【 第9章 2022年度生用 教育課程(学部別)】
健康科学部 臨床検査学科
科目概要

基礎分野

基礎科目

  • 知へのマインドセット

本科目は、本学の教養教育課程全体の基盤的科目のひとつであり、本科目で学んだ基礎の上に、その後の教養教育課程に設定する多様な科目の学びを重ねることにより、「社会を構成する知的市民としてのマインドセット」の獲得をめざすものである。また、本科目を受講することにより、本学の教学理念を理解したうえでその後の学びを進められるようにするための科目としても位置付ける。そのため、まずは本学の教学理念を学んだうえで、本学に設置する多様な学部から、それぞれの学問領域の基礎を学び、各学問領域を学ぶ意義を理解する。
(オムニバス方式/全14回)

  • 英語 A

基本的な英文の読解・表現の演習を通して、英語理解のための基礎的な知識(基本文型的分析や文法的知識・基本単語・成句など)を整理し、英語の表現方法と日本語の表現方法の違いを考えた上で、実用的に使える英語力を身につけ、英語運用能力のうち、特にリーディングとライティングの技能を発展させていく。

  • 英語 B

平易な英語のリスニング・スピーキング・プレゼンテーションの演習を通して、英語理解のための基礎的な知識(基本文型的分析や文法的知識・基本単語・成句など)を整理し、英語の表現方法と日本語の表現方法の違いを考えた上で、実用的に使える英語力を身につけ、英語運用能力のうち、特にリスニングとスピーキングの技能を発展させていく。

  • 英語 A

スキミング、スキャニング、主題の把握、推論など、効果的に英文を読むために欠かせないリーディングスキルの修得をめざす。また、必要なリーディングスキルを用いて、さまざまなトピックについての読み物を読み、演習問題などを通して、それらトピックに対する自分の意見を表現できるライティング能力を向上させることをめざす。

  • 英語 B

効果的に英語を聞きとるために欠かせないさまざまなリスニングスキルの修得をめざす。それらのリスニングスキルを用いて、さまざまなジャンルのリスニング教材を聴き、演習問題などを通して、それらトピックに対する自分の意見をプレゼンテーションできる能力を向上させることをめざす。

  • 英語 A

TOEICに出題される英文を題材にして、さまざまなトレーニング形式のアクティビティを行い、TOEICの問題を中心とした演習を進めながら英語運用能力を身につける。特に、リーディング面の英語運用能力の向上をめざして、語彙力の強化にも重点を置いた授業を展開する。

  • 英語 B

TOEICに出題される英文を題材にして、通訳・リピーティング・ディクテーションなどのさまざまなトレーニング形式のアクティビティを行い、TOEICの出題形式の演習問題を行いながら英語運用能力を身につける。特に、リスニング面に重点を置いて、さまざまなジャンルの英語の聞き取り能力の向上をめざす。

  • 英語 A

日常的な話題について質問・応答ができる表現力、基本的な文法・語彙を使って文章が書ける作文力の修得のため、TOEICに出題される英文を題材にして、音読・通訳・リピーティング・ディクテーションなどのさまざまなトレーニング形式のアクティビティを行っていく。

  • 英語 B

さまざまなトピックについて英語でプレゼンテーションができる表現力の修得のため、さまざまなトレーニング形式のアクティビティを行っていく。さらに、プレゼンテーションに対して、適切なコメントや質問をする能力も身につくようにしたい。

  • ライティング基礎

大学でのスタディ・スキルとして必要とされる読解力や基本的な文章作成能力の獲得をめざす。演習を通して文章を読む力を養成しながら、添削指導等により、論理的な論説文を書くために必要な文章構成力や推敲の能力を獲得する。

  • 教養ゼミ

教養とは何か、大学で教養を学ぶ意義はどこにあるのかを考えさせる。まずは、「話す」ことを中心にコミュニケーションの基礎を学び、幅広い分野から選定したテキストを使用して、ゼミ形式で検討していく。

  • ITリテラシー

現代の情報化社会に必須であるコンピュータやネットワークに関する基礎的知識の理解と、文書作成、表計算、プレゼンテーションのソフトウェアを活用する技能を、演習を通して習得する。具体的には、Officeソフトを通じ、身近な素材を元に文書ソフトではレポート作成、表計算ソフトではグラフ作成や数値分析、プレゼンテーションソフトではスライド作成といった実践力と応用力を養うとともに、情報社会におけるさまざまな危険を防ぐための知識、情報を扱ううえでのマナーを身につける。

  • データサイエンス基礎

社会全般の情報化が進み、道具であるパソコンがより便利に使いやすく進歩していくなかで、使い手である我々には、それらに関する知識だけでなく、情報そのものを使いこなすことが求められている。本科目では、社会で求められている情報活用の基礎力を体系化し、どうやって効果的に情報を活用するかを演習を通して学習する。具体的には、一連の情報プロセス(収集、分析、整理・保管、表現、運用)の意味を理解し、データや情報を適切に処理・活用できる力を身につける。

人間と知の伝達

【 現代の思想 】
  • 哲学概論

市民や社会人として必要とされる倫理観や人間性の養成、異なる考え方や異なる文化を持つ人々を理解する能力の養成を目的とする。哲学は何を問題にしてきたのか、またそれにどのように取り組んできたか、そしてその問いは私たちにとってどんな意味をもつのかについて、さまざまな哲学者の著作を通して考える。

  • 倫理学概論

倫理学とは何か、倫理学にどのような意義があるのかを理解し、倫理学的な考え方を身につけることを目標とする。社会正義を考えるをテーマとして学びを進め、近代以降の倫理学の学説を中心に、倫理学的な考え方の基礎を歴史的背景を含めて理解し、現代社会の諸問題を考えるうえで倫理学的な思考法の意義と重要性を知る。

  • ジェンダーとダイバーシティ

ジェンダーは人種・民族・階級とともに、人間の歴史的経験を作り上げる最も基本的な要素である。この科目では社会・文化・政治・宗教・教育において、ジェンダーがどのように作用してきたかを考察する。また、人間の差異によって作りだされる支配関係を明らかにするジェンダーの視点を用いて今日的な課題を考える。

  • 心理学概論

「こころ」は誰もが毎日働かせているものであり、対人関係や社会生活について考えるうえでも「こころ」を抜きにすることはできない。こうした身近な存在であるがゆえに、関心を持つ人は多いが、誤解されることや表層的な理解にとどまることも多いと考えられる。そこでこの科目では、自然科学の一種としての心理学の全体像を概観する。そのことで、受講者の持っていた興味や関心が正確な知識とつながり、さらに自らで考えることができるようになるための基礎づくりを目標とする。授業では、生理、知覚、認知、社会、教育、発達、人格、臨床といった心理学の諸分野にわたって広く概説し、心理学の基礎的な知識や、その考え方を身につけられるように進めていく。

  • 宗教学概論

宗教とはいったい何なのか、そして人はなぜ宗教を求めるのか、といった問題を考えることを通じて、私たちは宗教とどのように向き合っていくのがもっとも適切なのかについて、自分なりの考えを形成する。具体的には、客観的で科学的な立場から、宗教の歴史を概観し、有神論と無神論、創唱宗教と自然宗教といった分類のしかたなどを考察する。

【 メディアと情報 】
  • 言語コミュニケーション論

日常あらゆる人が行うコミュニケーションにおいて、言語がどのような役割を担っているのかを知る。言語を客観的に捉える姿勢を身につける。言語学の諸分野について講義を行い、そのなかでコミュニケーション上の言語の役割について説明していく。

  • 現代のメディアと表現

今日、日本のメディア・コンテンツは世界的な文化として高く評価されつつある。その理由はいくつかあるが、もっとも重要なのは、単なるサブ・カルチャーの域を出て、現代文明に対する警鐘を鳴らすような、知的水準の高い創作活動を実現していることがあげられる。その意味では、かつての純文学とよく似た役割を、日本の映像メディアは今や担っている。こうした観点に立って、日本の映像文化について考える。

  • 数学演習

将来の仕事で必要とされる数学について基礎を学ぶ。数と計算・図形の初歩から学び、さまざまな応用問題が解けるようにする。ピタゴラスの定理と無理数、1次・連立・2次方程式、因数分解、1次・2次関数とグラフなどを主なテーマとする。

  • 数学演習

数学的思考、数理的思考を身につける。1次関数、2次関数、関数とグラフ、図形と方程式、図形の性質・面積(ヘロンの公式)などをテーマとして、日常生活との接点を探りつつ、基本的な概念、典型的な問題の解法、実生活への応用を教授する。

  • 情報社会論

情報通信技術が現代社会をどのように支えているのか、また、現在どのような課題があり、今後社会をどのように変えていくのかを学ぶ。テキストを中心に、適宜スライドや配布資料、政府や団体の公開資料等を用いる。理解の深化と確認のため、レポート提出や複数回の理解度テストを実施する場合がある。

  • AIリテラシー

実社会において人工知能(AI)が活用される機会は大きくなってきている。日常生活のなかで、あるいは職業生活のなかでAIを活用するにあたり、その仕組みやAIを使ってできることとその限界を学び、AIをツールとして使いこなせる力(AIリテラシー)を獲得する。

人間と文化

【 外国語と文化理解 】
  • 比較文化論

世界は「謎」に満ちている。私たちの想像や理解を超えたことが頻発している。そうした「謎」を、自分には関係ないと簡単に退けず、自分を、そして自分を形作ってきた「文化」というとらえどころのないものを理解する最良の機会と考えられるようになれたら――これがこの科目の最大の目標である。世界で起こっているさまざまな問題の背景にある文化、価値観、思考様式を知り、そうした問題と自分がどう関わるのかを考えることを通して、さまざまな文化について理解するとは、すなわち自分が変わることであることを理解する。

  • 芸術と文化

芸術と文化の関わりなどについて、芸術の歴史や哲学、美術、音楽など総合芸術をテーマとして学ぶ。また、美術や音楽、映像などの芸術を鑑賞し、現在さまざまに試みられている芸術表現などを取り上げ、芸術による文化発展の可能性や問題について考察する。

  • 異文化コミュニケーション論(人文)

本科目は、異文化を実際にどのように理解すればいいのかを考える。そして、諸外国の文化や歴史を理解することの重要性と、それがまた日本を理解する鍵となることを学ぶ。年表や各種の歴史的な史料、新聞記事や写真、画像などを紹介しながら進める。

  • 文化人類学

我々人類は、多様な生活習慣をもち、さまざまな文化を形成している。文化人類学は人間の科学といわれ、個別文化の調査・分析から文化の普遍的な法則を見つけ出し、そこに表れる人間行動の諸相を明らかにすることを目的としている。本科目では、まず、文化人類学がどのような学問なのかを理解することから始め、その研究史、研究視角、調査方法について解説し、さらに具体的な研究事例も取り上げる。

  • 中国語

中国語の発音と文法の基礎を身につけるため、数字、人称代名詞、名詞、動詞の文、疑問文、疑問詞、形容詞の文、助数詞、時間、年月日、時刻、前置詞の表現などの各種の練習をする。

  • 中国語

中国語のさまざまな基本短文を作ることができるように、変化、完了、進行、持続、経験を表す表現、助動詞、補語、比較形、受身と使役などの表現方法を学ぶ。

  • 中国語

中国語の長い文章に慣れることを目的として、文章を読み進める練習と、一字一句の意味をきちんと確認する方法を併用しながら、易しい文章を大量に読むことによって、まず中国語に慣れることをめざす。文章の内容は、日本や中国の観光地、歴史的事件、食べ物、祝日などを題材にする。

  • 中国語

基礎的な文法を踏まえて、聞き取りの練習、自由表現の練習、対話の練習などを繰り返しながら、中国語でのコミュニケーションができることをめざす。毎回の授業で、中国の文化、習慣、生活、最新ニュースを紹介する。

  • 韓国語

初めて韓国語を学ぶ人のために、文字の仕組みから親しんで、発音法則を理解するほか、挨拶や正確な文章の読みなどを徹底的に学習する。なお、韓国文化を理解してもらうために、韓国人の生き方・歴史・社会・文化、特に食文化などにも触れる。

  • 韓国語

韓国の文字と発音をマスターした人が、次に進む段階として、ここでは文法+会話+講読に重点を置き、基礎文法と基礎会話力を固めると同時に、簡単な読み書きができるように学習する。また、韓国の文化に関わるものを講読のテキストとし、韓国の文化に親しむ。

  • 韓国語

会話+講読+聴解力+作文に重点を置く。韓国語で学んだ力を生かして、表現力を増やし、より自然な会話の習得をめざす。聴解力のアップとあわせて、場面ごとに正確な会話ができるように進め、また日常よく使う表現を作文できるように学習する。

  • 韓国語

韓国語だけで授業を行い、自由会話を中心に聴解力をつけ、韓国の中学生以上の会話運用能力をつけるために学習する。この授業では、自由会話+スピーチができることを目的とし、学生たちによるスピーチと韓国映画鑑賞によってその力を身につける。

【 歴史・文化 】
  • 歴史から学ぶ

歴史学の学問としての方法論を知るとともに、多様な視点から事象を理解する姿勢を身につける。世界史と日本史分野の教員が担当し、歴史学を学ぶうえで必要な学問的方法論についての理解を深める。授業においては特に日本と異文化の接触・交流の視点や、文献史学以外の学問研究の視点に留意するとともに、史料を的確に読む重要性について徹底的に講義する。

  • 京都の歴史・文化

京都の複合する遺跡から京都の歴史と文化を探る。考古資料をもとに京都の地下の文化財に触れ、京文化の根源を学び、探り、理解し、考えてみる。そして京都の遺跡からわかる歴史と文化の表現方法の取得に向う。平安京以前からの、京都の遺跡を学習する。適宜、歩き探る京都を紹介する。

人間と社会

【 法律・行政・政治 】
  • 日本国憲法

日常生活のなかで見え隠れするさまざまな社会的な問題を考え、対処をするために必要な、日本国憲法に表された基本的な思考を身につける。また、これを理解するために必要な基本的知識を身につけることを目標とし、基本的な事柄をできる限り分かりやすく解説していく。

  • 法学概論

法学概論では、国家の統治組織や作用、行政権の主体と個人との関係等について学ぶ。主に憲法を中心として進めていき、国民の権利・自由に関する基本的人権論や、権力分立・国家行政組織・地方自治といった統治機構の諸制度を範囲とするが、重要事項の理解を深めるために、関連のある諸法にも触れていく。本講義では、各講において具体的な事例を用いた設問を挙げ、そこで論点となるテーマに関する判例・学説を理解する。また、各制度のあり方について考察し、憲法の基本理念や一般理論を修得する。

  • 法学概論

法学概論では、私法全体の理解を目的としており、主に民法と商法を中心に進めていく。本講義では、契約、住まい、家族生活、事故の遭遇などのさまざまな場面において、私法との有機的な関連を可能な限り明らかにし、各制度の正確な位置づけを図る。各テーマの理解を深めるために、借地借家法、製造物責任法、民事訴訟法といった特別法も、適宜に範囲に含める。また、具体的な事例を提示して、その解決を念頭に置きながら重要な事項について説明することで、初歩的な応用力を身につける。

  • 民法

民法は、私法分野の基本法であり、市民の社会生活そのものを広範に対象とする学問である。本講義では、民法の基本構造を明らかにし、主要な法原則、法制度、法概念を理解するとともに、その基礎的知識を獲得することを目的としている。また、具体的な事例や裁判例を用いながら、民法が日常生活にどのように関連しているのかを明らかにすることで、法的な問題発見能力、問題処理能力を養い、法の生きた理解を可能にする。特に、財産法の分野の解説に重点を置くが、家族法の分野についても一通り概観しておく。

  • 政治学概論

政治学への入口として、政治についての意識形成、政治についての基礎知識、政治学を学問としてとらえる力を身につけることを目的とする。授業では、権力、デモクラシー、政治システムと政治過程、地方自治、国際政治、宗教と政治、官僚制などを概観し、基礎的知識を獲得する。そのため、テキストを活用しつつ現代日本の政治現象を身近に感じられるように、時事問題を政治学的に考察するヒントを提示するとともに、テレビを中心とするマスコミ以外によって、政治に関する情報・言説を知るソーシャルメディア利用法などにも言及する。

  • 政治学概論

具体的な政治家・政治現象の事例(例えば、「大平正芳」など)から、戦後の日本政治を政治過程論として概観し、さまざまな政治家が活躍する舞台を具象的に再現できるようにする。さらに、日本における政府の仕組み、とりわけ政党と官僚との関係を知り、政治家・政治過程の実際について自分で考え、論評できるようになることを目標とする。具体的には、新自由主義と社会民主主義、内政と外交、族議員と派閥、政権交代と派閥抗争、消費税と赤字国債などについて考察するとともに、映画で政治家はいかに描かれてきたかなどメディアと政治の関係にも言及する。

  • 私たちのくらしと行政

国と自治体の行政活動と社会問題の繋がりについて説明できるようになる、行政に関する制度について市民社会との関係のなかで理解し説明できるようになる、公共政策の実際について分析し説明できるようになることを目標とする。行政は変化し続ける社会への対応を迫られており、その果たすべき役割は、社会との関係のなかで問われている。そのため、行政と外部との関係に着目しながら学んでいく。

【 経済・経営・社会 】
  • 経営学概論

「会社(企業)が事業を経営する」という基本命題を分析的に理解できるようになること、言い換えると、会社(企業)・事業・経営の相互作用を立体的・構造的に把握するため、それらをめぐる社会システムを理解できるようになること、これが授業での目標である。具体的には、まず会社(企業)形態、事業の定義、経営形態等について講義する。次に会社の「戦略と組織」について、最後には、サプライ・チェーン・マネジメントやアウト・ソーシング等、最新の経営手法の具体的な事例分析に関する講義を行う。

  • 会計学概論

目標:企業会計の基本的なシステムを学ぶとともに、あらゆる組織への会計の適用可能性を理解する。内容:企業経営のプロセスを、資金の流れとして学ぶ。さらに、付加価値の形成、市場における価値の創造、収益の分配、および、稼得利益の意義を体系的に考察することによって、企業経営の本質を理解する。また、この学習を、複式簿記のシステム(簿記一巡の手続き)の理解と連動して行う。したがって、他人資本(負債)、自己資本(純資産)、資産、費用、収益という5つのグループの経営プロセス上での役割についても、それぞれのグループ内の勘定科目のレベルにまで、一定程度深化させて理解する。簿記システムの基礎的理解をめざし、簿記一巡の手続きについて学ぶ。

  • 社会学概論

社会学概論では、自我、家族、コミュニティ、階級・階層、国民国家、グローバル化、情報化など社会学の基本概念の理解を通じて、現代の日常生活を社会学的に理解する方法の修得をめざす。社会学を学習する上での困難のひとつは、社会が空気のような当たり前の存在に思われがちな点にあるが、この授業では、社会の歴史的な形成を明らかにすると同時に、社会の自明性や秩序を守るために私たちには何が求められているのか、という問題意識を身につけることも目標になる。

  • 社会学概論

社会学概論では、社会学概論での基本概念の理解を踏まえ、近年社会学の研究対象として定着した中・後期親子関係、教育システム、親密性、記憶、情報技術などのテーマについて、それぞれの研究分野の第一人者によるテキストの読解を通じて、社会学的想像力の定着をめざす。

  • 経済学概論

現代日本経済における諸問題を学ぶことによって、経済学への導入を図る。具体的には、まずバブル経済とその崩壊による平成不況の深刻化の課程を「不良債権処理の10年」として概観する。次に、ケーススタディとして、日本長期信用銀行の破綻、山一証券の自主廃業について検討する。そして、女性労働として雇用機会均等法と育児支援を取り上げるとともに、労働問題として過労死・過労自殺、ホームレス、派遣労働、ネットカフェ難民、派遣村などを取り上げる。これらの諸問題を、映像資料を活用して、イメージ豊かに学ぶ。

  • 経済学概論

戦後日本経済の歩みについて講義する。敗戦直後から、高度経済成長を経て、低成長経済に移行し、1980年代後半にバブル経済に突入するまでを、映像資料を活用してイメージ豊かに学ぶ。具体的には、特需景気、もはや戦後ではない、金の卵、エネルギ ー革命、所得倍増計画、公害、列島改造、ドルショックと石油シ ョック、日米経済摩擦、分割民営、バブル経済、プラザ合意、外国人労働者などを取り上げる。

人間と自然

【 健康・こころ・からだ 】
  • 健康に生きる

「健康」「生きる」「健康に生きる」について、政治、経済、文化、社会、教育、保健医療システム等、さまざまな視点から現象をとらえ、自分自身の健康に生きるについて考えることはもちろん、家族、コミュニティ、日本国内、世界の健康に生きるについても考える。

  • スポーツコース

ソフトバレーボールと6人制バレーボールを教材として基礎体力と技術のスキルアップを図り、またスポーツの必要性を学び、自己の健康管理や怪我なく楽しく運動するために最も必要なルールやマナーを身につける。同時にグループ(チーム)を通し、コミュニケーション・スキルの向上を図る。

  • スポーツコース

に引き続き、ソフトバレーボールと6人制バレーボールを教材として、さらに基礎体力と技術のスキルアップを図る。またあわせて、スポーツの必要性を学び、自己の健康管理や怪我なく楽しく運動するために最も必要なルールやマナーを身につける。同時にグループ(チーム)を通し、コミュニケーション・スキルの向上を図る。

【 自然と環境 】
  • 物理学基礎

物理学は、科学技術のベースとなる重要な分野であり、さまざまな自然現象を考えるうえで基礎的な学問となる。本科目では、力学や電磁気学、光の干渉・回折などの基本的な原理について正しい理解を得るとともに、日常的に目にする現象を物理学的に理解し説明する力を身につける。また、物理学が身近なものに応用されていることを理解し、物理学の原理とその意義について見識を深める。例えば、身近な家庭用機器や医療機器(電子レンジ、健康維持器具、AED、MRI等)などに応用されている電磁気現象の原理などを理解する。

  • 化学基礎

生活の中にある物質や現象を、化学的なものの見方や考え方で捉え、理解できるように基礎概念を解説する。原子の構造と結合、分子の形、物質の形態、溶液、化学反応などについて正しい理解を得るとともに、日常的に目にする物質や現象および、化学が身近に応用されていることを理解し説明する力を身につける。例えば、日常生活に関わる化学物質、例えば石油や原子力などのエネルギー源、金属やプラスチックなどの材料、薬品、医療品などについて触れ、応用されている原理とその意義を理解する。

  • 生物学基礎

生物学の中でも主にヒトに焦点を当てた生命科学、および関連する諸問題について概説する。生命現象を理解するために、細胞の構造と役割、細胞を構成する物質、エネルギー、遺伝学、DNA、発生と老化、脳の構造などから、食と健康、がん、感染と免疫などについても解説し、正しい理解を促進する。さらに、生命現象の科学的な解析、解明が急速に進展する現代において、生物学的な諸問題を正しく理解するため、遺伝子組換生物や再生医療、生態系と環境問題までの最新のトピックを交えて解説する。

  • 生命と生態系

地球の誕生から現在に至るまでの地球と生物の歴史を学ぶ。そのなかでも特に、人類が進化・発展してきた第四紀と呼ぶ現代社会と密接に関係する時代を、人類の諸特徴とともに、氷河の消長、海水準変動、植生変遷などの古地理に係る変遷、および生物地理と人類の拡散などの事象を通して理解することを目標にする。これらは地層そのものと地層中に含まれる化石や考古遺物などの証拠に基づくものであるから、層序と地層の対比、地質学・堆積学の諸法則、化石の二面性、堆積と浸食、堆積構造と変形構造などの地層学の基礎事項の理解を図るとともに、現代生活にも係る火山噴火や地震、土石流などの地盤災害の事例と、その原因も合わせて学習する。

  • 地球の環境と自然

政策と個々人の取り組みとの両面から、環境問題の解決に向けた取り組みについて考察する。環境問題を発生させ拡大させる社会的な要因について分析し、それらへの対応策について研究する。そして、個々の生活と環境問題の関係性について学び、さらに市民、NPO、行政、企業などの多様な主体が連携して進める持続可能な社会に向けた取り組みの現状と課題について学ぶ。

医療と心理

  • こころとからだの健康科学

健康科学部は「こころとからだの健康と臨床」を考究することをテーマとしている。いずれの学科も人間をこころとからだを併せ持つ存在としてホリスティックな視点から捉える考え方に立脚している。本科目では、「こころ」と「からだ」について、心理学、理学療法学、救急救命学、臨床検査学の視点からそれぞれの教員が自身の学術研究や臨床経験の知をもとに講義する。

  • こころとからだの健康科学

健康科学部は「こころとからだの健康と臨床」を考究することをテーマとしている。いずれの学科も人間をこころとからだを併せ持つ存在としてホリスティックな視点から捉える考え方に立脚している。本科目では、「こころ」と「からだ」について、心理学、理学療法学、救急救命学、作業療法学の視点からそれぞれの教員が自身の学術研究や臨床経験の知をもとに講義する。

  • 医療英語

現在、大・中規模病院の多くがISO15189(臨床検査室の国際規格)取得に取り組んでおり、臨床検査分野のグローバル化が急速に進んでいる。また、米国臨床検査技師等の国際資格を取得する際には個人の英語力を高めるだけでなく、海外の臨床検査室や臨床検査技師との知識・技術の交流等を積極的に進める必要がある。医療英語では、医療学術論文を英語で読む基礎を養い、医療技術に関連する会話や講演を理解する能力を修得する。これにより、大学院進学や企業就職の際に必要な英語力に加え、これからの医療現場で必要とされる実践的な英語能力の基礎を身につける。

  • 医学概論

人類の歴史は「病いとの戦い」の歴史であるともいえる。例えば、伝染病との戦いはペストや天然痘には勝利したものの、エイズやインフルエンザといった新たな敵との戦いが引き起こされている。人類の生存をかけた戦いのなかで医学は生まれ、発展してきた。さらに、ライフスタイルの変化、人口の少子高齢化等の社会情勢の変化は生活習慣病などの新たな「病い」の発生の素地となっている。医学は新たな姿の敵との戦いを迎えている。こうした医学の歴史を振り返りながら、「医学の過去、現在、未来」について講義する。

  • 統計学基礎論

この科目では統計学そのものについて学ぶのではなく、統計法を利用して各分野(保健衛生学や心理学、教育学など)の研究を進める方法を学ぶことを目的とする。授業を通じて統計学の基礎を学び、身近なデータを読み取る力をつけ、また実際に受講生自身が研究を行う上で知識を活用できるよう、実践的な能力を身につけることをめざす。

  • 医療と生命の倫理

生命倫理学の基本原則を正しく理解し、現代の医療における倫理的諸問題を学ぶ。まず、患者の自律の尊重という生命倫学理学の基本原則と、これを達成するために不可欠なインフォームド・コンセントの原理について説明する。その後に、①出生前診断、人工妊娠中絶、生殖補助医療など人間の誕生にまつわる諸問題、②ターミナルケア、安楽死と尊厳死など人間の死にまつわる諸問題、③遺伝子診断と遺伝子治療、再生医療など先端的医療、④医療情報の保護について教授する。

  • 臨床心理学

医療を通じて人と関わるために必要な、臨床心理学の知識や考え方を身につけることを目的とする。いくつかの心理療法の基礎となる理論的枠組みと、さまざまな精神的障害に関する基本的な知識を学ぶ。そうした知識も当然重要であるが、それだけにとどまらず「臨床の知」としての思考力を身につける必要がある。「臨床の知」とは、客観的に眺め分析するのではなく、自分が現場にコミットして、相手との関係のなかで考えることといえる。理論だけではなく、それをバックボーンとして「自分が」どのように相手へ関わる存在になっていくのか、履修者それぞれが、主体的に考えられるようになることをめざしたい。

  • 健康心理学

心身の健康の維持増進や疾病の予防について、心理・社会・身体的な要因がどのような役割を持つのかを心理学的な側面から学ぶ。ストレス、ライフスタイル、生活習慣病、疾病予防、食物・嗜好品の摂取や運動などといった健康関連行動など、現代社会で問題になっている事柄について理解する。

キャリア科目

  • キャリア開発演習

キャリア開発演習 では大学で主体的に学ぶ姿勢を身につけることを目的とする。今までの学びとの違いを認識し、より良い大学生活を送るための知識(図書館の利用方法、スライド作成法、レポートの書き方、文献の探し方など)を習得する。また、大学生活や臨床検査技師に関する疑問についてディスカッションする。その後、最近の保健医療や医療現場に関連するテーマを選び、それについて図書館やインターネットなどから情報収集を実際に行う。また、検索した資料を読み込み、学生自身の理解や疑問、関心のあることなどをグループで討議してまとめ発表する。この過程において、コンピュータリテラシー(文書作成、Web情報等の活用、効果的なプレゼンテーション方法)、ディスカッションの方法(論理的な発言、他者の意見の理解)などの能力を身につける。

  • キャリア開発演習

キャリア開発演習 では大学で主体的に学ぶ姿勢、および社会人や医療組織の一員としてのルールやマナー遵守の姿勢を身につけることを目的に、グループ学習を中心に演習形式で実施する。授業では、根拠に基づく医療(EBM=evidence-based medicine)を学修し、臨床検査診断や臨床検査の医療現場などに関連する文献を選び、図書館の蔵書やオンラインデータベースなどを活用し、グループで情報を収集して討議を行い、結論を導いて発表する。また、グループで取り上げたテーマについて、学生一人ひとりが自らの考えや課題意識をまとめたレポートを作成する。この過程を通じて、より深く根拠に基づく医療の考え方を学生に理解させる。

  • キャリア開発演習

キャリア開発演習 では医療の専門職になるために必要な人間関係の構築やコミュニケーションについて、グループ学習を中心にして演習形式で学ぶ。人とモノ、友達同士、家族、地域、日本、国際社会におけるコミュニケーションはそれぞれどう違うのか、またそれが医療とどう結びつくのかを考える。さらに、プライベートや仕事におけるコミュニケーションの違いを考察し、自分と周囲との関わり、言葉や表現方法、他者への影響などについて考えを深め、人間関係とコミュニケーション、他者理解と自己理解について学生に意識化させる。また、医療人として人間力を身につけるためには、大学生活をどのように取り組むべきかを理解する。

  • キャリア開発演習

キャリア開発演習 ではこれからの臨床検査技師にとって重要となるチーム医療について、グループ学習を中心にして演習形式で学ぶ。臨床検査技師は、検査室での検査だけでなく、検査室の外での病院の仕事、病院の外の仕事が増え、診療の補助として採血以外にも業務範囲が広がっている。この授業では、感染制御チーム(ICT)、栄養サポートチーム(NST)、糖尿病診療(糖尿病療養指導士らによるチーム)、治験コーディネーター、移植コーディネーター、臨床研究支援などのチーム医療について考える。この過程を通じて、臨床検査技師の医療組織の一員としての役割や意味を理解し、あわせてコミュニケーション能力や使命感についても考える。また適宜、臨床の現場で働く検査技師をゲストスピーカーとして招き、学生の理解を促進する。

専門基礎分野

人体の構造と機能

  • 人体解剖学

人体解剖学では臨床検査技師として医療に携わるために必要な人体の正常な肉眼形態と構造を系統的に学び、関連科目を習得するための基礎能力を養うと共に、採血、検体採取(経口、経鼻又は気管カニューレ内部空の喀痰吸引、消化管内視鏡検査によるものも含む)及び生理学的検査に対応するために解剖学の観点から系統立てて理解する。授業では、人体解剖学に関する基礎的理解を得た後、筋・骨格系、循環器系、呼吸器系、消化器系、内分泌系、泌尿器系、生殖器系、神経系、皮膚・感覚器系の肉眼形態と構造を学ぶ。

  • 解剖生理学

解剖生理学では人体の構造と機能を系統的に学び、生命現象を総合的に理解し、関連科目を習得するための基礎能力を養う。生命維持の基盤となる機能の中でも、体液、血液、免疫、循環、呼吸、代謝、体温等について、その生理学的意味を学ぶ。加えて、採血、検体採取(経口、経鼻又は気管カニューレ内部からの喀痰吸引、消化管内視鏡検査によるものも含む)及び生理学的検査に対応するために生理学の観点から、系統立てて理解する。

  • 生化学

生化学は生体並びに生命現象に関する科学的な思考と理解に重要な科目である。生命現象を総合的に理解し、関連科目を習得するための基礎能力を養う。生体は、糖質、タンパク質、脂質、核酸、無機質等多くの分子から成り立っている。生体を構成する最小単位である細胞はこれらの物質から構成されている。また、細胞は摂取した物質を代謝し、生命活動に必要なエネルギーを得て増殖・成長している。生化学Ⅰでは生命現象を分子レベルで理解する科学的思考法と基礎知識を身につける。さらに、生体分子の構造や性質、エネルギー代謝について学習するとともに、細胞や細胞の集合である生体の維持、成長における生体分子の機能を学習する。生理検査や生化学検査に対応するために、生化学的な観点から系統立てて理解する。

  • 生化学

生化学は生体並びに生命現象に関する科学的な思考と理解に重要な科目である。生命現象を総合的に理解し、関連科目を習得するための基礎能力を養う。 生化学では生化学で学習した糖質、タンパク質、脂質、核酸、無機質等、生体を構成する分子に関する基礎知識と生命維持におけるそれら生体分子の機能に対する理解を前提として、様々な生命現象を化学的側面から学習する。主に核酸の構造と機能に基づいた遺伝情報とその発現の仕組み。遺伝子の変異と修復の仕組み。細胞内分子や細胞間情報伝達物質による遺伝子発現とその調節の仕組み。さらに、細胞の増殖や分化における遺伝子発現の調節等について学習する。生化学検査や遺伝子検査に対応するために系統立てて理解する。

  • 生化学実習

生化学を学ぶことによって得られる、生体を構成する基本分子に関する理解は、生命を科学的に思考する基礎となる。生化学実習では、酵素反応を利用した生体分子の定性、定量を実習する。また、タンパク質、糖、核酸、脂質などの分離、定性、定量を実習し生化学に対する理解を深める。生化学の実習は、臨床検査における様々な分析や研究手法の基礎となるものであるため、基礎的な実験手法やデータのまとめ方についても学習する。

  • 栄養学

臨床検査技師にとって、栄養に関する基礎知識はチーム医療の一員としても必要であり、病気の予防や健康の維持・回復を理解するためにも重要なものである。栄養学では臨床栄養の意義を理解し、栄養アセスメントの方法や加齢によるバランスなど代謝栄養学的な知識についても修得する。また、採血、検体採取(経口、経鼻又は気管カニューレ内部からの喀痰吸引、消化管内視鏡検査によるものも含む)及び生理学的検査に対応するために栄養学の観点から、系統立てて理解する。

  • 薬理学

薬理学では医薬品の有効性や副作用、投与薬剤の体内動態および体内分布、薬物がどのような仕組みで生体に作用するか等の作用機序を理解することで、薬理作用の基本を理解する。また、薬剤が臨床検査に及ぼす直接的影響や間接的な副作用としての影響を理解する。さらに、検体採取(経口、経鼻又は気管カニューレ内部からの喀痰吸引、消化管内視鏡検査によるものも含む)及び生理学的検査に対応するために薬理学の観点から、系統立てて理解する。

  • 人体発生学

生命現象の中で受精から成体に至る発生の過程を理解することは重要である。人体発生学では、専門基礎科目の一つとして、生命現象を総合的に理解し、関連科目を習得するための基礎能力を養うことを目的としている。ヒトを中心に、配偶子の形成、受精、発生の過程を細胞レベルおよび細胞の相互関係の立場から理解し、発生に伴う細胞分化の基礎概念について学習する。さらに、人体発生における各器官の形成過程を詳細に学習することによって、生理的検査に対応できる解剖学や生理学への理解力を涵養する。

臨床検査の基礎とその疾病との関連

  • 臨床検査学

臨床検査学 では臨床検査教育科目を網羅し、臨床検査の全体像を学ぶ。具体的には 病態学(薬理学及び病態薬理学を除く)、公衆衛生学、医用工学概論、血液検査学、病理検査学、尿・糞便等一般検査学、生化学検査学、免疫検査学、遺伝子関連・染色体検査学、輸血・移植検査学、微生物検査学、生理検査学、臨床検査総合管理学を分野別に広く浅く学ぶことにより臨床検査学への意欲を醸成する。各疾患の重症度のグレードと各検査項目の値との関わりを系統的に学び、臨床診断における臨床検査の意義についても理解する。

  • 臨床検査学

臨床検査学 では臨床検査学 で学んだ各検査の概要を理解したうえで、臨床検査における専門分野の基礎知識を総合的に学ぶ。具体的には、健康診断の検査、肝機能検査、糖尿病検査、腎機能検査、血液検査、輸血検査、心疾患検査、動脈硬化の検査、腫瘍検査、膵機能検査、内分泌疾患の検査、感染症の検査、自己免疫疾患の検査、自己抗体検査の内容について講義するとともに、Reversed C.P.C.(各疾患における症例検討)による臨床検査データの読み方の基礎を身につける。

  • 臨床検査学実習

臨床検査学実習では臨床検査、特に検体検査部門で利用する生物化学的分析手法を学び、実践する。ピペット操作をはじめとし、各種ガラス器具、天秤、マグネチックスターラー、pHメーターなどの取り扱い法を学び、化学分析の基礎となる標準溶液や緩衝液を作成する。中和滴定を通して溶液の濃度の決定法を学ぶ。ランベルト・ベールの法則を利用した分光光度分析法の基礎を学ぶ。モル吸光係数、吸収スペクトルにおける最大吸収波長などが分光光度分析法でどのように利用されているのか学ぶ。加えて医用工学実習の一端も取り入れる。

保健医療福祉と臨床検査

  • 医療概論

医療概論では臨床検査における専門分野の実習を行う上で必要となる検体検査の基礎的な知識と技術を学ぶ。授業では化学容量器、天秤、遠心分離器、撹拌器、恒温槽、分光光度計、pHメータ、顕微鏡などの共通検査機器を組み入れた実習を行う。これにより、臨床化学検査など検体検査で使用することが多い実験器具の正しい使い方から緩衝溶液の調製までを身につけるとともに、病理検査・尿沈渣・血液検査・微生物検査などで必要となる顕微鏡の基本構造の理解や操作技術を修得する。また、抗原抗体反応における凝集反応やELISA法の基礎的な知識と技術を修得する。

  • 公衆衛生学

公衆衛生学では公衆衛生の理解に必要な基礎的事項である疫学、感染症、母子保健、成人保健、学校保健、精神保健、生活環境、公害、栄養と食品衛生、産業保健、衛生の統計、行政、法規と社会保障について学ぶ。また、保健・医療・福祉の制度を学び、予防医学、在宅医療、地域包括ケアシステムや多職種連携についても学習し、疫学的分析法の理論と技術及び臨床検査との関連について理解するとともに、医療チームの一員としての自覚を養う。

医療工学及び医療情報

  • 医用工学

医用工学では医療分野における工学的手法の基礎と概要及び安全性対策を理解・実践できる力を養う。授業では臨床検査で用いられる医用工学の基礎と応用、生体検査に使用される医用電子技術、医用電子機器による生体からの情報収集、医用電子機器使用時の安全対策、医用室の安全対策などを体系的に学ぶ。

  • 医療情報システム学

医療情報システム学では情報のリテラシーとして情報科学の概念と情報収集・処理、ハードウエア・ソフトウエア、コンピュータネットワークの基盤、情報セキュリティなどを修得するとともに、病院情報システム(HIS)に帰属するオーダリングシステム、電子カルテシステム、医事会計システム、臨床検査情報システム(LIS)、検査画像のPACSやDICOM、物流システム、医療情報セキュリティ、医療情報倫理と医療情報危機管理などを体系的に学ぶことで医療情報科学の理論と実際を習得する。

専門分野

病態学

  • 臨床病態学

臨床病態学 では各種疾患の病態を体系的に学び、疾患と臨床検査との関わりについて理解し、各種検査データから、患者の病態を把握、評価することにより、適切な検査データを提供することにより医療チームの一員として臨床に対して支援する能力を養う。
その上で、検査データ事例を用いて、その症例データが示す疾病の原因・症候と検査診断学について理解する能力を養う。症例については、臨床化学・免疫検査・血液検査・病理検査・画像診断全般における検査項目ごとの内容を学ぶ。授業では、循環器疾患(心房中隔欠損症や肺動脈狭窄症等の先天性心疾患、虚血性心疾患や心筋症等の後天性心疾患、本態性と二次性高血圧等の血圧異常、期外収縮や心房細動等の不整脈疾患、動脈硬化症や大動脈疾患等の血管の疾患)および血液・造血器疾患(各種貧血等の赤血球系疾患、各種白血病等の白血球系疾患、血小板減少性紫斑病等の出血性疾患)について詳細な解説や補足を加える。

  • 臨床病態学

臨床病態学 では各種疾患の病態を体系的に学び、疾患と臨床検査との関わりについて理解し、各種検査データから、患者の病態を把握、評価することにより、適切な検査データを提供することにより医療チームの一員として臨床に対して支援する能力を養う。
その上で、検査データ事例を用いて、その症例データが示す疾病の原因・症候と検査診断学について理解する能力を養う。症例については、臨床化学・免疫検査・血液検査・病理検査・画像診断全般における検査項目ごとの内容を学ぶ。授業では、脳・神経系疾患(脳血管障害、神経系の腫瘍、神経系の感染症、機能性疾患、神経変性疾患、脱髄性疾患、脊髄・脊椎疾患、末梢神経疾患、筋疾患、代謝性疾患、その他の中毒性疾患や神経障害)および呼吸器疾患(感染症、アレルギー性疾患、閉塞性疾患、拘束性肺疾患、肺循環障害、換気異常、腫瘍、胸腔疾患、喫煙)について詳細な解説や補足を加える。救急医療や精神・神経疾患(認知症を含む)についても触れる。

  • 病理病態学

病理病態学 では種々の疾患における臓器や細胞、組織の病的変化を体系的に学び、疾患の原因および病気の成立過程を理解する。さらに、疾患と臨床検査との関わりについて理解し、疾患に適切な検査と検査データを提供することにより、医療チームの一員として患者と医療チームを支援できる能力を養う。具体的には、染色体・遺伝子・発生の異常、組織細胞傷害とその修復機構、物質代謝異常、循環障害、炎症、免疫異常、腫瘍について学ぶ。

  • 病理病態学

病理病態学 では病理病態学 で学んだ種々の病的変化は各臓器ごとに、少しずつ異なる形態学的変化となって現れる。では、このような臓器ごとの変化を、循環器系、呼吸器系、消化器系、内分泌系、泌尿器系、生殖器および乳腺、造血臓器系、神経系、運動器系、感覚器系、皮膚系、自己免疫の各系統ないし疾患について学ぶ。また、これらの疾患と臨床検査との関わりについて理解し、各種検査データから患者の病態を把握、評価することにより、適切な検査、データを提供することで医療チームの一員として患者やチームを支援する能力を養う。

  • 病態学演習

臨床検査技師には、免許取得後、実務経験を積むことにより取得できる、より高度な認定資格が数多く用意されている。病態学演習 では、卒業後のキャリアアップをめざし、これまで3年間で学んできた国家試験レベルの基礎・基本となる知識・技術の確実な修得を確認した上で、認定資格で求められる高度な専門知識の一端を演習により教授する。この授業では、就職後に取得をめざす超音波検査士や認定心電検査技師などの認定資格を視野に入れ、生体検査学や画像検査学の基本的な復習からさらに高度な内容、および疾患との関連や検体検査との関連などを理解する。加えて、医療機器の特性やその周辺知識についても学ぶ。

  • 病態学演習

病態学演習 ではこれまで3年間で学んできた国家試験レベルの基礎、基本となる知識について再確認を行い、確かなものとする。具体的な学習内容として、検査総合管理学、尿・糞便等一般検査学、寄生虫学、遺伝子関連・染色体検査学、生化学検査学、検査機器総論などについて学ぶ。

  • 病態学演習

臨床検査技師には、免許取得後、実務経験を積むことにより取得できる、より高度な認定資格が数多く用意されている。病態学演習Ⅲでは、卒業後のキャリアアップをめざし、これまで3年間で学んできた国家試験レベルの基礎・基本となる知識・技術の確実な修得を確認した上で、認定資格で求められる高度な専門知識の一端を演習により教授する。この授業では特に、就職後に取得をめざす認定輸血検査技師や認定臨床微生物検査技師などの認定資格を視野に入れ、病因・生体防御系の機能と制御の基本的知識、微生物・ウイルス感染症、真菌感染症、アレルギー、自己免疫疾患、輸血検査と移植関連検査、公衆衛生学、これらに関係する病態の診断・治療効果判定のための検査の原理と方法、結果の解釈等を学ぶ。

  • 病態学演習

病態学演習Ⅳでは、これまで3年間で学んできた国家試験レベルの基礎となる知識・技術の確実な修得を確認した上で、より高度な専門知識の一端を演習により教授する。この授業では特に、血液検査学や病理検査学に関する各種検査法、疾患との関わり、結果の解釈についてより深く学ぶ。さらに、検体採取やタスクシフティングに関係する意義、方法、注意点を医療安全管理学の分野として知識と技術の定着を図るために修得する。

血液学的検査

  • 血液検査学

血液検査学では赤血球や血色素から貧血の程度、白血球の多さから炎症の程度を把握するために、血液疾患における診断・治療と臨床検査との関わりを学ぶ。血液形態の成り立ち、血液凝固などの基礎知識を修得し、血液分析装置の原理と手技を含めた各検査項目の測定原理、検査方法、臨床的意義を理解する。具体的には、血液の基礎としての血液の成分と機能、血球、止血機構、凝固・線溶系、血液疾患と血液検査の関係および遺伝子・染色体検査、検体の採取と保存、血球に関する検査、形態に関する検査、血小板、凝固・線溶検査、血液検査結果の評価について学ぶ。

  • 血液検査学演習

血液検査学演習では血液検査学で学修した基礎知識や各種検査法の技術知識を用いて、専門的な立場で血液疾患の診断・治療について臨床症例を通じてより深く学び、実際の臨床の現場(医師)にアドバイスまたは応用できる能力を身につける。具体的には、身体の構造、特に疾病時の臓器・組織・細胞等の形態学的検査及び遺伝子関連・染色体検査について、血液学的検査の観点からの知識と技術を習得し、結果の解析と評価についての内容を応用できるように血液疾患患者症例も含めて学習する。

  • 血液検査学実習

血液検査学実習では血液検査学・血液検査学演習で学んだ内容(各検査項目の測定原理、検査方法、検査結果の解析と評価)について、基本技術から具体的作業までを学内実習(医療安全管理学)により修得し理解する。また、顕微鏡を用いて正常の血液細胞と血液疾患の血液細胞との鑑別ができるようにする。具体的には、採血(検体採取)と保存(採血法、抗凝固剤の種類と使用方法、検体の処理、保存法)、血球に関する検査(赤血球数、白血球数、血小板数、網赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、赤血球沈降速度、溶血の検査)、形態に関する検査(末梢血液標本の作製、染色法、末梢血塗抹標本の観察、骨髄標本の作製、骨髄像の観察)、血小板・凝固・線溶検査についての技術を修得する。

病理学的検査

  • 病理検査学

病理検査学 では人体解剖学に引き続き、臨床検査技師として医療に携わるために必要な人体の正常な細胞組織形態と構造を系統的に学び、関連科目を習得するための基礎能力を養うと共に、採血、検体採取(経口、経鼻又は気管カニューレ内部からの喀痰吸引、消化管内視鏡検査によるものも含む)及び生理学的検査に対応するために細胞組織学の観点から、系統立てて理解する。授業では、まず一般的な細胞の構造と基本的な細胞内小器官の構造と機能について理解し、さらに筋・骨格系、神経系などの組織学総論を学び、その後、循環器系、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、生殖器系、内分泌系、神経系、皮膚・感覚器系の細胞組織の形態と構造を学ぶ。

  • 病理検査学実習

病理検査学実習 では病理検査学 で修得した組織学に関する知識をさらに定着させるため、細胞組織に関する実習を行う。実習では、染色した組織切片を光学顕微鏡を使って観察し、それをスケッチすることで、人体の構造の特徴を詳細に理解する。この実習を通して、顕微鏡の取り扱いおよび観察方法に慣れるとともに、上皮組織、支持組織、筋組織、神経組織および各器官の組織を識別するための基礎的能力を身につける。

  • 病理検査学

生体検査や手術によって採取された臓器や組織、細胞から病気の診断や原因究明を行うための病理学検査が行われる。病理検査学 では、病理組織学的検査法の意義、病理組織標本作製法、各種の染色法、組織化学染色法、免疫組織化学染色法、電子顕微鏡標本作製法を学ぶ。近年では病理組織標本を用いて遺伝子検査が行われることも多い。身体の構造、特に疾病時の臓器・組織・細胞等の形態学的検査及び遺伝子関連・染色体検査について、病理学的検査の観点からの知識と技術を習得し、結果の解析と評価について学習する。また、病理解剖(剖検)の意義や介助の実際を学修することで、病理解剖が臨床医学に果たしている役割を理解する。さらに、標本の管理や精度管理についても学ぶ。

  • 病理検査学実習

病理検査学における学修と理解の上で、病理組織標本作製における一連の作業である、固定、切り出し、包埋、薄切、各種染色(HE染色、特殊染色、免疫染色)、封入、鏡検の行程を実習により学ぶ。また、正常組織における形態学的特徴、機能的特徴を理解するとともに、顕微鏡で各種染色標本の形態学的特徴を観察し、その特徴をスケッチを含む所見として記述し、考察を加える。また、実習内容についてグループで討論し、体験や知見を共有することで、知識と技術の一定の標準化を図る。

尿・糞便等一般検査

  • 一般検査学

一般検査学では身体の構造、特に疾病時の臓器・組織・細胞等の形態学的検査及び寄生虫学とその検査について学び、尿、糞便、脳脊髄液などの各種生体試料について、一般検査学の観点から生物化学的分析の理論と実際を習得し、結果の解析と評価について学習する。

  • 医動物学

医動物学では人体に直接病害を起こす動物、間接的にヒトの感染症などを媒介する動物とヒトの関わり合いについて学ぶ。授業では、寄生虫・原虫・衛生動物の分類、分布、形態、発育、生活環、ヒトへの感染について系統的に解説し、寄生虫検査法などをスライドおよび標本を用いて観察しながら学習する。具体的には、赤痢アメーバ・膣トリコモナス・マラリア・トキソプラズマ等の原虫類、回虫やアニサキスなどの線虫類、吸虫類、条虫類、貝・甲殻類、ダニ・ハエ・ノミ・シラミ・蚊などの衛生動物に関する特徴と検査法について理解する。

  • 一般検査学・医動物学実習

一般検査学実習では一般検査学で学んだ知識・技術を実習を通して更に深く認識する。尿・便などの試料を用いて生物化学分析の手法を学ぶ。尿検査では尿沈渣を作成、観察する事で病態の理解や組織、解剖学の復習も行う。微生物学的検査を目的とする各部位からの検体採取についても実習を行い、経口、経鼻または気管カニューレ内部からの喀痰吸引についても学ぶ。寄生虫についても分類や疾患との関係、生態や検査法について学ぶ。医動物学実習では医動物学の講義で得た知識に加え,人体の健康に害を与える主要な寄生虫の形態,病理,診断,検査法等を実物を通して専門知識を習得する。寄生虫感染症の臨床検査診断法について実習し、寄生虫体(成虫,幼虫,虫卵,栄養体など)の形態的特徴の鑑別する技術を習得する

生化学的検査・免疫学的検査

  • 生化学検査学

臨床化学検査値の多くは定量値でありその値の変動から病態の把握や経過観察を行う。検査値は病態に起因する変動だけでなく生理的変動や測定技術的変動を伴う。生化学検査学 ではこのような検査値の変動要因を理解し、臨床化学検査で用いられる生物化学的分析技術の原理と実際を学ぶ。更に各論として電解質と微量元素、糖質、タンパク質について生体内代謝、測定法、臨床的意義を学ぶ。加えて持続皮下グルコース測定の原理、手技及び患者接遇について習得し、結果の解析と評価について学習する。放射性同位元素に関する臨床検査についても学ぶ。

  • 生化学検査学

生化学検査学 では生化学検査学 で学んだ分析原理、技術を再確認しながら臨床化学検査の各論について学ぶ。脂質とリポタンパク、非タンパク性窒素化合物、酵素、骨代謝マーカー、ホルモン、ビタミンの生体内代謝、分析法、臨床的意義を学ぶ。各種病態と臨床化学検査の関りについても学び、臨床化学検査値からどのように病態を推察するのかについても学ぶ。

  • 生化学検査学実習

生化学検査学実習 では生化学検査学 Ⅰ・Ⅱの知識を理論的に技術応用でき、生体物質の構造および測定原理が理解できているか、化学的な分析方法が正しく操作できているか、得られた結果に対して論理的に解析して考察しているかを確認することを目的に実習を行う。具体的には、生物化学的実験技術の最も基本となるピペットの操作法について各自の実力向上を量る。化学的測定法として総タンパク質やクレアチニンの試薬作成と測定。酵素学的測定法としてグルコース(持続皮下グルコース測定を含む)を題材に、試薬や各種実験器具の取り扱い方、分光光度法の基礎、ランベルト・ベールの法則、モル吸光係数、吸収スペクトルにおける最大吸収波長、定量検査値の求め方を学ぶ。

  • 生化学検査学実習

生化学検査学実習 では生化学検査学 Ⅰ・Ⅱの知識を理論的に技術応用でき、生体物質の構造および測定原理が理解できているか、化学的な分析方法が正しく操作できているか、得られた結果に対して論理的に解析して考察しているかを確認することを目的に実習を行う。化学的な測定法としてo-CPC法によるカルシウム、酵素学的測定法としてコレステロール、酵素活性の測定としてアルカリホスファターゼ活性を。そして電気泳動法としてセルロースアセテート膜を支持体とする血清タンパク電気泳動、アガロースゲルを支持体とする血清乳酸脱水素酵素のアイソザイム分析を行う。測定試薬の作成を通し試薬や実験器具の取り扱い方を学ぶ。o-CPC法によるカルシウムの測定ではカルシウムとおなじ2価の陽イオンであるマグネシウムを測定回避する方法を学ぶ。コレステロールやアルカリホスファターゼの測定ではミカエリス・メンテンの式に代表される酵素活性速度論を学びKm値とVmaxを実験的に求める。電気泳動法の基礎を学習し血清タンパク質や乳酸脱水素酵素が分離される状況を実習を通して学ぶ。

  • 免疫検査学

免疫検査学では免疫の仕組みと働きについて、免疫系の特徴、免疫担当細胞や免疫系組織・器官について学び、自然免疫と獲得免疫の連携した生体防御反応のしくみを理解する。免疫学的検査が有用な感染症、腫瘍性疾患、アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全については、免疫と疾患の関わりについて学び、各種生体試料に含まれる成分について、免疫学的検査の観点から生物化学的解析の理論と実際を修得し、結果の解析と評価について学習する。

遺伝子関連・染色体検査

  • 遺伝子・染色体検査学

近年の医学研究の進歩により、従来の遺伝性疾患に加え、糖尿病、心筋梗塞、感染症、各種がん等への遺伝子の関与が明らかになった。さらに、精神疾患における遺伝子の関与も明らかになりつつあり、臨床検査における遺伝子・染色体検査の重要性が高まっている。遺伝子・染色体検査学では遺伝子・染色体検査の原理や方法及び疾患との関連、および検査に伴う倫理について学習する。さらに、これらを理解するためには、細胞生物学などの基礎分野や、病理学などの臨床分野の知識も要求されるため、それらも踏まえて講義する。

  • 遺伝子・染色体検査学実習

遺伝子検査の基本として、特定の核酸の存在を証明する知識と手技は、確実に取得しておかなければならない。遺伝子・染色体検査学実習ではまず、遺伝子解析に必要な機器・器具・試薬に関する知識を学び、遺伝子検査に用いるサンプルの収集・処理・保管などの取り扱いについて理解する。次いで、核酸(DNAおよびRNA)の抽出法と、取り扱い上の注意を学ぶ。また、PCR法の原理と実施法、RT-PCR法の原理と実施法、電気泳動法の原理と実施法等についても理解する。それと同時に、遺伝子検査に伴う倫理的課題について深く理解する。

輸血・移植検査

  • 輸血・移植検査学

輸血・移植検査学では輸血と免疫の関連(輸血の歴史・血液製剤の種類)、血液製剤の適正使用、赤血球膜とABO血液型(おもて試験・うら試験)、ABO亜型と検査、Rh-D血液型とweakD、稀血を含む遺伝子関連、感作と凝集、各種反応増強剤、抗グロブリン試験、不規則性抗体検査、交差適合試験、母児不適合妊娠について学び、輸血の安全性、輸血副作用、血液型不適合妊娠と新生児溶血性疾患等についても理解する。自己血輸血や静脈路への成分採血装置の接続及び操作を理解する。また、HLA抗原における輸血・臓器移植・疾患特異性、移植免疫の重要性や臨床的意義、GVHD等についても理解する。

  • 免疫・輸血・移植検査学実習

免疫・輸血・移植検査学実習 では免疫検査の沈降反応、凝集反応、溶解反応、免疫比濁法、比ろう法、イムノクロマト、ELISA法等の各種測定原理と装置について学び、結果が臨床現場でどのように運用されているかを理解する。具体的には、梅毒凝集反応のRPR法およびTPPA法、間接蛍光抗体法の鏡検による抗核抗体、CH50の補体溶血反応、免疫電気泳動及び免疫固定法、サンドイッチELISA法による肝炎ウイルス検査、免疫比濁法とプロゾーン現象、イムノクロマト法、競合ELISA法の手技を習得し、結果解釈について理解する。

  • 免疫・輸血・移植検査学実習

輸血は、血液成分を体内に入れる臓器移植の一つであり、生じる可能性のある免疫学的あるいは感染性の副作用に注意する必要がある。安全かつ有効な輸血を行うためには、正確な血液型検査、不規則抗体スクリーニング及び同定、交差適合試験の技術を修得するとともに、専門的な知識が必要となる。免疫・輸血・移植検査学実習 では、ABO・Rh血液型検査(試験管法・カラム法・スライド法)、Rh陰性確認試験、ABO血液型亜型検査(抗体吸着解離試験)、抗グロブリン試験(直接クームス・間接クームス)、不規則抗体検査、新生児黄疸スクリーニング検査、交差適合試験における原理、基礎知識、手技を修得し、検査結果の解析と評価ついて理解する。

微生物学的検査

  • 微生物検査学

微生物検査は、感染症の診断や治療効果を判断する上で必要となる病原微生物の分離同定から薬剤耐性・薬剤感受性に関連した薬剤選択まで幅広く、院内感染や感染症治療などの情報提供には不可欠である。また、分子生物学の技術的進歩に伴う微生物検査の高度化に対応するために多種多様な微生物における検査技術を修得することが必要となる。ここでは、病原微生物の歴史から現状、病原微生物の構造と機能特徴、培養方法や検査原理、病原微生物の感染経路や発症メカニズム、微生物の基本構造と代謝、病原微生物の治療法や予防法について理解する。同時に、細菌の構造・機能から見た特徴と分類、細菌の染色法・観察法・鑑別法、抗菌薬の分類、抗菌薬の耐性機序、ワクチンについても学ぶ。

  • 微生物検査学

微生物検査学Ⅱでは病原微生物の形態、培養法、生化学的特徴、代謝、遺伝に関して、病原性を細菌、クラミジア、リケッチア、スピロヘータ、原虫、真菌、ウイルス等に分けて理解し、病原微生物における検査方法の多様性と臨床検査および治療への応用を学ぶ。特に、細菌学の各論となるグラム陽性球菌、グラム陰性球菌、グラム陽性有芽胞形成桿菌、グラム陽性無芽胞桿菌、グラム陰性桿菌、抗酸菌、クラミジア、リケッチア、マイコプラズマ、抗菌薬の分類と特徴およびその耐性機序について重点的に学ぶ。

  • 微生物検査学実習

微生物検査学実習Ⅰでは無菌操作を前提とする微生物検査について、実習を通して微生物の取り扱いやコンタミによる可能性の推測と対応などを理解する。また、採取した検体を培養し、病気を引き起こす細菌などの微生物を検出するために、感染を意識した無菌的操作技術、滅菌消毒法、分離培養法と確認培養法、生化学的検査と免疫学的検査による微生物の同定法、染色法と鏡検法、薬剤感受性検査と各種抗菌薬耐性因子の検出方法を修得する。具体的には、グラム陽性球菌の分離・同定法、グラム陰性桿菌の分離・同定法、真菌の培養、抗酸菌の培養、嫌気性菌の培養などを、各種材料を用いて学習する。

  • 微生物検査学実習

微生物検査学実習Ⅱでは培養検査に必要な手技を習得するとともに、感染制御や抗菌薬適正使用などのチーム医療に関係する知識や手技の習得も必要となる。模擬データを用いた感染対策資料の作成実習やPCR法を用いた耐性遺伝子の検出および分子疫学的解析の手法を習得する。

生理学的検査

  • 生理検査学

生理機能学で扱う臨床検査は、直接、患者に医療機器を接続または密着させることで、身体内部から出てくるさまざまな物理現象を計測したり、外部から超音波や磁力線などエネルギーを加えることで身体内部の画像イメージを得る検査である。 生理検査学 では人体からの生体機能情報を収集するための理論、生理学的検査の役割と測定意義・安全対策・感染対策、患者の心理と対応、外来、病棟、手術室など医療現場における多様なニーズ、安全対策・感染対策・患者急変時の対応などに加え、心電図検査や脈波検査に代表される循環機能検査、呼吸機能検査、睡眠時無呼吸症候群検査、血液ガス検査、臨床脳波検査、脳誘発電位検査、針筋電図検査、末梢神経伝導検査、超音波検査、純音聴力検査、味覚検査、嗅覚検査等の意義と目的、方法、正常所見、注意事項、評価の限界、ノイズと対策ほかを学ぶ。

  • 生理検査学

生理検査学 では生理機能検査の中でも主要な心電図検査、ホルター心電図検査、スパイロメトリーまたはフローボリウムなどの呼吸機能検査、血液ガス検査、臨床脳波検査、針筋電図検査、末梢神経伝導検査、心臓超音波検査、腹部超音波、血管体表超音波などを対象として、特定の疾患と関連する様々な異常所見、境界所見を詳細に学ぶ。また、各種生理機能検査における患者対応の方法や留意事項についても理解する。超音波検査(超音波検査における静脈路からの造影剤注入を含む)についても学習する。

  • 生理検査学

生理検査学 では磁気共鳴画像(MRI)、眼底写真、サーモグラフィ、平衡機能検査、手術室などで行われる術中神経モニタリング(運動誘発電位検査・体性感覚誘発電位検査に係る電極装着(針電極含む)・脱着)等を学ぶ。加えて、生理検査学 および生理検査学 Ⅱ・Ⅲで修得した内容を総括・補完することで、正常所見と異常所見、境界所見を明確に判読する能力を養う。

  • 生理検査学

生理検査学Ⅳでは脳機能イメージング、MRI画像解剖と解剖生理学の関係、臨床検査技師が知っておきたいX線写真検査・CT検査・PET-CT検査、睡眠障害とPSG検査、脳死下臓器移植と法的脳死判定、小児脳波概説、高齢者てんかんとAlzheimer病、認知症の検査、高次脳機能障害、発達障害、メンタルヘルス等を学ぶ。また、直腸肛門機能検査、消化管内視鏡検査(組織検体の採取手技を含む)を含む手技及び患者接遇について習得し、結果の解析と評価について学習する。また、外来、病棟、手術室など医療現場における多様なニーズに対応できる技術を習得する。検査時の急変の対応についても学ぶ。

  • 生理検査学実習

生理検査学実習 では標準12誘導心電図検査・負荷心電図検査・血圧脈波検査、ホルター心電図などの循環機能検査、スパイロメトリー・強制呼出曲線・フローボリュームなどの呼吸機能検査、重心動揺検査・標準純音聴力検査などの平衡聴覚検査、心臓超音波・頸動脈超音波などの画像検査の手技と結果判読を実体験を通して検査結果の解析と評価法を修得する。各検査に用いるME機器の構造および取扱法、安全対策を理解する。加えて、患者に対する言葉遣い、挨拶および身だしなみ、接遇や配慮などについて医療人に求められる資質を理解する。生理機能検査に求められる基本的なスキルがコミュニケーション能力であることを認識することが極めて重要である。

  • 生理検査学実習

生理検査学実習 では臨床脳波検査・末梢神経伝導検査(MCS・Fwave・SCS)・聴性脳幹反応(ABR)検査・体性感覚誘発電位(SEP)検査、運動誘発電位(MEP)検査などの脳神経筋機能検査、無散瞳眼底写真検査、肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓などの腹部超音波、甲状腺ほかの体表超音波などの画像検査の手技と結果判読を実体験を通して検査結果の解析と評価法を修得する。各検査に用いるME機器の構造および取扱法、安全対策を理解する。加えて、患者に対する言葉遣い、挨拶および身だしなみ、接遇や配慮などについて医療人に求められる資質を理解する。生理機能検査に求められる基本的なスキルがコミュニケーション能力であることを認識することが極めて重要である。

臨床検査総合管理

  • 臨床検査総合管理学

臨床検査総合管理学では臨床検査技師の役割や使命、職業倫理、守秘義務の必要性について理解する。また、臨床検査部門の組織と運営を理解し、部門ごとの検査体制と業務内容、各種管理について学修する。具体的には、機器管理、物品管理、人事管理、安全管理、情報管理、財務管理に関する理解を深める。検体の受付や報告、取り扱いや保存における各プロセスの管理上の問題点を整理し、対策と解決のための精度管理と品質保証が確立できてこそ検査総合管理といえる。そのために、トレーサビリティ、誤差要因、分析装置の精度を含めた測定時の精度管理などを理解し、あわせて各種検査機器及び測定法の特徴を学ぶ。また、予防医学における健康診断の重要性を理解し、衛生検査所(検診センター)の役割と業務について理解を深めるとともに、検査結果の精度を保証するうえで重要な信頼性評価、外部評価、認証制度について学修する。

  • 関係法規

臨床検査技師等の医療職に関する法律、感染、薬事、保健衛生、生活保護、社会福祉関連の法規、労働基準法を学び、関係法規の目的、免許、試験、業務等、衛生検査所、罰則などについて理解する。また、死体解剖、医療過誤、毒物および劇物取締法による管理と廃棄に関する法規についても学ぶ。 2015年から可能となった微生物学的検査目的の検体採取に関する「臨床検査技師等に関する法律の一部改正」及び同時に追加された基準味覚検査及び静脈性嗅覚検査、電気味覚検査及びろ紙ディスク法による味覚定量検査に関する「臨床検査等に関する法律施行規則」の一部改正について学ぶ。 2021年に法改正されたタスク・シフト/シェアを推進する8項目(採血に伴う静脈路確保、超音波検査に関連する静脈路確保と造影剤の注入・抜針、成分採血のための装置接続、持続皮下グルコース測定、運動誘発電位検査・体性感覚誘発電位検査にかかる電極の着脱、経口・経鼻・気管カニューレ内部からの喀痰吸引、消化管内視鏡検査・治療における医師立会い下の組織検体採取、直腸肛門機能検査)にかかる法改正の内容を学ぶ。

  • 救急検査学

救急検査とは救急診療(急性病態)に特化して行われる臨床検査である。その主たる目的は、適切な処置・治療を実施するための病態把握・原因検索であり、それには迅速性と正確性が要求される。救急診療は繁忙を極めることから、臨床検査技師が初期診療に参加し、検体採取や処理などの検査前工程を担当することで、救急検査の迅速性及び検査精度を保証することができ、医師・看護師への診療支援(タスク・シフト/シェア)も可能になる。また、検査技師が自身の目と耳で患者情報を収集することにより、検査の優先順位の決定、結果の解釈、パニック値対応なども適切に行うことが期待できる。チーム医療である救急診療において救急検査に精通した検査技師は不可欠であり、本科目では救急診療に参加するために必要な知識と技術を学ぶ。

医療安全管理学

  • 医療安全管理学

医療安全管理学では臨床検査技師の責任及び業務の範囲を理解し、感染管理及び医療安全と患者接遇に配慮して、適切に採血(静脈路確保、電解質輸液の注入を含む)、静脈路への成分採血装置の接続並びに操作、運動誘発電位検査・体性感覚誘発電位検査に係る電極装着(針電極含む)・脱着、超音波検査における静脈路からの造影剤注入、直腸肛門機能検査、持続皮下グルコース測定、検体採取(経口、経鼻又は気管カニューレ内部からの喀痰吸引、消化管内視鏡検査による組織検体の採取を含む)が、医療現場で最低限は実施できる能力を身につける。また、これらに伴う危険因子を認識し、合併症の発生時に適切に対処できる能力を身につける。医療事故等発生の要因分析とその対策について学ぶ。 採血においては、採血時の安全管理・各種採血法と注意事項・静脈路確保の手技などを習得する。静脈路への成分採血装置の接続並びに操作・運動誘発電位検査・体性感覚誘発電位検査に係る電極装着(針電極含む)・脱着においては、安全管理及び適切な手技を習得する。検体採取においては、先に医療倫理と医療安全を学び、次いで各検体の採取に必要な知識・手技を習得する。合併症の発生時や患者急変時には適切な対応が迅速に対処できるよう一次救命処置の能力を身につける。

細胞検査士関連科目群

【 細胞検査士基礎科目 】
  • 臨床細胞学総論

細胞診断学を学び、将来細胞検査士として活躍するために必要となる臨床細胞学について基本的な知識と技術を総合的に学ぶ。臨床細胞学総論 では、まず臨床細胞学の序論として、細胞診断学の歴史や目的、癌細胞の判定基準や用語などの知識を修得する。また、正確な細胞診断を行うために欠かすことのできない標本作製について学ぶとともに、その理論的背景を理解する。その上で、正常細胞と細胞の良性変化などに関する知識と形態的特徴について、細胞診断学の基礎となる婦人科系の特に子宮頸部を対象に学ぶ。実習では、子宮頸部における各種正常細胞、感染症、化生、組織修復までの典型的な細胞について顕微鏡で観察し、スケッチを行うことで理解を深める。 

  • 臨床細胞学総論

細胞診断学を学び、将来細胞検査士として活躍するために必要となる臨床細胞学について基本的な知識と技術を総合的に学ぶ。臨床細胞学総論 では、子宮頸部における上皮内病変から浸潤癌まで、子宮体部における性周期別正常内膜、体癌および絨毛性疾患や卵巣腫瘍に関する臨床細胞学的所見について学ぶ。実習では、子宮頸部における各種上皮内病変から扁平上皮癌、腺癌まで、子宮体部における性周期別正常細胞および子宮体癌の典型的な細胞について顕微鏡で観察し、スケッチを行うことで理解を深める。

  • 臨床細胞学総論

細胞診断学を学び、将来細胞検査士として活躍するために必要となる、臨床細胞学について基本的な知識と技術を総合的に学ぶ。臨床細胞学総論 では、呼吸器、泌尿器、乳腺・甲状腺、体腔液を対象に、正常細胞、良性変化、癌に関する臨床細胞学的所見について総合的理解を深める。実習では、この授業で対象とする呼吸器の正常細胞、非細胞性物質から腫瘍まで、泌尿器、乳腺・甲状腺、体腔液の典型的な細胞について繰り返し顕微鏡で観察し、スケッチを行うことで理解を深める。

  • 臨床細胞学演習

臨床細胞学総論 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲで学んだことをもとに、実習を繰り返して学習し、必要に応じて適宜、教員により、受講生に対し個別的および集団的に解説を行う。臨床細胞学演習 では、婦人科領域における各種細胞の形態学的特徴を学習し、顕微鏡にて繰り返し観察する。

  • 臨床細胞学演習

臨床細胞学総論総論 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲで学んだことをもとに、実習を繰り返して学習し、必要に応じて適宜、教員により、受講生に対し個別的および集団的に解説を行う。臨床細胞学演習Ⅱでは、婦人科領域における各種細胞の形態学的特徴を学習し、独自にスクリーニング・同定できるよう顕微鏡にて繰り返し観察する。

【 細胞検査士コース 】
  • 細胞診断学総論

細胞検査士コースは、細胞診断学に関する総論および6つの各論により構成され、細胞検査士資格認定試験合格を目標に、300時間の講義と600時間の実習を行う。細胞診断学総論では、細胞診断学の序論として細胞診断学総論の講義と実習を行う。近年の癌罹患率の増加、がん検診率の増加を踏まえ、社会における細胞検査士の必要性を考えると、即戦力として社会に貢献できる人材としての知識、技術を習得することが必要である。

  • 細胞診断学各論 (婦人科系)

細胞検査士コースは、細胞診断学に関する総論および6つの各論により構成し、細胞検査士資格認定試験合格を目標に、300時間の講義と600時間の実習を行う。細胞診断学各論 では、婦人科系細胞診断について講義と実習を行う。

  • 細胞診断学各論 (呼吸器系)

細胞検査士コースは、細胞診断学に関する総論および6つの各論により構成し、細胞検査士資格認定試験合格を目標に、300時間の講義と600時間の実習を行う。細胞診断学各論 では、呼吸器系の細胞診断について講義と実習を行う。

  • 細胞診断学各論 (消化器系)

細胞検査士コースは、細胞診断学に関する総論および6つの各論により構成し、細胞検査士資格認定試験合格を目標に、300時間の講義と600時間の実習を行う。細胞診断学各論 では、消化器系の細胞診断について講義と実習を行う。

  • 細胞診断学各論 (泌尿器系・体腔液)

細胞検査士コースは、細胞診断学に関する総論および6つの各論により構成し、細胞検査士資格認定試験合格を目標に、300時間の講義と600時間の実習を行う。細胞診断学各論 では、泌尿器・体腔液の細胞診断について講義と実習を行う。

  • 細胞診断学各論 (乳腺・甲状腺)

細胞検査士コースは、細胞診断学に関する総論および6つの各論により構成し、細胞検査士資格認定試験合格を目標に、300時間の講義と600時間の実習を行う。細胞診断学各論 では、乳腺・甲状腺の細胞診断について講義と実習を行う。

  • 細胞診断学各論 (リンパ節・骨・軟部・造血器等)

細胞検査士コースは、細胞診断学に関する総論および6つの各論により構成し、細胞検査士資格認定試験合格を目標に、300時間の講義と600時間の実習を行う。細胞診断学各論 では、リンパ節・骨・軟部・造血器等について講義と実習を行う。

総合演習

  • 研究基礎演習

臨床検査に関する研究において、科学的に課題解決するための基本的理念や研究態度を身につける。その際、個人や大学の研究としてだけでなく、社会や地域への医療貢献であることを認識させる。研究基礎演習ではまず、課題の理解と課題を達成するための効率的かつ積極的な行動や態度を身につけ、参考文献などによる課題や問題点の解決方法を教授し、課題に対する論理的な作業方法と判断力を養う。また、研究ノートの作成方法や研究に必要な倫理感、守秘義務などを学び、研究者としてのルールやマナーなどを修得する。この授業では積極的に討論を実施する。

  • 卒業研究 A

卒業研究Aでは各専門領域の教員の指導を受けながら、卒業研究を行い、卒業論文を完成させる。前半は、自らの研究課題を設定し、達成するための研究プロセスを考え、必要な知識・技術を修得する。具体的には、研究課題に関連する過去の研究論文の成果等を調べるとともに、研究に必要な試薬・備品・試料・分析装置などの選択と使用方法の確認やプレ実験を行う。後半は、適宜教員の指導を受けながら、必要な実験を行い、卒業論文の執筆を行う。途中、中間発表を行い、学生や教員による評価や討論を経ることで、学術論文としての完成度を高める。

  • 卒業研究 B

卒業研究Bでは細胞検査士・臨床検査技師として、医療の分野で社会に貢献することを目標に1年次から3年次まで学んできた種々の知識と技術を基に、細胞診断に則した研究を行う。具体的には、研究課題に関連する過去の研究論文を調査し、研究に必要な分析方法を検討し研究計画を立てる。研究に必要な試薬、備品、試料、機器を選択する。担当教員の指導のもとに実験を行い実験結果を分析し、論文としてまとめる。

  • 臨床検査学総合演習 A

臨床検査学は専門領域が多岐にわたっており、領域別での基礎から応用までの知識の総合的理解を図っていく。また、領域別の病態学演習をさらに深め、臨床検査の各分野の基礎知識を充実させ、より専門的で応用可能な知識習得へと発展させることにより、卒業後の社会人としての資質や臨床への応用能力を高めていく。臨床検査学総合演習Aは細胞検査士コース受講者以外を対象とする。

  • 臨床検査学総合演習 B

臨床検査学は専門領域が多岐にわたっており、1年次から3年次まで個別領域の知識と技術を段階的に身につけ、臨地実習において現場を体験することにより総合化を行うこととなる。この授業では、さらに専門領域間の関係を学生に意識させつつ、基礎から応用までの知識と技術の総合的な理解を図っていく。また、臨地実習を通して身につけた知識・技術や臨地実習での経験を学生同士が共有することで、知識や技術だけでなく、卒業後の社会人としての資質や臨床への応用能力を高めていく。臨床検査学総合演習Bは細胞検査士コース受講者を対象とする。

臨地実習

  • 臨地実習

臨地実習では臨床検査技師としての基本的な実践技術および施設における検査部門の運営に関する知識を修得し、被験者への適切な対応を学ぶ。また、医療チームの一員としての責任と自覚を養う。具体的には、病院における検査受付・採血、一般検査、血液検査、免疫検査、生化学検査、細菌検査、遺伝子検査、病理検査、輸血検査、生理検査、解剖などで、実際の検査内容を経験する。また、臨地実習マニュアルを基本にして臨床検査の検体処理、分析、結果報告、解釈までを実体験し、検査の仕組み、検査の相談および情報管理、検査データの活用、精度管理、システム運用等を総合的に理解する。さらに、患者接遇、臨床検査技師としての心構え、応用力等も同時に身につける。 加えて、臨地実習に先立ち、臨地実習前技能修得到達度評価試験、臨地実習知識試験、臨地実習常識試験等を学内で実施し、すべての合格者が臨地実習への参加が許可される。

ポータルサイト配信の確認を習慣に

学生のみなさんに対する連絡は、ポータルサイトへの配信によって行います。
配信されたものについては各自確認されたものとして取り扱いますので、毎日の習慣として必ず内容を確認するようにしてください。

【ポータルサイトの利用方法】
『 在学生の方へ 』のページからポータル(ユニパ)をご確認ください。