害救助などに関するテーマについて、課題への解決策を提示するレポートをまとめる。課題レポートを完成させることを通じて、将来、救急救命士として、また一社会人として自ら主体的に考え、課題を解決するために行動する力を養う。

  • 卒業研究

4年間の集大成として、担当教員の指導を受けながら、学生自らが設定したテーマに基づいて、卒業論文を完成させる。具体的には、1~3年次に講義や実習で習得してきた知識や技術、および「救急救命研究法」で策定した研究計画をもとに、データ・資料を収集・分析し、先行論文を渉猟して、論文を作成する。卒業論文を完成させることを通じて、将来、救急救命士として、また一社会人として自ら主体的に考え、課題を解決するために行動する力を養う。

  • 救急救命総合演習

演習形式により、学内実習や臨地での実習において深化・統合させてきた基礎医学、臨床医学、救急救命学に関する知識・技術の定着を図ることを目的とする。これにより、国家試験レベルの基礎的知識を確実に身につける。また、臨地での実習を通じて身につけた知識・技術、その他のさまざまな現場の情報を学生同士が共有することにより、卒業後、救急救命士として働くための責任感や態度も合わせて育成する。

キャリア開発演習

  • 救急救命キャリア開発演習

将来、救急救命士として働くために必要となる論理的思考力や数的思考力を高めるための演習に取り組み、あわせて、学生としての真摯な態度とより高い学習能力を身につける。数学的な思考に関する幅広い知識の修得をはかるとともに、新聞報道等で用いられる統計資料等を用いながら、数的な思考力を身につける。

  • 救急救命キャリア開発演習

将来、救急救命士として活動するために必要となる知識を増やし教養を高めながら、「救急救命キャリア開発演習 」に続き、より専門的な内容についても知識を応用できる力を身につける。この授業では、数学に関するより高度な知識を演習形式で修得するとともに、社会で用いられる専門的な統計資料等を用いながら、数的な物の見方や論理的思考力、表現力を養う。

  • 救急救命キャリア開発演習

救急救命士の主たる活躍の場であり、就職先である地方公務員の採用試験突破を目標に、一般教養から社会・人文科学および時事問題等までの理解をめざす。公務員試験でも頻出問題である政治、経済、現代文、判断空間、数的資料について、演習を繰り返す。

  • 救急救命キャリア開発演習

「救急救命キャリア開発演 」と並行して開講し、救急救命士の主たる活躍の場であり、就職先である地方公務員の採用試験突破のための理解を深める。この授業では、数学および理科(生物、化学、物理、地学)の分野に関し、演習形式で知識の習得と定着をめざす。

  • 救急救命キャリア開発演習

救急救命士の資格を活かすためには、消防吏員など地方公務員になる必要がある。そこで、救急救命士及び公務員として、幅広い知識と深い教養、さらに専門的な知識を修得するために、演習形式で授業を行う。具体的には、憲法、人権、法律、政治、行政、国際関係、経済、社会、福祉、環境それに自然災害などに関する広範な内容を教授し、課題発見や課題研究、卒業研究に向けた基礎知識を確保する。

  • 救急救命キャリア開発演習

3回生までに行ってきた救急救命士に関する公務員試験対策について、総仕上げとして、演習を繰り返し、知識の定着を図る。この授業では、特に受講生が苦手とする数的資料、判断空間に関する内容を重点的に取り上げる。

ポータルサイト配信の確認を習慣に

学生のみなさんに対する連絡は、ポータルサイトへの配信によって行います。
配信されたものについては各自確認されたものとして取り扱いますので、毎日の習慣として必ず内容を確認するようにしてください。

【ポータルサイトの利用方法】
『 在学生の方へ 』のページからポータル(ユニパ)をご確認ください。