【 第9章 2024年度生用 教育課程(学部別)】
発達教育学部 児童教育学科
幼児教育コース

1. コースの特徴

幼児教育コースは、主として保育士と幼稚園教諭を養成します。両者は資格としては異なりますが、どちらも(乳児あるいは)幼児という、人間としての基礎を形づくる重要な時期を理解し、それにふさわしい保育を行うという共通性を持っています。したがって本コースでは、保育士資格ならびに幼稚園教諭1種免許状の両方を取得することを基本とし、豊かな教養と高い専門性を身につけた人材を養成します。

(1)保育士をめざす場合

保育士が保育をする子どもの対象年齢は広く、保育所では0歳児から就学前まで(その他の児童福祉施設では18歳まで)含まれます。したがって、子どもの発達について幅広く理解することが求められます。また、子どもの生活全体を理解し、長い保育時間にふさわしい保育のあり方を構成する視点が必要です。幼稚園教諭の項に加えて、以下のことを重視し、保育士としての専門性を高めます。

  • 乳幼児を理解する知識と技術を習得する
    乳幼児を理解するには、乳幼児の発達のみちすじについての知識がまず必要である。さらに、乳幼児を取り巻く社会環境、生活環境の知識も必要となる。カリキュラムでは、乳幼児の発達や学習に関する知識を学ぶと共に、乳幼児を取り巻く親子関係、仲間関係、対人関係などの人間関係のありようを理解し、個々の乳幼児の発達課題を理解し、それを支援できる技術力を育成する。
  • 保護者とのパートナーシップのもとに子育て支援を行う力を身につける
    乳幼児の発する一言や表現に心動かされる豊かな感性、乳幼児観察から得られる小さな気づきを保育の見直しにいかす積極性などをもとに保育計画を立て、保護者とのパートナーシップのもとに子育て支援を行う力を身につける。さらに、乳幼児とのコミュニケーション能力ばかりでなく、保護者や家族とコミュニケーションすることのできる能力も身につける。
  • 乳幼児の最善の利益を追求し、プライバシーを保護する倫理観と方法を身につける
    一人ひとりの乳幼児をかけがえのない存在としてとらえ、乳幼児の最善の利益を追求し、乳幼児の発達保障、保護者との協力協同の関係づくり、関連するプライバシーの保護などを行える保育士としての技能を身につけ倫理観を発達させる。
(2)幼稚園教諭をめざす場合

幼稚園教育では、基本的な生活習慣を身につけるとともに、人間的情感、生きる意欲、人と関わる楽しさを身につけ、感性においても知性においても、さらに社会性を身につける領域においても、適切で充実した意図的で系統的な働きかけである教育が行われます。この時期の教育は、人間の人格形成と能力発達においてきわめて大きな意義を持ちます。そのため、本学科の幼稚園教諭の養成においては以下のことを重視し、幼児を総合的に理解し、その発達を援助できる人材を養成します。

  • 幼児を総合的に理解する力を身につける
    言語や数認識の発達を個別的要素的に評価して、その個別的データにのみ依拠してその幼児を理解してはいけない。幼児をひとりの人間として、同時に発達可能体としてとらえ、総合的に理解しようとすることが大切である。そのような理解の過程で幼児の全人的発達を支援できる。そのような幼児を総合的に理解する力を身につける。
  • 幼児を生育環境の中で深く理解できる力を身につける
    幼児教育では、幼児の生育歴や生育環境の理解が大切である。それらを知ることを単に情報の豊富化としてとらえるのではなく、暖かな共感的まなざしの中で、働きかけの土壌として理解できる教員となれるよう研鑽を行う。
  • 幼児をよりよく理解するための姿勢・態度を培う
    明るく笑顔で日々幼児と接することができることは幼稚園教諭として大切なことである。これができるためには幼児の発達課題を理論的に深く把握するとともに、一人ひとりの成長によりそい、きめ細かな支援を行おうとする姿勢や態度が必要である。児童教育学科の教育ではこのような姿勢や態度を育てる。
  • 専門家としての教師集団を自覚的に形成できる力を育成する
    少子化、核家族化、都市化、情報化といった社会の変化の中で、幼児の生活も変化している。自然の中の遊びは少なくなり、テレビやコンピュータ・ゲームなどの室内遊びが増えている。こういった状況の下での幼児教育は、一人の教員の個別的努力だけで進むものではない。幼稚園のうちそとにおける協力協同が必要であり、教師は幼児教育の専門家として集団的にそのリーダーシップを取らなくてはならない。そのような指導力、組織力を身につける。

2. 各回生の到達目標

下の表は、各学科・コース別に、専門教育科目の獲得目標を一覧化したものです。その後に続く、学科・コースのカリキュラム表と併せ、受講登録はもちろん、4年間でどのような学力を身につけ卒業に向かうのか、計画を立てる際に参考にしてください。

ディプロマ・ポリシー(DP)

  • ① 小学校教員・保育者として必要とされる基礎的な知識や考え方を身につけている。
  • ② 子どもが育つ道筋を理解し、子どもに働きかける力を身につけている。
  • ③ 人間の尊厳への敬意を払い、相手の気持ちや考えを尊重する態度を身につけている。
  • ④ 多様な背景を持つ人々を受け入れ、他者と協働する力を身につけている。
  • ⑤ 専門的な知識に基づき自ら問題を発見し、解決する力を身につけている。
1回生
  • ① 大学での学習を深めるためのアカデミックスキルを身につける。
  • ② 保育に関する課題に関心をもち、大学での学習を主体的に取り組む態度を育てる。
  • ③ 保育現場における乳幼児の観察を通して、子ども理解を深めると同時に保育者の役割を知る。
2回生
  • ① PBL学習を通して自分の考えを整理し、論理的に表現することができる。
  • ② 保育に関する基礎的な知識を習得し、その知識に基づいて保育実践を構想することのできる能力を育てる。
  • ③ 保育現場における体験的な学習を通して、保育の現状や問題を知り、それらの課題を探究することができる。
3回生
  • ① 保育に関する専門的な知識を習得し、保育を構想・実践し、振り返ることのできる能力を育てる。
  • ② 子どもを取り巻く家庭、地域、社会の実際についての理解を深める。
  • ③ 子どもと子どもを取り巻く人々を支援することのできる専門的な知識と技能を育てる。
4回生
  • ① 保育や人間発達に関する課題を見つけ、その課題を理論的に探求し、自分自身の考えを論理的に述べることのできる能力を育てる。
  • ② 現代社会における保育の課題を踏まえ、保育者として、社会人として学び続ける態度を育てる。
  • ③ 保育などの現場と関わる中で、保育者や社会人としてふさわしい人間性と資質を磨く。

ディプロマ・ポリシー(DP)

3. 履修条件

本学では、系統的で継続性のある効果的な学修を実現することを目的として、一部の科目に履修条件(履修制限)を設定しています。

(1)幼稚園での実習について
「教育実習指導(幼稚園)」「教育実習」の履修条件

幼稚園への教育実習を希望する学生は、以下の15科目のうち、原則として8科目以上を修得済みであること。

対象科目
「教職入門」「教育原論」「教育心理学」「教育制度論」 「保育内容演習(健康)」「保育内容演習(健康)」 「保育内容演習(人間関係)」「保育内容演習(人間関係)」 「保育内容演習(環境)」「保育内容演習(環境)」 「保育内容演習(表現)」「保育内容演習(表現)」 「幼児体育指導法 」「幼児体育指導法 」 「こども理解 (幼児)」
(2)保育実習について
「保育実習 -1」「保育実習 -2」の履修条件

以下の6科目のうち、原則として4科目以上を修得済みであること。

対象科目
「社会福祉」「保育原理」「教職入門」「教育原論」「保育の心理学」「子どもの保健」
「保育実習 」「保育実習 」の履修条件

以下の①、②の要件を満たすこと。

  • ①「保育実習 -1」「保育実習 -2」 および「保育実習指導 -1」「保育実習指導 -2」 「保育実習指導 」を履修済みであること。
  • ②以下の13科目のうち、原則として8科目以上を修得済みであること。
対象科目
「子ども家庭支援の心理学」「子どもの理解と援助」「子ども家庭福祉」「社会的養護 」「子どもの健康と安全」「子どもの食と栄養」「保育内容演習(環境)」「保育内容演習(表現)」「保育内容演習(健康)」「保育内容演習(人間関係)」「幼児体育指導法 」「乳児保育 」「乳児保育

4. 取得できる免許・資格

幼児教育コース

ポータルサイト配信の確認を習慣に

学生のみなさんに対する連絡は、ポータルサイトへの配信によって行います。
配信されたものについては各自確認されたものとして取り扱いますので、毎日の習慣として必ず内容を確認するようにしてください。

【ポータルサイトの利用方法】
『 在学生の方へ 』のページからポータル(ユニパ)をご確認ください。