1. 建築デザイン学科教育理念
(1)教育研究上の目的
工学部は、人間、社会、環境等に配慮し、人類の生活をより快適・豊かにすることをめざした科学技術に関する学問を習得し、工学を通じて社会に貢献する人材を養成する。工学部建築デザイン学科は、建築デザイン・インテリアデザイン・環境デザイン領域の専門知識と技術を身につけ、安全かつ快適で持続的な生活環境を生み出すことのできる人材を養成する。
(2)ディプロマポリシー(学位授与方針)
工学部建築デザイン学科は、教学理念および学部・学科の教育研究上の目的に則り、体系的な学修を通じて、一級、二級建築士やインテリアプランナーに資する知識・技能の獲得をめざすとともに、それらの学びのなかで得た知識・技能を活用し、実社会に応用することのできる人材を養成している。
そのために建築デザイン学科では、この教育目標に基づき、次のような知識、能力を身につけ、所定の単位を修得した者に学士(工学)の学位を授与する。
A. 知識・理解
- ① 人間の生活環境を理解するために必要となる、社会や自然に関する幅広い教養を身につけている。
- ② 建築計画、建築構造、建築環境をはじめとする創造的な建築設計に関わる知識を身につけている。
- ③ 空間と形、色彩、質感等の諸要素に関する知識に加え、人間工学を含むデザインに関わる知識を身につけている。
B. 思考・技能
- ④ ハードとソフトの両面からシステムを構築し、自らが設定した目的を実現することのできる能力を身につけている。
- ⑤ 自らの考えを論理的に整理したうえでビジュアルに表現し、分かりやすく説明する能力を身につけている。
- ⑥ 住居を始めとする居住空間を個人やコミュニティのニーズに合わせて計画し、具体的に設計する能力を身につけている。
- ⑦ 人々が具体的に生活するなかで直面する諸問題を、ハードの側面からデザインする能力を身につけている。
C. 関心・意欲・態度
- ⑧ 日常生活のなかに存在するデザインに関心を持つとともに、新しいデザインを生み出そうとする意欲を身につけている。
- ⑨ 関係する人々とコミュニケーションを図りつつ、デザイン思考で課題解決に取り組もうとする態度を身につけている。
(3)カリキュラムポリシー(教育課程の編成・実施方針)
学位授与に必要とされる能力(ディプロマポリシー)を修得するために、工学部 建築デザイン学科では、以下の方針で教育課程を編成する。
- ① 学科の学修を円滑に進め、また自立した社会人としての基礎的な素養を養成するため、共通教育科目にたちばなSeeds、教養教育科目群、多文化交流科目群およびスポーツ・健康科目群を配置する。思考力などの汎用的技能や主体的に学びを続ける態度を涵養する科目並びに、幅広い教養を教授する科目を配置する。
- ② 学びと社会のつながりや自らの将来を深く考えさせ、キャリア実現に向けた積極的な行動を促すため、共通教育科目にキャリア形成科目群を配置する。
- ③ 自立した社会人として仕事に従事するうえで不可欠となる、論理的・批判的思考力や実践力、コミュニケーション能力、リーダーシップの養成および専門的知識・技能の深化のため、専門教育科目に演習科目群を配置する。1年次から4年次までの学びの段階に応じた必修の演習科目で実践的な学びを展開する。
- ④ 建築デザインを学ぶ学生が、共通して身につけるべき基礎的な知識や技能を養成するため、専門教育科目に基礎科目群を配置する。
- ⑤ 建築デザインの専門的な知識や技能を身につけるため、専門教育科目に建築デザイン科目群を配置する。
- ⑥ 学部を超えた文理融合の学びを促すため、専門教育科目にクロスオーバー科目群を配置し、他領域の科目を厳選して配置する。
2. 教育課程
(1)各回生の到達目標
1回生
まず、1回生入学時に4年間の学修計画を立てましょう。その中で、上回生で専門的な学修をする際の基礎となる科目について、積極的に受講し、基礎知識を身につけます(一級建築士受験資格取得を意識して、1回生から計画的な履修が必須となりますので注意が必要です)。学科必修科目である「アカデミックスキルⅠ」「アカデミックスキルⅡ」を履修することで、大学での「高校生の時までとは全く異なる」学びの方法を身につけると同時に、現地調査の結果をレポートにまとめる能力、レジュメを作成してプレゼンテーションをする能力などを身につけていきます。
これと同時に、「造形基礎」「建築デザイン入門」「インテリアデザイン入門」「建築設計演習Ⅰ・Ⅱ」などを履修することにより、建築の学びの基礎知識を身につけていきます。
2回生
2回生では、1回生で学んだ基礎知識を応用しながら、学科必修の「建築プロジェクト演習Ⅰ・Ⅱ」を履修することで、建築分野の文献講読やフィールドワークを通じて、理論と実態の関係性への考察を深めていきます。
また2回生は、3・4回生での専門分野の学修のための基礎固めの最後の機会となるため、再度、自分自身の学習計画を見直すことが重要となります。「建築設計演習Ⅲ・Ⅳ」で実技の基礎を身につけます。「プロジェクトマネジメント」では、経済学部、経営学部、工学部情報工学科と合同のプロジェクトに参加します。専門分野が異なる人たちと交流し、協働作業や意見交換を活発におこなうことで、互いに多くの刺激を受け合って、その後の成長につなげてほしいと思います。
3回生
いよいよ3回生になると、二つの課題について深く考える必要があります。ひとつは、卒業研究(卒業論文または卒業制作)のテーマの設定について、もうひとつは将来の進路についてです。
「建築プロジェクト演習Ⅲ・Ⅳ」を履修し、自分自身の関心の方向性をこれまでの学修を振り返りながら確認し、専門科目を主体的に選択していくことが求められます。一級建築士受験資格取得の要件科目を再度確認して、取りこぼしのないよう専門科目を履修します。卒業研究において建築設計を行う場合は、「建築設計演習Ⅴ・Ⅵ」を履修するようにしてください。両科目を履修し、少なくとも一方は修得済みである必要があります。
4回生
いよいよ、最終回生となる4回生においては「卒業研究」「建築プロジェクト演習Ⅴ・Ⅵ」を履修することにより、4年間の学生生活のしめくくりとなります。特に「卒業研究」では、自分自身の関心やこれまでの学習内容から、テーマを最終決定し、専門演習担当教員の指導の下で卒業研究を完成させることを目指します。これまで培った技術力をさらに磨きながら、社会に通用する水準の卒業制作などの卒業研究の達成を目指します。
(2)履修条件
建築デザイン学科では、指定された科目を履修し、要件を満たすことができれば、一級建築士・二級建築士の受験資格、インテリアプランナー登録資格を取得することができます。これらの資格は皆さんが大学を出た後の就職活動で有利に働くばかりでなく、皆さんの将来を切り開く大きな武器となり、また社会人になってからではなかなか取得できるものではありません。ぜひ、一級建築士受験資格取得を目指してがんばってください。
ただし、系統的で継続性のある効果的な学修を実現することを目的として、一部の科目に履修条件(履修制限)を設定しています。以下をよく確認し、計画的に4年間での資格取得を目指してください。
対象科目 | 履修条件 |
---|---|
建築設計演習Ⅱ | 「建築設計演習Ⅰ」を修得済みであること。 |
建築設計演習Ⅲ・Ⅳ | 「建築設計演習Ⅰ」および「建築設計演習Ⅱ」を修得済みであること。 |
建築設計演習Ⅴ・Ⅵ | 「建築設計演習Ⅲ」および「建築設計演習Ⅳ」を履修済みであり、少なくとも一方は修得済みであること。 |
構造力学Ⅱ | 「構造力学Ⅰ」を修得済みであること。 |
CAD演習Ⅱ | 「CAD演習Ⅰ」を修得済みであること。 |
(3)卒業研究
卒業研究(設計または論文)は、4年間の学修の集大成をなすものとして重視されています。卒業研究を提出し、合格することが卒業するための必要条件となっています。建築デザイン学科では、卒業研究を設計または論文として取りまとめます。
設計
- ① 設計図面は、A1サイズで4枚以上とし、模型等があれば合わせて担当教員に提出してください。
- ② 設計図面をA3サイズに縮小して2部印刷し、それぞれを指定のファイルに綴じて、1部を社会・工学系事務課に、1部をゼミ担当教員に提出してください。
論文
- ① 論文は、A4サイズ縦用紙に横書き(1枚につき40字×40行=1,600字)で総字数12,000字以上とします。ただし、注書きを含みます。
- ② ワード原稿を2部印刷し、それぞれを指定のファイルに綴じて、1部を社会・工学系事務課に、1部をゼミ担当教員に提出してください。
関連注意事項
- ① 卒業研究は、提出期限に遅れると受理できません。受付期間については別途指示します。なお、本人以外の提出、郵送による提出は受け付けません。
- ② 卒業研究については、中間発表会と口頭試問会を経たうえで、最終的に単位を認定します。
- ③ 卒業研究を設計で行う場合は、「建築設計演習Ⅴ」および「建築設計演習Ⅵ」を履修し、少なくとも一方は修得済みである必要があります。
3. 取得できる免許・資格
(1)取得可能資格一覧
資格名称 | 対象学部・学科 |
---|---|
一級建築士、二級建築士・ 木造建築士試験受験資格 |
工学部 建築デザイン学科 |
インテリアプランナー登録資格 |