ポータルサイト配信の確認を習慣に
学生のみなさんに対する連絡は、ポータルサイトへの配信によって行います。
配信されたものについては各自確認されたものとして取り扱いますので、毎日の習慣として必ず内容を確認するようにしてください。
- 【ポータルサイトの利用方法】
- 『 在学生の方へ 』のページからポータル(ユニパ)をご確認ください。
基礎科目
心理学では、他者とどのようにコミュニケーションを取るかは最も重要な課題の一つと考えられる。英語の学習は、国際化が進んでいる現代社会における英語の役割や必要性を認識すると同時に、 English Communication の基礎を学習することを通じて、学生がもう一度自分の母語を見つめ直すよい機会にもなる。「English Communication Ⅰ」では、DVD教材を使用しながら、学生の日常生活上で実際に役に立つlisteningやspeakingの基礎能力を育成することを目標とする。言葉のみの学習だけでなく、DVD教材が可能にする登場人物の心理状況を読み取るような練習や日本人と異なる表現方法も学ぶ。
「English Communication Ⅱ」では、学生は「English Communication Ⅰ」で学んだ内容を復習しつつ、新たに日常生活の場面に欠かせない英語を積み上げることをめざす。「English Communication Ⅰ」とは別のDVD教材を導入し、学生の実践的な英語運営能力をさらに向上させる。「English Communication Ⅱ」を終えた時点で、受講生が、例えば海外旅行先、もしくはホームスティ先で日常生活に困らない程度の英語表現を使いこなすことを目標とする。同時に、心理学を専攻にしている者として注目すべき英語の「内面的な様子」や「考え方」を理解できるように学習する。
すでに英語コミュニケーションに関する基礎知識が身についた学生が受講するクラスが「English Communication Ⅲ」である。「English Communication Ⅲ」では、特にlistening の内容を重視しながら、より高度な英語理解力を磨き上げることを目標にする。DVD教材の登場人物の「語り」を通じて、さまざまな人間がもつ「性格」や「感性」、「感情」と「考え方」などを分析し、学生が自分の「内面」を英語で表現できるように学習する。学生は自分の意見や気持ちを英語で述べることができるようになることが「English Communication Ⅲ」の目標である。授業では、具体的な表現(is, was, canなど)だけではなく、仮定法を含めたより繊細な表現(might, should, couldbeなど)も学ぶ。
将来、心理学分野の英語論文を読みこなすことができる基礎力を形成するために、Academic Reading(学術的な文書を読むこと)の方法を知り、これを身につけることとさまざまな学術分野で共通して頻繁に用いられる語彙(Academic Words)や表現パターンを習得することをめざす。具体的には、毎回、心理学を含む多彩な学術分野に関連する平易な文章を読み、これを通して、 Academic words や時系列・因果関係といった典型的な文章構成のスキーマを学習する。また、センテンス・レベルの英作文を通して、高校文法を復習する。
本講義では「English Literacy Ⅰ」で学んだAcademic Readingの知識を用いて、心理学分野のさまざまなトピックを短くまとめた文章を読んでいく。これにより、文章スキーマから全体を統合的に理解する実践的な能力を養成し、同時に、Academic Wordsや心理学で用いられる用語の学習と定着を図る。また、学術的な文書作成の導入として、心理学の文献に見られる典型的な文章の視点を変えた再生等の作文課題を与える。
昨今、多くのハードカバーの英語出版物は少し待てば翻訳で読めるようになってきた。しかし、学術誌の最新の論文については、翻訳がすぐに手に入るわけではない。そこで、本講座では、必修のEnglish Literacy Ⅰ - Ⅱを履修した学生が卒業論文作成に向けて英語で心理学の学術論文を読めるようになるためのAcademic Readingの能力のさらなる高度化を目標にする。テキストは、大学生にとって身近な心理的問題を扱った比較的平易な原書の抜粋から始め、次第に難易度を高める。また、取り上げたトピックに対して短い意見を書くといった活動を通して発信能力を養成する。
中国語の発音と文法の基礎を身につけるため、数字、人称代名詞、名詞、動詞の文、疑問文、疑問詞、形容詞の文、助数詞、時間、年月日、時刻、前置詞の表現などの各種の練習をする。
中国語のさまざまな基本短文を作ることができるように、変化、完了、進行、持続、経験を表す表現、助動詞、補語、比較形、受身と使役などの表現方法を学ぶ。
現代の情報化社会に必須であるコンピュータやネットワークに関する基礎的知識の理解と、文書作成、表計算、プレゼンテーションのソフトウェアを活用する技能を、演習を通して習得する。具体的には、Officeソフトを通じ、身近な素材を元に文書ソフトではレポート作成、表計算ソフトではグラフ作成や数値分析、プレゼンテーションソフトではスライド作成といった実践力と応用力を養うとともに、情報社会におけるさまざまな危険を防ぐための知識、情報を扱ううえでのマナーを身につける。
社会全般の情報化が進み、道具であるパソコンがより便利に使いやすく進歩していくなかで、使い手である我々には、それらに関する知識だけでなく、情報そのものを使いこなすことが求められている。本科目では、社会で求められている情報活用の基礎力を体系化し、どうやって効果的に情報を活用するかを演習を通して学習する。具体的には、一連の情報プロセス(収集、分析、整理・保管、表現、運用)の意味を理解し、データや情報を適切に処理・活用できる力を身につける。
実社会において人工知能(AI)が活用される機会は大きくなってきている。日常生活のなかで、あるいは職業生活のなかでAIを活用するにあたり、その仕組みやAIを使ってできることとその限界を学び、AIをツールとして使いこなせる力(AIリテラシー)を獲得する。
人間と知の伝達
本科目は、本学の教養教育課程全体の基盤的科目のひとつであり、本科目で学んだ基礎の上に、その後の教養教育課程に設定する多様な科目の学びを重ねることにより、「社会を構成する知的市民としてのマインドセット」の獲得をめざすものである。また、本科目を受講することにより、本学の教学理念を理解したうえでその後の学びを進められるようにするための科目としても位置付ける。そのため、まずは本学の教学理念を学んだうえで、本学に設置する多様な学部から、それぞれの学問領域の基礎を学び、各学問領域を学ぶ意義を理解する。
(オムニバス方式/全14回)
アカデミックスキルズは、大学での勉強に必要な学習技法の総称である。この科目では、数多くあるアカデミックスキルズのうち、「論理的な文章」の書き方をとりたてて教える。論理的な文章、すなわち、論理性の高い文章が書けるようになると、大学での学習がはかどる。なぜなら、「論理的な文章」の書き方を身につけることは論理的思考を身につけることに他ならない。大学での学習内容の多くは論理的に構築されており、論理的思考が深まると学習内容をより深く理解できるからである。本講義では、まず、比較的短い作文を、段落、語句、文体に意識をはらいながらきちんと書けるように指導する。授業終了時には大学の勉強には不可欠のレポートやブックレビュー、あるいは実験記録などの文章を、論理的に書けるようにする。
日本社会が伝統として培ってきた宗教の文化的土壌を理解し、そこから宗教的な見方、考え方を通して人間関係のあり方やその形成について豊かな意味を獲得していくことを理解し、実践していく態度を身につける。具体的には、日本社会に広く展開した宗教(神道、仏教、キリスト教、儒教、民俗行事など)について、その実践や文化的視点から、資料等を用いながら学ぶ。
市民や社会人として必要とされる倫理観や人間性の養成、異なる考え方や異なる文化を持つ人々を理解する能力の養成を目的とする。哲学は何を問題にしてきたのか、またそれにどのように取り組んできたか、そしてその問いは私たちにとってどんな意味をもつのかについて、さまざまな哲学者の著作を通して考える。
倫理学とは何か、倫理学にどのような意義があるのかを理解し、倫理学的な考え方を身につけることを目標とする。社会正義を考えるをテーマとして学びを進め、近代以降の倫理学の学説を中心に、倫理学的な考え方の基礎を歴史的背景を含めて理解し、現代社会の諸問題を考えるうえで倫理学的な思考法の意義と重要性を知る。
宗教とはいったい何なのか、そして人はなぜ宗教を求めるのか、といった問題を考えることを通じて、私たちは宗教とどのように向き合っていくのがもっとも適切なのかについて、自分なりの考えを形成する。具体的には、客観的で科学的な立場から、宗教の歴史を概観し、有神論と無神論、創唱宗教と自然宗教といった分類のしかたなどを考察する。
日常あらゆる人が行うコミュニケーションにおいて、言語がどのような役割を担っているのかを知る。言語を客観的に捉える姿勢を身につける。言語学の諸分野について講義を行い、そのなかでコミュニケーション上の言語の役割について説明していく。
今日、日本のメディア・コンテンツは世界的な文化として高く評価されつつある。その理由はいくつかあるが、もっとも重要なのは、単なるサブ・カルチャーの域を出て、現代文明に対する警鐘を鳴らすような、知的水準の高い創作活動を実現していることがあげられる。その意味では、かつての純文学とよく似た役割を、日本の映像メディアは今や担っている。こうした観点に立って、日本の映像文化について考える。
本科目は、異文化を実際にどのように理解すればいいのかを考える。そして、諸外国の文化や歴史を理解することの重要性と、それがまた日本を理解する鍵となることを学ぶ。年表や各種の歴史的な史料、新聞記事や写真、画像などを紹介しながら進める。
我々人類は、多様な生活習慣をもち、さまざまな文化を形成している。文化人類学は人間の科学といわれ、個別文化の調査・分析から文化の普遍的な法則を見つけ出し、そこに表れる人間行動の諸相を明らかにすることを目的としている。本科目では、まず、文化人類学がどのような学問なのかを理解することから始め、その研究史、研究視角、調査方法について解説し、さらに具体的な研究事例も取り上げる。
主として近現代に力点を置いてヨーロッパの歴史を解説する。ヨーロッパ諸国における主権国家の形成から、フランス革命を経て19世紀の国民国家形成、産業革命や都市化の動きによる社会の変化、さらに20世紀の2つの世界大戦を経て、戦後のヨーロッパ統合への動きなど、政治や社会の動きに焦点を当てつつ、ヨーロッパの歴史を考察していく。それと同時に、ヨーロッパ世界が非ヨーロッパ世界に与えた大きなインパクトにも注意を払い、世界史の中でのヨーロッパ史という観点も考察の対象とする。
千年の古都である京都は、日本文化の源と言ってよい。しかし、学生がその魅力の源泉にふれる機会は少なく、観光企画や宣伝によって脚光を浴びた表面的な知識しか得られないのが一般である。そこで、この科目では、京都をより深く知り、文化の伝統と現代のあり方について考える機会をもつために、京都を舞台にした文学やそれを成立させた歴史的背景を学ぶ。種々の文学作品を通して、例えば葵祭の特質や往古の人々の祭りに対する心情を想像し、六道の辻がなぜ魔界とされているのかを知ることができる。そこから、観光のあり方や伝統の継承といった、現代的な問題意識も育みたい。
京都の複合する遺跡から京都の歴史と文化を探る。考古資料をもとに京都の地下の文化財に触れ、京文化の根源を学び、探り、理解し、考えてみる。そして京都の遺跡からわかる歴史と文化の表現方法の取得に向う。平安京以前からの、京都の遺跡を学習する。適宜、歩き探る京都を紹介する。
日常生活のなかで見え隠れするさまざまな社会的な問題を考え、対処をするために必要な、日本国憲法に表された基本的な思考を身につける。また、これを理解するために必要な基本的知識を身につけることを目標とし、基本的な事柄をできる限り分かりやすく解説していく。
法学概論Ⅰでは、国家の統治組織や作用、行政権の主体と個人との関係等について学ぶ。主に憲法を中心として進めていき、国民の権利・自由に関する基本的人権論や、権力分立・国家行政組織・地方自治といった統治機構の諸制度を範囲とするが、重要事項の理解を深めるために、関連のある諸法にも触れていく。本講義では、各講において具体的な事例を用いた設問を挙げ、そこで論点となるテーマに関する判例・学説を理解する。また、各制度のあり方について考察し、憲法の基本理念や一般理論を修得する。
法学概論Ⅱでは、私法全体の理解を目的としており、主に民法と商法を中心に進めていく。本講義では、契約、住まい、家族生活、事故の遭遇などのさまざまな場面において、私法との有機的な関連を可能な限り明らかにし、各制度の正確な位置づけを図る。各テーマの理解を深めるために、借地借家法、製造物責任法、民事訴訟法といった特別法も、適宜に範囲に含める。また、具体的な事例を提示して、その解決を念頭に置きながら重要な事項について説明することで、初歩的な応用力を身につける。
民法は、私法分野の基本法であり、市民の社会生活そのものを広範に対象とする学問である。本講義では、民法の基本構造を明らかにし、主要な法原則、法制度、法概念を理解するとともに、その基礎的知識を獲得することを目的としている。また、具体的な事例や裁判例を用いながら、民法が日常生活にどのように関連しているのかを明らかにすることで、法的な問題発見能力、問題処理能力を養い、法の生きた理解を可能にする。特に、財産法の分野の解説に重点を置くが、家族法の分野についても一通り概観しておく。
本講義は、政治学への入門段階を対象に、習得しておかなければならない政治現象や用語を、主に現代日本政治の文脈のなかから説明する。特に、権力の働きや統治機構の役割について、制度等の概要や状況を示しながら説明していく。また、地方自治や国際政治についても、制度や環境の変化に着目しながら体系的整理を行う。受講生は、政治学で頻出する基本的概念や理論モデルについて理解し、現在の国内外の政治変動について、自分の言葉で説明する能力を養うことをめざす。
社会学概論Ⅰでは、自我、家族、コミュニティ、階級・階層、国民国家、グローバル化、情報化など社会学の基本概念の理解を通じて、現代の日常生活を社会学的に理解する方法の修得をめざす。社会学を学習する上での困難のひとつは、社会が空気のような当たり前の存在に思われがちな点にあるが、この授業では、社会の歴史的な形成を明らかにすると同時に、社会の自明性や秩序を守るために私たちには何が求められているのか、という問題意識を身につけることも目標になる。
社会学概論Ⅱでは、社会学概論Ⅰでの基本概念の理解を踏まえ、近年社会学の研究対象として定着した中・後期親子関係、教育システム、親密性、記憶、情報技術などのテーマについて、それぞれの研究分野の第一人者によるテキストの読解を通じて、社会学的想像力の定着をめざす。
社会現象を的確に認識したうえで経済社会問題を分析するために必要な経済学的思考方法を習得させる。具体的には、市場と国家の関係、金融経済と実物経済の関係、経済社会をになう経済主体のあり方、経済変動の要因といった経済社会を理解するための基本的な問題に焦点を当て、これらの問題に経済学がどのような解答を与えてきたかを取り上げる。必要な場合には、現在の日本が抱える諸問題にもふれながら、新聞等で報道されるさまざまな経済現象について正しく理解できるとともに、自分の頭で判断できる力を身につけることを目的とする。
21世紀の企業経営は国際競争を抜きに考えることができない。本講義では国際マーケティングの視点から21世紀の企業経営のあり方について考えるなかで、国際的感覚や思考能力を身につける。具体的には、国際マーケティングの基本原理の理解を踏まえ、日本企業の代表的な電機企業を中心とし、その他自動車、アパレル、食品、学習塾などの企業をケースとして取り上げ、それらの国際マーケティングの実態について説明する。
「会社(企業)が事業を経営する」という基本命題を分析的に理解できるようになること、言い換えると、会社(企業)・事業・経営の相互作用を立体的・構造的に把握するため、それらをめぐる社会システムを理解できるようになること、これが授業での目標である。具体的には、まず会社(企業)形態、事業の定義、経営形態等について講義する。次に会社の「戦略と組織」について、最後には、サプライ・チェーン・マネジメントやアウト・ソーシング等、最新の経営手法の具体的な事例分析に関する講義を行う。
政策と個々人の取り組みとの両面から、環境問題の解決に向けた取り組みについて考察する。環境問題を発生させ拡大させる社会的な要因について分析し、それらへの対応策について研究する。そして、個々の生活と環境問題の関係性について学び、さらに市民、NPO、行政、企業などの多様な主体が連携して進める持続可能な社会に向けた取り組みの現状と課題について学ぶ。
地球の誕生から現在に至るまでの地球と生物の歴史を学ぶ。そのなかでも特に、人類が進化・発展してきた第四紀と呼ぶ現代社会と密接に関係する時代を、人類の諸特徴とともに、氷河の消長、海水準変動、植生変遷などの古地理に係る変遷、および生物地理と人類の拡散などの事象を通して理解することを目標にする。これらは地層そのものと地層中に含まれる化石や考古遺物などの証拠に基づくものであるから、層序と地層の対比、地質学・堆積学の諸法則、化石の二面性、堆積と浸食、堆積構造と変形構造などの地層学の基礎事項の理解を図るとともに、現代生活にも係る火山噴火や地震、土石流などの地盤災害の事例と、その原因も合わせて学習する。
日常生活や仕事でさまざまな問題、さらに環境などの社会的課題を考えるうえで、数学は欠かせない。この科目では、将来、市民として的確な判断を下すために役に立つ数学的考え方や概念を、現実の課題を考えるなかで学習する。扱うのは、経済や環境を考えるうえで重要な指数・対数、刻々と変化する様子から全体を知るための差分や微積分、社会の集団現象を分析するための統計や確率などである。授業では、これらの数学の必要性を理解することを目標とする。
物理学は、科学技術のベースとなる重要な分野であり、さまざまな自然現象を考える上で基礎的な学問となる。本講では、力学や電磁気学、光の干渉・回折などについて学び、先端科学技術と日常的に目にする現象等を理解・説明する力を身につける。
化学は、科学技術のベースとなる重要な分野であり、さまざまな自然現象を考える上で基礎的な学問となる。本講では、無機化学・有機化学にわたって学び、先端科学技術と日常的に目にする現象等を理解・説明する力を身につける。
人間の心理と生理の関係を前提として人体について学修する。そのほか生命にかかわる基本的な学問分野である、遺伝とDNAのメカニズムを事例をもとに学ぶ。
「こころ」と「からだ」を扱う心理臨床の広範囲の現場を紹介しながら、そこで扱われる問題や課題を知り、さまざまな問題に対してのいろいろなアプローチがあることを理解する。また、個人と集団を支援や援助するために必要な「こころ」と「からだ」について、そしてそれを支える「場」と「環境」に対して、見方・付き合い方・学び方を具体的な生活に関連させながら考える。それらを通して、こころやからだの有りようの多様性を理解し、人援助に関わるための自らの特質や経験を含めた資源について見直すための土台をつくる。
心身の問題は広大である。ここでは心理臨床の実践とすることを前提に、あるいはそのなかでわかってきたことなどから、心身相関、東と西の身体観のちがい、医療と養生などについても講じる。
人類の歴史は「病いとの戦い」の歴史であるともいえる。例えば、伝染病との戦いはペストや天然痘には勝利したものの、エイズやインフルエンザといった新たな敵との戦いが引き起こされている。人類の生存をかけた戦いのなかで医学は生まれ、発展してきた。さらに、ライフスタイルの変化、人口の少子高齢化等の社会情勢の変化は生活習慣病などの新たな「病い」の発生の素地となっている。医学は新たな姿の敵との戦いを迎えている。こうした医学の歴史を振り返りながら、「医学の過去、現在、未来」について講義する。
心身機能と身体構造に関する知識の習得を目指す。運動器、消化器、呼吸器、循環器等の各論を網羅的に学習した後、脳と神経系や免疫、アレルギー等についても概説する。さらに、がんや難病等に対する心理的支援について学習する。
看護実践には倫理的側面が不可欠である。本講義では、患者との関わりを重視するケアリングを中心とする看護倫理の基礎的知識を教授する。これを踏まえ、実践において看護師(学生)が遭遇する倫理的問題を含むできごとを教材として、倫理的問題解決の道筋を探るプロセスを学習する。ここで重視するのは、将来患者のアドボケイトを務めるための基礎的能力、すなわち、当事者として考え行動する責任感や主体性、現実のさまざまな制約のなかでもあきらめずに解決をめざす粘り強さや知恵を開発することである。
自立と共存の視点から多文化共生社会をめざす時代になり、看護職者は文化背景の異なる人々への看護のアプローチが求められている。本講義では、国際看護・国際保健の主要概念や理論、国際協力の理念・目標について学び、国際的視野で保健医療にかかわる諸要因と人々の健康について概説する。また、看護職者による国際協力の実績と国内における看護の国際化の現状理解を踏まえ、異文化看護の視点から人々の生活へのより深い理解に立ち、看護の方法や看護師の役割、必要とされる看護実践能力について考察する。
本講義は、看護管理の基礎的知識および21世紀に期待される患者中心志向の医療における看護サービスのマネジメントについて理解することを意図している。講義内容は、看護管理の発展過程、管理の主要概念、看護におけるマネジメントに必要な知識体系など、近代看護における「看護管理」についての基礎知識を概説する。これらを論拠として、医療施設における看護サービスのマネジメントの実際や看護をとりまく諸制度、医療サービス提供体制と運営に関わる看護職の役割について学習するなかで、看護管理への関心を発展させ基礎的な能力をつける。
我が国は、世界に類のないスピードで超高齢社会になり、今後後期高齢者が前期高齢者を上回ると推測されている。現在高齢者は、病気になったとしても自宅で暮らしたいという願いをもち、その多くが在宅で暮らしている。一方で高齢者は、家族形態や地域社会の変化のなかで老後の生活や健康への不安を抱えている。本講義では、高齢者のQ.O.L.(Quality of Life)の維持・向上をめざした看護のあり方をヘルスプロモーションの視点から検討し、高齢者と関わる医療福祉施設をはじめとする多様な場面における看護支援について学ぶ。
超高齢社会を迎えた我が国では、後期高齢者の増加に伴い、要介護高齢者が増加し、なかでも認知症高齢者への対応・対策が喫件の課題と言われている。最近では、認知症疾患の早期発見・早期治療により、その発症や進行を遅らせ、高齢者自身のQ.O.L.(Quality of Life)の維持・向上が期待できるだけでなく介護家族の介護負担を軽くする支援も広がりつつある。しかしいまだに人々の認知症に対する理解不足や、認知症高齢者の暮らしを支える生活環境の提供や法的サービスの整備が不十分である。本講義では、高齢者が認知症になっても人として尊重され、安心して暮らしていける看護支援を多職種や家族と協働し創意工夫できるよう、専門知識、技術を学ぶ。
人と向き合いケアする者にとって、「生きるとはなにか」「死をどうとらえるか」の問いから逃げることはできない。日本における「死」の実態を踏まえ、自分が生きること、人の生を支えること、そして、人の死や自分の死について考察する。人のライフサイクル各期の死生観の特徴や、文化、宗教、病体験、死別体験などが死生観に及ぼす影響について学び、看護するうえで直面するであろう生と死に関わる課題について考える。
母性看護学および小児看護学における研究のなかで、子どもの健康は母親の健康が強く影響することが明らかになり、体だけでなく心の健康も母と子の関係上重要であるとの認識されてきている。本講義では、健康な子どもを生み育てる役割を担う女性を通して、人間にとって最も重要なことの一つである「次世代の育成」を考える。具体的には、母子とその家族、それを取り巻く自然・社会環境、医療環境などとの関係について明らかにし、そこでの看護の役割について考察する。
災害看護に関する基本的知識を学び、災害サイクル各期のさまざまな看護の場における看護活動について、ライフサイクルを踏まえて理解する。このほかにも、国内および国際協力における災害看護活動の事例を紹介しながら、災害看護の現場について学ぶ。また、救命救急活動における基本的技術を習得する。
家族看護に関する理論的知識体系を学び、ライフサイクルに沿って個人と家族の生活とその関連を把握し、家族の持つ健康課題に取り組む看護の役割を考える。具体的には、家族とは何か、また個人とどのように関連しているかを検討し、ライフサイクル各期における家族の生活と健康障害との関連、疾病・傷害が家族生活に及ぼす影響について理解するとともに、家族看護の方法とその展開過程について学び、家族看護の役割について考える。
キャリア科目
「話す・聞く」技術を磨き、よいコミュニケーションのための話しことばの修得を目的とする。話しことばに欠かせない音声表現の知識と技術、人間関係を円滑にするための敬語表現のスキル、パブリックスピーキングに必要な筋道の立った話し方、正しい日本語の運用についての知識等の修得を、講義とワーク、トレーニングにより身につける。
社会人基礎力(コミュニケーション能力)を体得し、社会人としての準備を行う。適切なマナーをもとに、自信を持って自己アピールできるスキル、問題発見解決型人材を念頭においた社会が求めるヒューマンスキル、などの獲得をめざす。講座では、円滑なコミュニケーションからより有益な結果が生み出されることを理解し、効果的な自己アピールの修得や基本的なビジネスマナーのスキルをベースにしたコミュニケーション能力を高めるスキルを修得する。講座形式は、座学で得た知識をもとに実習・ワークショップ・発表を中心とした構成とし、体験を通して考え抜く力、前へ踏み出す力、チームワーク力(コミュニケーション力・自己アピール力)などのヒューマンスキルを身につけることをめざす。
数学の基礎や国語の基礎に関する学修を通した「基礎学力の向上」と、グループワークを通して「チームで成果を出すためのマインドセットを理解すること」を目的とする。具体的には基礎的な公務員試験問題を題材として、授業に取り組んでいく。
キャリア意識醸成、業種・仕事理解の促進および、コミュニケーション能力、計画・実行力等の汎用的能力育成を主な目的とする。事前研修として、個人目標設定、ビジネスマナー・コミュニケーション研修、業界・業種研修などを実施した後に、各事業所にて、40時間以上の就業体験を行う。事後研修では、経験の振り返りののち、必要な講習を実施のうえ、報告書の作成やプレゼンテーションを行う。
専門科目
各種の心理学素材を用いた授業での気づきや学びについて、発表・討論・振り返りシートの提出によって主体的に学ぶ姿勢を涵養することをねらいとする。
自己表現研究 Ⅰに引き続き、自己の学習体験を表現することを深めて、主体的な学習態度を確立させる。
心理学の基礎的な研究法である実験、調査における研究計画の立案から、データ収集とその統計的解析、さらに和英論文の検索と講読の方法を修得する。卒業研究に向けて基礎となる知識と実践力を身につけ、研究実施の基礎力を修得するとともに社会人基礎力の養成にもつなげていく。
心理学の基礎的な研究法である実験、調査における研究計画の立案から、データ収集とその統計的解析、さらに和英論文の検索と講読の方法を修得する。卒業研究に向けて基礎となる知識と実践力を身につけ、研究実施の基礎力を修得するとともに社会人基礎力の養成にもつなげていく。
心理学における実証的研究法である、量的研究および質的研究を理解することを目標とする。実験法、調査法、観察法において用いられる統計的方法(量的データへの分析方法の適用と解釈)についても理解を深める。これらを通して、データを用いた実証的な思考方法を身につけるとともに、実験実施やデータの取り扱いに関する研究倫理を学ぶ。
質的研究は仮説検証的な数量的研究とは異なり、実践現場で問題となっている現象の実態やその内在的な意味などを探索的に探っていくという点に、その特徴がある。この演習では、インタビューや観察を通して得られたデータに基づいて、ボトムアップ的に研究領域に密着した理論や概念モデルを構成していく方法を学んでいく。具体的には、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)に基づいて、データの収集(特に、半構造化面接)、データのコード化、カテゴリーの関係づけによる理論(ストーリーライン)の生成について、それらの方法を実習していく。
心理学の基本的な実験手法を身につけることを目標とする。実験計画の立案から、実験の実施、統計的手法を用いたデータの解析、レポート作成までを行うことにより、科学論文作成への基礎を習得する。受講生を6グループに分け、1グループは1つのテーマにつき5回の演習を受講し、合計3テーマの実験について学ぶ。
心理学の基本的な実験手法を身につけることを目標とする。実験計画から、実験の実施、データの解析、レポート作成までを行うことにより、科学論文作成への基礎を習得する。受講生を6グループに分け、1グループは1つのテーマにつき5回の演習を受講し、合計3テーマの実験について学ぶ。
本講義では、情動、動機づけ、知覚、認知、学習、記憶、発達といった実験や観察によって客観的に明らかにされてきた、心の基本的な仕組みや働きを概説する。これらの基礎心理学全般の基本的な知見を概観することにより、心理学の成り立ちを知り、産業心理学や臨床心理学などの応用領域の理解へとつなげてゆく。
心理学は実証的方法論に基づいて人間の心と行動の仕組みについて客観的・中立的に理解するための「科学」である。この授業では心理学の各分野のなかで、特に「社会的過程」に関するものや「社会への応用」に関連する内容を取り扱う。社会的場面や、産業場面に関連する具体的なテーマを取り上げながら、心理学と社会のつながりについて理解をしたい。また、心理学の各分野で使用される研究法(実験、調査、行動観察など)についても実例を通して理解を深めたい。
心理学の研究では、さまざまな方法によって測定されたデータを分析し、結論を導くことが求められる。そのため、研究を実施するにあたり、統計は必須のツールである。この授業では、統計に関する基礎的な知識を習得し、講義形式と演習形式を併用しながら、心理学で用いられる統計手法の理解を深めていく。
心理学統計法Ⅰで習得した内容を踏まえ、本講では、卒業研究において自らで心理学研究をまとめるにあたり最低限必要となる、より発展的・実践的な統計学の概念について学んでいく。また、種々の統計手法について、電卓を用いて手計算を行う演習を併用することによって、一層の理解を深めていく。
この授業は内容的に「心理学データ解析」の上級クラスという位置づけになる。心理学研究において調査データや実験データの分析に多用される多変量解析法(因子分析、回帰分析、判別分析、クラスター分析、多次元尺度構成法(MDS)など)について講義とコンピュータ(SPSS)を用いた実習を通して学ぶ。この過程を通して統計解析法について理論的な理解を得ることはもちろんであるが、さらにそれらを「心理学研究のための道具」として利用するための知識・技術の習得をめざしたい。
実際の心理臨床場面で使用されることの多い心理アセスメントの理論および技法の基礎、さらに、心理アセスメントの目的や倫理を学んだ上で、観察、面接および心理検査の実際の方法について学習する。それらをふまえて、テストバッテリーの組み方やアセスメント事例の記録・報告書の作成、それに基づく総合的な心理アセスメント、見立ての検討も行い、アセスメントによって得られた観点が、その後の心理学的支援の中でどのように展開され得るのか、展望を得られるようになることを狙う。
心理検査の実際の施行法・結果の整理・解釈について学ぶ。心理検査のなかから、PFスタディ・バウムテスト・YG法・ウェクスラー知能検査・K式発達検査を取り上げ、それぞれについて実施またはビデオ教材を用いて、施行法を学び、実際に結果を処理して解釈を試みる。受講生は各検査について、結果の整理を行い、所見を提出する。
本講では、心理学統計法Ⅱで習得した分析手法(t 検定、分散分析等)について、統計ソフト「SPSS」を用いたデータ解析手法を学んでいく。単なるソフトの使用方法のみならず、得られた結果から情報を適切に読み取る力、および、それらを論文やレポートにまとめる力を身につけることに力点を置き、次年度以降の専門科目につなげていく。
19世紀以降に発展した心理学の歴史を、時間軸および分野別の両方の見地から概観する。古典的文献の原文の一部分を資料として読みながら、当時の言葉づかいなども理解する。
心理学に関する英語の文献を読んでいく。卒業研究のため、あるいは大学院進学後に、英語の専門的な文献を自分で読み進める力を養うことを目的とする。英語を読む以上、当然英文法の知識と文章読解力が必要となるが、前半はこれら基礎的な部分についても復習をしながら進めていく。そして後半は、文献を読みこなすのに必要な、背景となる専門的知識や専門的語彙、さらに理論的なものの考え方や思考力も身につけられるように進めていく。履修者には、ただ訳せばよいという態度ではなく、人が書いた文章の意味を受け止めようとする姿勢が求められる。
「心理学」の様々な領域を学んだ経験をもとにして、自らが内発的に研究を深めたいと感じるテーマを模索する。具体的には心理学領域の文献、論文に多く触れて、「こころ」に対する視点の幅を広げていく中で、自らが真に追究したいと思える内容を絞り込み、問題意識と研究目的を明確にしていく。
卒業研究Ⅰにおいて明確となった問題意識と研究目的を基軸に、研究論文を作成する上での研究計画を立案する。具体的には、研究目的に内包される仮説の構築、仮説を明らかにするための計画を考案する。並行して関連文献より情報収集を行う。
卒業研究Ⅱにおいて立案した研究計画に基づき、実際に研究を実施する。実験、調査あるいは文献研究を実践し、心理学的手法に基づいた論文を作成するための素材を収集する。さらに収集した情報を仮説に沿って分析、解析する。
卒業研究ⅠⅡⅢの集大成として、卒業論文の執筆に取り組む。実験や調査によって得られたデータや収集した文献を読み、自らが焦点化した問題意識や研究目的と照合しながら考察を展開させ。完成された論文を要約し、その内容をプレゼンテーションし、指導教員、学生相互の質疑応答を通して、自身の研究活動を意味ある体験として振り返る。
社会生活向上のための心理学的理論・技術の実践的活用について具体的事例を通して理解する。このために心理学科教員が各自の専門分野に関連する事例についてオムニバス形式で解説する。また大学・大学院で心理学を学びその知識を生かして業務を遂行している方をゲストスピーカーとして招聘し講演をしていただく。「心理学と社会の接点」を理解し大学卒業後の将来的な指針を持つうえで意義を持つ授業と考える。
ヒトを含む動物は、環境内の刺激(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)をどのように知覚し、認知しているのだろうか。動物の行動は、環境刺激を知覚、認知し、意志決定することにより表出される。講義の前半では、ヒトや動物がもつ感覚、知覚の特性を理解する。講義の後半では、感覚、知覚情報を動物がどうように認知、思考するかという情報処理システムやそれらの障害について解説する。動物による道具の使用、ヒトの言語、推論程や意志決定など高次の認知機能についても解説する。
ヒトを含む動物は感情・情動という心理的機能を生得的に有している。情動とは比較的短期の感情の動きと定義される。本講義では、感情に関する理論や感情喚起の機序、情動を制御する脳内機構について解説する。また、感情が行動に及ぼす影響や、情動障害のメカニズムについて解説する。後半においては、人格類型や特性に関する基礎的理論について講義する。また、人格の構成概念や人格がどのように発達していくのかという形成過程について解説する。
どのような実験により心を科学的に解明することができるのか、心理学は方法論そのものについて多くの議論を重ね、さまざまな実験手法をうみだしてきた。本講義前半においては、実験計画立案において気をつけるべきこと、得られたデータの意味など基礎的な事項を解説する。講義後半においては、実験法、観察法、質問紙法などの心理学の主な研究手法から研究倫理まで、心理学実験を行うものにとって必須の事項を解説する。
行動分析学は心理学のあらゆる分野において基礎となる領域である。「こころ」を知るためには「行動」観察する。これらは我々が日常的に行っていることだが、この講義では、行動をいかに観察し、いかに法則を見出し、制御するのか?そのための専門的知識を学ぶ。講義は行動分析の思想の理解のための基礎的内容と行動分析が活かされる場面についての応用的内容を含む。
心の働きと体内の生理反応(血圧、心拍、体温など)の変化は常に相互作用があり、生理心理学はその対応関係を明らかにしてきた。本講義の前半においては、神経系の構造及び機能についての基礎的知識を身につける。この知識をベースとして、神経系、内分泌系、免疫系などの働きと、情動、ストレス、学習、記憶などの心的機能との関係を学ぶ。さらに、高次脳機能障害の概要について解説する。
心の働きと脳の働きの関係を明らかにすることは、今世紀の生命科学の重要課題の一つである。脳は、大脳、小脳、辺縁系など、さまざまな部位に分けられ、それぞれが特異的に、また互いの脳部位が相互作用し、多様な心的機能に重要な役割を果たしている。本講義では、これまでに学んできた情動、知覚、学習、社会行動などの心的機能が、脳のどの部位がどのように働くことによって制御されているのかについて、詳しく解説する。脳科学は合的学際領域であり、生理学、薬理学、分子生物学、神経科学の分野から得られた知見についても紹介する。
心理学において、学習とは経験によって生じる比較的永続的な行動の変化と定義される。ヒトを含む動物は、環境内のさまざまな刺激から、餌のある場所、危険な匂い、捕食者の足音など、さまざまな事象を学習し、記憶する。本講義では、人の行動が変化する過程である学習(報酬学習、運動学習、逃避・回避学習、空間学習、言語学習)とその理論を解説する。学習・記憶を担う神経回路についても解析し、学習障害、記憶障害、認知障害のメカニズムを紹介する。
臨床心理学の理念・成り立ちを概観し、その主な基礎理論・種々の心理アセスメント及び心理的援助法を紹介する。基礎理論としては、精神分析学・人間性心理学・認知行動理論について概説し、これらを理論的背景とした介入法について理解を促す。また、心理アセスメントについては、その意義や注意点を述べ、面接法・観察法・検査法を説明する。これらの学びによって今後の臨床心理学分野の学習・研究への導入とする。
本講義では、パーソナリティの基礎的理論について講義を行う。パーソナリティの諸側面についての心理学的治験を習得することを目的とする。パーソナリティ形成における遺伝的要因あるいは環境的要因にはどのようなものがあるのか、パーソナリティはどのように発達していくのか、パーソナリティの病理にはどのようなものがあるのかなどについて概説する。臨床心理学的アプローチに向けての基盤として学んでほしい。
本講座では、心理学的対人援助の理論とスキルについて学ぶため、その基礎となるC・ロジャースによる「来談者中心法(Client centered therapy後のPerson centered approach)」およびE・バーンによる「交流分析(Transactional Analysis)」の理論について、実習を交え講義していく。ロジャースがセラピストに求めた「受容」「共感」「自己一致」 の態度や、バーンによる「交流」 の視点は、セルフサポートを目的とした心理学的対人援助を志すものにとって、基礎的かつ不可欠な理論であり視座となるものである。
本講義では、まず、カウンセリングの基礎的理論について講義を行う。次に、カウンセリングの理論を基盤にし、コミュニケーションの実践について演習を行う。受講生が自分のための言語化、他者に伝えるための言語化を意識し、身につけることが目的である。人が互いに影響を与え合うことを相互作用という。相互作用において、人は互いに理解を深めようと努める。この人間の日常生活において必要不可欠でありながら、現代社会では困難を来していると思われる。双方向の理解の仕方について学びを深めてほしい。
心理学的な支援法として代表的な心理療法やカウンセリングについて、その歴史、主要概念、それぞれの意義や適応、限界についての概観を学ぶ。また、訪問による支援や地域援助の意義、良好な人間関係を築くためのコミュニケーション方法、心の健康教育など、より幅広い心理学的支援法についても、多角的な知識を習得する。さらに、心理学的支援を要するのがどのような人たちであるのか、対象となる人々についてこれまで学んだ知識と関連付けて理解する。プライバシーへの配慮、心理学的支援における守秘義務の意味など、心理学的支援に関わる倫理や法律などについての基礎についての理解も深める。
本講義においては、犯罪・非行や犯罪被害及び家事事件についての基礎的知識を習得し、主に臨床心理学的な視点から、反社会的行動化としての犯罪を理解することをめざす。犯罪臨床領域では、特定の犯罪理論に依拠して統計的に犯罪を分析をすることよりも、多次元的な観点から一人ひとりの犯罪者・非行少年の人格的特徴や問題性を理解し、矯正心理教育を模索する。これらを通して心理的支援による犯罪防止および矯正心理教育の実際を理解することを目標とする。
個々人の変容をめざすだけではなく、その人が生活する環境を含めて考える、実践的な学問体系であるコミュニティ心理学について解説する。本講義では、その歴史的背景、基本的な発想に加え、背景となるいくつかの理論と合わせて、介入と援助について学ぶ。後半は、家庭や地域、学校教育、産業領域といった各分野での実践例を取り上げながら考察を深める。実践例として、担当者が15年以上取り組んできた市民活動としての電話相談も取り上げる。生活者としての人間の心理を理解し、自分自身が社会に対してどう関わるかを考えることが目標となる。
異常とは何かということについて、発達理論、パーソナリティ理論など、臨床心理学の幅広い視野から理解することを狙う。その上で、精神医学的診断と臨床心理学的査定との両面から、様々な心の問題や病理について理解し、そのメカニズムを学ぶ。さらに、それらの問題や病理に対する臨床心理学的な援助の基礎について学ぶ。
すべての福祉現場は、対人援助の現場であると言える。人を援助するためには、心理臨床の知識、技術が必要とされる。その知識、技術は、「児童福祉」、「老人福祉」、「障害者福祉」といった現場のニーズに沿うものでなければならない。誤解を恐れずに言うなら、学問であっても、福祉現場で問題を抱えて相談の窓口に訪れる一般の人たちの対人支援の心理学として役立たないことには意味がないのである。そして、相談の窓口に自分から訪れることができない被虐待の立場にある子どもや老人に対しても、有効な心理的アプローチでなければならない。以上のような福祉現場における心理学を学ぶことを目的とする。
心理的な支援を要する人々やその関係者への援助、および、心理査定や心の健康教育を実践するための基礎と素養について考える。公認心理師に求められる役割や法的義務、倫理について学びながら、心理に関する支援を実践するうえで必要な自己課題の発見力や解決力、生涯にわたる学びと研鑽の必要性についても理解する。さらに、保健医療、福祉、教育などの各分野における具体的な心理的支援の業務内容に触れつつ、支援を受ける人々の安全への配慮や多職種間または地域での連携の在り方についても概説する。
公認心理師など心理職に携わる者は他の分野と連携すべき機会があることから、保健医療、教育、福祉、司法・犯罪、産業・労働など、想定される分野に関わる関係法規や制度についての知識が必要である。本講義ではこれらの分野に関係する法律・制度を網羅的に学習することに加えて、生殖医療や自殺、貧困、事故、災害などいのちを守る法律についても解説する。
心理支援を要する者に対するコミュニケーション、心理検査、心理面接、地域支援などの基礎技能を、具体的場面を想定したロールプレイングや事例検討を通じ演習する。その際、①心理支援を要する者の理解とニーズを把握し、実際的な支援計画を作成すること、②現実生活を視野に入れたチームアプローチについて学ぶこと、③様々な多職種連携や地域連携の実際について学ぶこと、④公認心理師としての職業倫理及び法的義務を理解すること、の各点について、実際の事例や具体的な場面を想定した演習を行うことでその学修状況を確認し、「心理実習」における実際的な学びの礎を作ることを狙う。
履修要件となる公認心理師科目で習得した知識や「心理演習」で学習した心理支援行為の基本的な姿勢の実際について、医療、教育、福祉、司法の臨床現場の見学、参加観察を通じ、現場で働く公認心理師やチームスタッフから学び、さらに実習生自身もその基礎を体得する。加えて、①心理に関する支援を要するものへのチームアプローチ、②多職種連携および地域連携、③公認心理師としての職業倫理及び法的義務への理解、についての実際を体験し、その意味を検討し、他者と吟味し、自身の技能の習得へとつなげることのできる基礎力を培うことを狙う。
社会心理学者E・アロンソンは、人間を「社会的動物(The socialanimal)」と呼んだ。その言葉の通り、私たちは日常生活を営む上で、家族、集団及び文化から多大な影響を受けており、同時に他者や社会に多大な影響を及ぼしている。本講義では、集団における意識や行動についての心の過程や対人関係の諸問題について、日常的な具体例と対応させながら論考していく。
本講義では、対人関係(恋愛、対人葛藤、ソーシャルサポート等)や集団間・集団内関係(リーダーシップ、同調、パニック等)の諸問題を取り上げ、そのプロセスと心理学的なメカニズなどについて説明していく。社会心理学視点から日常生活に潜む多様な問題を論考していくことにより、他の心理学領域とは異なった人間理解を深めていく。
組織とは一定の目標を達成するために2人以上の個人からなる集団である。よりよい組織をつくるためには、組織における人の行動、個人及び個人の相互作用について理解する必要がある。この授業では組織におけるワークモチベーションや対人関係の問題、そしてチームで職務を遂行する過程におけるリーダーシップやチームワークなどの問題を取り上げる。さらに職場におけるメンタルヘルスを健全に維持するためのストレス対処のあり方や、キャリア形成、および組織を活性化するマネジメント方法など心理的支援の実践的理解の促進を図る。
自給自足の手段をもたない大多数の人々はその一人ひとりが消費者である。商品やサービスを購入することは、生活に不可欠であると同時に、それらを入手し利用する過程において「期待感」や「満足感」をもたらし、また社会的関係の形成、維持や自己実現といった高次の欲求の充足にも不可欠といえる。このようなプロセスの理解は「企業」にとっては製品開発や広告宣伝活動(いわゆるマーケティング活動)の遂行に役立つ。また「消費者」にとっては企業戦略に惑わされないための自己防衛に役立つ。この授業では心理学(特に社会心理学)の理論を援用しながら「消費者理解」のあり方やその妥当性について考察する。
私たちは日々、多くの広告に接触しながら生活している。本講では、心理学や行動科学の研究成果を中心に、これら広告の心理・社会的機能を学習し、広告の送り手・受け手の双方の視点から種々のトピックについて論考していく。加えて、広告を通して人間(消費者)理解を深めることによって、さまざまなマーケティング戦略について議論していく。
製品開発、広告宣伝、販売促進といったマーケティング遂行の上では実証性が不可欠である。このためのデータ収集を目的として行われるマーケティング調査の企画立案、実施、結果の分析、報告書の作成を自らが行うことで、社会調査についての「体験的理解」を深めると同時に実務的・実践的スキルを身につける。このために地域社会の活性化をめざしてプランを立案する場合にしばしば行われる来街者調査(顧客を対象として行われる面接調査や通行量調査など)のプロセスを体験する。
「環境」とは人間の周囲にあり意識や行動の面でそれらと相互作用を及ぼしあうものと定義され、そのような相互作用を取り扱う学問領域が環境心理学である。ここで言う「環境」には自然環境や物理的環境に加えて社会的環境や文化的な環境も含まれる。この授業では、このような環境心理学について、環境心理学の定義・環境の知覚と認知・環境評価の方法など基礎的な概念を学んだ上で、住環境や教育環境、そして労働環境など身の回りの事象を環境心理学はどのように取り上げるかを概観する。
本講義では、受講生をいくつかのグループに分け、グループ研究を実施していく。具体的には、グループごとで研究テーマを決定し、文献を講読し、研究仮説を構築する。その後、収集されたデータを分析し、レポートとしてまとめ、グループごとに研究成果をプレゼンテーションする。こうした一連の研究プロセスを直接体験することによって、卒業研究で活用すべきスキルを習得していく。
本講義では、グループごとに研究テーマを決定し、文献を講読し、研究仮説を構築する。その後、収集されたデータを分析し、レポートとしてまとめ、グループごとに研究成果をプレゼンテーションする。本講義は社会心理学実験演習Ⅰを発展させ、卒業研究で活用すべきスキルをより深く習得していく。
医療や教育などヒューマンサービスの場面などで必要な接遇学、カウンセリング学、ファシリテート・スキルなどを基礎にしてコーチングというコミュニケーション方法を教える。コーチング概論としてコミュニケーションの準備、コーチング応用編として、コーチング・アプローチの具体的手法などを解説する。また、コーチのセルフコントロール法についても実践的なトレーニング法を習得できるようにする。
心理学などでデータを収集する際に求められる調査方法に加え、社会調査の意義や歴史、調査倫理といった社会調査に必要な基礎知識について学ぶ。調査方法に関しては、質問紙調査法(面接調査法や郵送調査法など)や観察法(参与観察法、非参与観察法)などの様々な社会調査法についての理解を深める。こうした基礎知識を身につけることで、社会調査の設計を的確にできるようになることをめざす。
心身の健康の維持増進や疾病への対処について、心理・社会・身体的な要因がどのような役割をもつのかを心理学の側面から学ぶ。ストレス、ライフスタイル、生活習慣病、疾病予防、食物・嗜好品の摂取や運動などといった健康関連行動など、現代社会で問題になっている事柄についての具体的な理解を深める。また、職場におけるメンタルヘルスの重要性について、事例を参照しながら講義する。さらに、人間性のネガティブな側面についてのみではく、ポジティブな側面についても言及し、それらが心身の健康や疾病に対してどの様な関わりをもつのかを考察する。
発達心理学は、生まれてから死ぬまでの変化のプロセスを研究対象とする。発達的変化には発展と衰退の2つの方向が考えられるが、必ずしも出生から成人期まで発展し、中年期以降衰退するというわけではない。いつの時点でも発展と衰退は同時に生じている。例えば新生児の行動発達は、原始反射の衰退と随意的行動の発展によって特徴づけられる。講義では、前半はまず発達観・発達理論の歴史的変遷について述べ,後半は主に認知的・社会的発達を中心に、代表的な研究例を示しながら発達プロセスの発展と衰退について概観する。
生物学的基礎を持つ反応傾向は、環境とのかかわりの中で、その人特有の心理的行動的傾向へと変化していく。この授業では、反射行動、運動発達、言語の獲得、そして老化など、ヒトに共通した変化のプロセスがいかにしてその人独自の心理的行動的傾向に発達・変化していくのかについて、生涯発達の視点から考える。同時に、そのような変化のプロセスを捉えるための方法論について理解する。
教育を受ける者(児童・生徒)と行う者(教師)の心理的社会的問題、学校という教育現場の組織に関わる心理的社会的問題、およびそれらに対する心理的支援の方策について、教育心理学と学校心理学を2本柱に、発達心理学、認知心理学、臨床心理学の知見を交えて講義する。
人としての発達を生きる上での障害について、その多様な姿を理解していく。まず、発達の遅れとは何か、障害があるとはどういうことか、という原理的な問題について説明を行う。引き続き、各論として「知的発達の障害」、「姿勢・運動発達の障害」、「言葉の発達の障害」、「視覚障害」、「聴覚障害」、「発達障害(自閉症スペクトラム、学習障害、注意欠陥多動性障害)」などについて解説をするとともに、発達支援のための療育方法や様々なソーシャルサポートの体制やその取り組みについて解説を行う。
生命倫理学の基本原則を正しく理解し、現代の医療における倫理的諸問題を学ぶ。まず、患者の自律の尊重という生命倫学部理学の基本原則と、これを達成するために不可欠なインフォームド・コンセントの原理について説明する。その後に①出生前診断、人工妊娠中絶、生殖補助医療など人間の誕生にまつわる諸問題、②ターミナルケア、安楽死と尊厳死など人間の死にまつわる諸問題、③遺伝子診断と遺伝子治療、再生医療など先端的医療、④医療情報の保護について教授する。
精神医学の対象は子どもから高齢者まで幅広く、また、対象疾患も統合失調症、気分障害、神経症性障害、気質性精神障害、人格障害、知的障害などさまざまである。精神疾患とその治療では精神医学におけるそれぞれの疾患理解をもとに、当事者のニーズ理解の重要性とその方法についても扱う。具体的には、精神医学に関する概論を解説した後、個別の診断について、また治療や対応方法について、入院治療について、地域での生活支援や医療機関との連携についてなど、精神保健福祉法の内容についてもふれながら、精神科医療の全体像の理解をめざす。
障害者・障害児医学の対象は、身体障害、知的障害、精神障害と多岐にわたるが、この講義では、脳性まひ児やダウン症児や広汎性発達障害児を主として取り上げ、そのような子どもとのかかわり方を概説する。ただその際、各疾患の特徴や医学的予防・治療法に関する知識の習得に偏るのではなく、「障害」をどうとらえ、どう関わるべきかを、福祉学や教育学や心理学などの学際的視点も加えて構築し、子供の生活全体を、1対1の関わりから始まる「臨床」という立場で支援することができる実践能力を涵養する。
心身の健康の維持増進や疾病の予防について、心理・社会・身体的な要因がどのような役割をもつのかを心理学的な側面から学ぶ。ストレス、ライフスタイル、生活習慣病、疾病予防、食物・嗜好の摂取や運動などといった健康関連行動など、現代社会で問題になっている事柄について理解する。これらの理解を通じて、医療や保健活動の現場、災害時等で生じる心理社会的な課題や支援の在りようについても考える。
学生のみなさんに対する連絡は、ポータルサイトへの配信によって行います。
配信されたものについては各自確認されたものとして取り扱いますので、毎日の習慣として必ず内容を確認するようにしてください。