臨床検査学科

1. 臨床検査学科教育理念

(1)教育研究上の目的

健康科学部は、心理、医療の各分野の専門的知識や技術を習得し、幅広い教養と豊かな人間性を身につけ、新たな課題に対応できる問題解決能力を備えた人材を養成する。臨床検査学科は、科学への探究心を常に持ち、高度に進歩し続ける医療を支えることのできる臨床検査の専門的な知識と技術を身につけ、チーム医療に貢献する臨床検査技師を養成することを目的とする。

(2)ディプロマポリシー(学位授与方針)

健康科学部臨床検査学科は、教学理念および学部・学科の教育研究上の目的に則り、次のような知識・能力を身につけ、所定の単位を修得した者に学士(臨床検査学)の学位を授与する。

  1. ① 患者やその家族、他の医療スタッフとの良好なコミュニケーション能力および他者を思い遣る心を身につけている。
  2. ② 臨床検査技師または細胞検査士としてのリスクマネジメント能力を身につけている。
  3. ③ 臨床検査技師または細胞検査士に必要な専門的知識および臨床検査技術、AIほかのデジタル技術を身につけている。
  4. ④ さまざまな事象に疑問をもち、それらを科学的手法で用いて客観的に検証できる技能を身につけている。
  5. ⑤ 生涯にわたり探求心を持ち、研究し続けるマインドを身につけている。

(3)カリキュラムポリシー(教育課程の編成・実施方針)

学位授与に必要とされる能力(ディプロマポリシー)を修得するために、健康科学部臨床検査学科では、以下の方針で教育課程を編成・実施する。

教育課程の編成

  1. ① 学科の学修を円滑に進め、また自立・共生・臨床の知を体現するための基礎的な素養を育むため、共通教育科目にたちばなSeeds、教養教育科目群、多文化交流科目群、キャリア形成科目群およびスポーツ・健康科目群を配置する。
  2. ② 対象者のニーズに合わせたより質の高い包括的な医療の提供や安全な医療制度の持続可能性に寄与するために、必要な基礎的知識および専門職者間の連携や協働を学ぶ「たちばなチーム医療科目群」を配置する。
  3. ③ 将来、臨床検査技師または細胞検査士として活躍することを早期に自覚し、大学での学修の動機づけのため、初年次に「臨床検査学」、「臨床検査学」、「臨床検査学実習」を配置する。
  4. ④ 臨床検査技師に必要な基本知識・技術を修得するため、専門基礎分野として「人体解剖学」、「解剖生理学」、「生化学」、「医用工学」、「公衆衛生学」等の科目を配置する。
  5. ⑤ 臨床検査技師に必要な専門知識・技術を修得するため、専門分野として「病態学」、「血液検査学」、「病理検査学」、「一般検査学」、「生化学検査学」、「免疫検査学」、「遺伝子・染色体検査学」、「輸血・移植検査学」、「微生物検査学」、「生理検査学」、「臨床検査総合管理学」、「医療安全管理学」等の科目(実習・演習含む)を配置する。
  6. ⑥ 臨床検査技師または細胞検査士としての実践的知識および技術を修得するため、「臨地実習」を配置する。
  7. ⑦ 細胞検査士としての実践的知識および細胞検査技術を修得するため、「臨床細胞学総論」、「臨床細胞学演習」、「臨床細胞学」、「細胞診断学」等の細胞検査士関連科目群を配置する。
  8. ⑧ 生涯にわたり探求心を持ち研究し続ける姿勢やスキルを育むため、「病態学演習Ⅰ〜Ⅳ」、「研究基礎演習」、「臨床検査学総合演習A」および「臨床検査学総合演習B」、「卒業研究A」および「卒業研究B」を配置する。

教育方法

学生が体系的に学びを進めるなかで、各科目の到達目標に達し、ディプロマポリシーに示す能力等を修得できるよう、次のように教育を行う。

  1. ① シラバスや履修の手引き等に、カリキュラムマップや科目の到達目標・授業計画等を明示し、学生に履修・学修の指導を行うことで、学生の体系的な学びを促進する。
  2. ② 多様な授業形態のなかから、各科目の到達目標・内容に適した形態で授業を行うことで、学生の理解を促進する。

学修成果の評価

学生が体系的に学びを進めるなかで、各科目の到達目標に達し、ディプロマポリシーに示す能力等を修得できるよう、次のように教育を行う。

  1. ① ディプロマポリシーに則した到達目標や成績評価方法を科目ごとに設定し、シラバス等で明示したうえで、成績段階を決定する。

2. 教育課程

(1)カリキュラムのねらい

近年における医療の進歩は目覚ましく、臨床検査も同様に高度化して複雑化している。特に、自動化技術と測定法の開発により微量化・迅速化診断することは医療へ大きな貢献となり、科学への探究心と臨床検査の専門的な知識及び技術が高度医療に不可欠である。この様な知識と技術の能力だけでなく、人間関係とコミュニケーション能力を身につけてチーム医療に参画することは今の臨床検査技師には重要な要素である。本学では、臨床検査としての専門的な知識や技術を身につけ、探究心やコミュニケーション能力を兼ね備えた人材を養成するカリキュラムを構築している。これらの能力と所定の単位を修得した者に学士(臨床検査学)の学位が授与される。

(2)各回生の到達目標

ディプロマ・ポリシー(DP)

  1. ① 患者やその家族、他の医療スタッフとの良好なコミュニケーション能力および他者を思い遣る心を身につけている。
  2. ② 臨床検査技師または細胞検査士としてのリスクマネジメント能力を身につけている。
  3. ③ 臨床検査技師または細胞検査士に必要な専門的知識および臨床検査技術、AIほかのデジタル技術を身につけている。
  4. ④ さまざまな事象に疑問をもち、それを科学的手法を用いて客観的に検証できる技能を身につけている。
  5. ⑤ 生涯にわたり探求心を持ち、研究し続けるマインドを身につけている。
1回生
  1. ① 幅広い教養を獲得するために自らが進んで学ぶことができる。
  2. ② 患者またはその家族、他の医療従事者に敬意を払い、共感できる優しい心を身につける。
  3. ③ 臨床検査技師または細胞検査士としてのスタディスキルを身につける。
  4. ④ 基礎医学に関する知識や技術を身につけると共に何事にも興味を持つ心を養う。
  5. ⑤ 自らの心に従って豊かな人間性を育む。
2回生
  1. ① 社会人として必要な道徳観や人間性を身につける。
  2. ② 医療従事者として責任ある行動が取れるマインドを身につける。
  3. ③ 臨床検査技師または細胞検査士に必要な基本的な知識と技術を身につける。
  4. ④ 医学または医療に関する疑問や課題を探究していく姿勢を身につける
  5. ⑤ 臨床検査学に関するさまざまな疑問を自らの力で解決する。
3回生
  1. ① 社会人として必要な学識や実行力を身につける。
  2. ② 医療現場における安全性の確保と危険回避の方策を理解する。
  3. ③ 臨床検査学の深淵に触れると共により高度で専門的な知識と技術を身につける。
  4. ④ 医学または医療に関する課題や疑問を解決するために必要な数多くの科学的手法に関する知識を身につける。
  5. ⑤ 真摯に自らの探求心にしたがって行動し努力できる心を身につける。
4回生
  1. ① 患者またはその家族、他の医療従事者との実践的なコミュニケーション能力を身につける。
  2. ② 医療現場におけるトラブルを想定し、初期対応や問題解決のシミュレーションができる。
  3. ③ 自身が目指すべき臨床検査技師または細胞検査士の理想像を確定する。
  4. ④ 医学・医療に関するアカデミックスキルを身につける。
  5. ⑤ 医学研究および研究倫理等の初歩的なマインドを身につける。
ディプロマ・ポリシー(DP)

(3)履修条件

本学では、系統的で継続性のある効果的な学修を実現することを目的として、一部の科目に履修条件(履修制限)を設定しています。

科目名 履修条件
卒業研究A・B
臨床検査総合演習A・B
「臨地実習」を修得していること
臨地実習 3回生後期までの専門基礎分野必修科目と専門分野必修科目を全て修得見込みであること
細胞検査士コース 細胞検査士基礎科目を全て修得していること

※ 「修得見込み」とは、試験等の結果により、当該科目の単位を認められることが確実であることを指す。

3. 取得できる資格